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#スイーツ男子のお悩み事は甘くてほろ苦いティラミスの味
ティラミス 8食目
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クラッカーを持って部屋のライトを落として驚かす準備はバッチリとカメラにOKサインをする。
イケイケお洒落さんの見た目の割にはド定番で分かりやすいドッキリをする彼にクスッと笑ってしまった。
ガタガタと相手の帰宅を知らせる音が玄関からすると彼は部屋のドアの横に隠れてタイミングを見計らっている。
〈マコト誕生日おめでとう~!!〉
ドアを開けた瞬間勢いよく飛び出したクラッカーの紙吹雪と被った彼は驚いて停止した。部屋の飾りを見渡してサプライズを察して驚きの顔から笑顔に変わった。
そして彼が主役の恋人に可愛くチュ♡と頬にキスをしたと思えば、見つめ合って唇を合わせて深いキスに変わって1分くらいのキスショーを見せる。
バタンっ!咄嗟にパソコンを閉じた。まさかディープなキスまでするなんて、、230万人が観てる配信でこんな過激な事を。
『えっ、、まさか……この先は!?』
なぜ"怖いもの見たさ"と言う感情があるのだろう。きっとそれは本心はその事柄やその相手に関心を抱いてる証拠。素直になれない感情の一つなんだと思う。
ゆっくりパソコン開いて唇が重なったシーンで止まった画面を再生して先を進める。"じゃーん!"と出してきた手作りケーキには火のついたロウソクが5本ゆらゆらと揺れて今日の主役の目の前に差し出す。ローソクの火に息を吹きかけて煙に変わると見つめあった二人。
〈ありがとう大河!……愛してる〉
〈ずっと一緒にいような〉
まるで恋愛ドラマのような展開と言葉にまた見入ってしまってた。そのままソファーに座ると完全に二人の世界に入りケーキを食べさせあったりプレゼントの服をその場で着て見せたり。
カメラなんて回って無いかのように恋人同士のイチャイチャタイムでそのまま動画は終了した。
『はぁ、よかった…これ以上は無かった』
一体何を期待していたのだろう。誰でも目に触れる動画でそれ以上とかあるわけない。
ただこの類いの世界に踏み込んだ事ないし、理解出来ないのが正直なところ。
19歳のノンケの僕にはあまりに刺激が強い世界。
『……これからどうしたらいいのかな』
しかしまさか最後の動画がこれなんて。230万人が幸せな二人を見ていい気分の数日後にこんな騒動、、そして動画は更新されず二人からの発言は未だどこからもない。
こちらから名乗り出て謝りに行くべきか?いやそれは余計に状態を混乱させてしまうだけかも。
明希が言っていた通り、きっとすぐ熱りが冷めて何も無かったようになるのを待った方がいい。
"あぁぁ!!"と頭に布団を被って、てるてる坊主の姿のまま窓の外を見た。スイーツレビューのアカウントはしばらく動かせないし、もしかして消さないといけなくなる可能性も。
唯一の楽しみがなくなって抜け殻になった。
そうだ!こんな時は行列を並んで買った人気のティラミスを食べて心を落ち着かそう。誰もいない一階に降りて冷蔵庫を開ける。奥の方にしまったティラミスは厳重な袋に入れて家族に食べられないように阻止していた。
ふと目線を感じて振り返った。間違いなく見られている感覚に身体がぞわっと震えた。誰もいないはずの家……まさか230万人の内の誰かが居場所を突き止めて殴り込みに!?
その時上の方から"ニャ~"と聞きなれたおねだりの声が聞こえてハッ!と冷蔵庫を閉めて上を見た。
『はぁ、、何だよもぉ~驚かさないでよ!これはあげないからね』
冷蔵庫の上から愛猫が食べ物を欲し欲しそうに眼力で訴えてくる。さっき母親がエサをあげて出て行ったはずだし今の僕にはこれが絶対必要。
静かな家の中で一人と一匹の地味な攻防戦が続いた。
『あーぁ、最高だなぁ♡』
どうしてスイーツはこんなにも全てを解放してくれるんだろう。勉強に行き詰まっても嫌な事あっても心が疲れても甘いクリームは僕に味方する。スプーンについた最後のクリームを口に入れてさっきの動画を思い出していた。
『……いいなぁ。あんな多くの人が観てくれて反応くれて興味持ってもらえるなんて、、』
あの動画を観て思った事は正直それが一番の感想。二人がどうとか内容がどうこうじゃない。
ポツリと出た僕の本音だった。
イケイケお洒落さんの見た目の割にはド定番で分かりやすいドッキリをする彼にクスッと笑ってしまった。
ガタガタと相手の帰宅を知らせる音が玄関からすると彼は部屋のドアの横に隠れてタイミングを見計らっている。
〈マコト誕生日おめでとう~!!〉
ドアを開けた瞬間勢いよく飛び出したクラッカーの紙吹雪と被った彼は驚いて停止した。部屋の飾りを見渡してサプライズを察して驚きの顔から笑顔に変わった。
そして彼が主役の恋人に可愛くチュ♡と頬にキスをしたと思えば、見つめ合って唇を合わせて深いキスに変わって1分くらいのキスショーを見せる。
バタンっ!咄嗟にパソコンを閉じた。まさかディープなキスまでするなんて、、230万人が観てる配信でこんな過激な事を。
『えっ、、まさか……この先は!?』
なぜ"怖いもの見たさ"と言う感情があるのだろう。きっとそれは本心はその事柄やその相手に関心を抱いてる証拠。素直になれない感情の一つなんだと思う。
ゆっくりパソコン開いて唇が重なったシーンで止まった画面を再生して先を進める。"じゃーん!"と出してきた手作りケーキには火のついたロウソクが5本ゆらゆらと揺れて今日の主役の目の前に差し出す。ローソクの火に息を吹きかけて煙に変わると見つめあった二人。
〈ありがとう大河!……愛してる〉
〈ずっと一緒にいような〉
まるで恋愛ドラマのような展開と言葉にまた見入ってしまってた。そのままソファーに座ると完全に二人の世界に入りケーキを食べさせあったりプレゼントの服をその場で着て見せたり。
カメラなんて回って無いかのように恋人同士のイチャイチャタイムでそのまま動画は終了した。
『はぁ、よかった…これ以上は無かった』
一体何を期待していたのだろう。誰でも目に触れる動画でそれ以上とかあるわけない。
ただこの類いの世界に踏み込んだ事ないし、理解出来ないのが正直なところ。
19歳のノンケの僕にはあまりに刺激が強い世界。
『……これからどうしたらいいのかな』
しかしまさか最後の動画がこれなんて。230万人が幸せな二人を見ていい気分の数日後にこんな騒動、、そして動画は更新されず二人からの発言は未だどこからもない。
こちらから名乗り出て謝りに行くべきか?いやそれは余計に状態を混乱させてしまうだけかも。
明希が言っていた通り、きっとすぐ熱りが冷めて何も無かったようになるのを待った方がいい。
"あぁぁ!!"と頭に布団を被って、てるてる坊主の姿のまま窓の外を見た。スイーツレビューのアカウントはしばらく動かせないし、もしかして消さないといけなくなる可能性も。
唯一の楽しみがなくなって抜け殻になった。
そうだ!こんな時は行列を並んで買った人気のティラミスを食べて心を落ち着かそう。誰もいない一階に降りて冷蔵庫を開ける。奥の方にしまったティラミスは厳重な袋に入れて家族に食べられないように阻止していた。
ふと目線を感じて振り返った。間違いなく見られている感覚に身体がぞわっと震えた。誰もいないはずの家……まさか230万人の内の誰かが居場所を突き止めて殴り込みに!?
その時上の方から"ニャ~"と聞きなれたおねだりの声が聞こえてハッ!と冷蔵庫を閉めて上を見た。
『はぁ、、何だよもぉ~驚かさないでよ!これはあげないからね』
冷蔵庫の上から愛猫が食べ物を欲し欲しそうに眼力で訴えてくる。さっき母親がエサをあげて出て行ったはずだし今の僕にはこれが絶対必要。
静かな家の中で一人と一匹の地味な攻防戦が続いた。
『あーぁ、最高だなぁ♡』
どうしてスイーツはこんなにも全てを解放してくれるんだろう。勉強に行き詰まっても嫌な事あっても心が疲れても甘いクリームは僕に味方する。スプーンについた最後のクリームを口に入れてさっきの動画を思い出していた。
『……いいなぁ。あんな多くの人が観てくれて反応くれて興味持ってもらえるなんて、、』
あの動画を観て思った事は正直それが一番の感想。二人がどうとか内容がどうこうじゃない。
ポツリと出た僕の本音だった。
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