ビターシロップ

ゆりすみれ

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“あまくない”

9-1 誰にも与えないで

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「ん……っ」

 須磨子の好意に甘えて、結局本当に空いている個室を借りた。事務所でしれっと恋人を抱きかかえようとした和唯に琉架が全力で恥ずかしがって怒ったので、渋々足の拘束だけを解き、移動は琉架自身の足にしてもらった。

 側面を壁付けしているベッドに琉架を上げ、壁に背をつけて座らせる。和唯は自分と壁とで琉架をはさんで閉じ込めると、いつものように舌を引っ掛け合うキスを始めた。いつもと違うのは、琉架の手の自由を奪っていることと、ここが琉架のマンションではないという二点だけだ。

 もっと奪うように強引にされるのかと思ったら、思いの外やさしくて琉架は少し拍子抜けしてしまった。強引にされるのを無意識に期待したのなら、拘束のロープは琉架にも効果覿面てきめんだ。

「おまえ、こういう趣味あったの……?」

 少し高いところにある和唯の綺麗な瞳を軽く見上げて、琉架が不思議そうに訊いた。恋人になったのでついに性癖をさらけ出してきたのかと驚く。

「ないです、初めて。多分今、目覚めました。琉架さんが引き出したんですよ、俺もびっくりした……」

「オレのせいにすんな」

 でも、と和唯が付け足す。いとおしそうに琉架の前髪を撫で、しっかりと目を見て説明した。

「琉架さんの嫌がることはしたくないので、こういうの嫌だったらちゃんと言ってくださいね。……縛られると、思い出したりしないですか?」

「?」

「……変質者に襲われたときのこと」

 あぁ、と琉架は言われて初めて思い出した。琉架の人生を、最初に大きくねじ曲げた既婚者変態フォークのことだ。

「すっかり忘れてた……っていうか、おまえよく覚えてたな。そんなことまで話してたか、オレ」

 廃ビルに連れ込まれ、ネクタイで両手首を拘束された状態で乱暴されたのを教えたのは、結局未だに和唯だけだ。確かに今までの琉架は事あるごとにあのケーキとしてのはじまりの悪夢を思い出したりもしていたが、和唯に全部打ち明けて、和唯に恋をしてからは、いつの間にかほとんど思い出さなくなっていた。

「琉架さんのことは全部覚えてるし、忘れないですよ。……縛られるの怖かったらすぐやめます。……やっぱりやめましょうか」

「いや、マジで忘れてた……あれとは別に結びつかねぇから、いい」

「ホントに?」

 心配そうに顔を見られて、琉架が返事に困る。好きな人とするプレイとしてなら琉架も別に嫌ではないし、すっかり忘れていたくらいもう遠い日の記憶だ。和唯の存在がきっとそうさせた。今が幸せで、過去が本当にただの過去になっていく。

「……和唯にされんのはいいんだよ」

「なんで俺はいいの?」

 わざと訊く和唯に、琉架は縛られた両手で和唯の胸をぐいっと押した。

「自分で考えろ……ばか」

 胸に押しつけられた手首の束を取り、和唯が自分の方に琉架を引き寄せる。引き寄せて、そのまま抱きしめた。

「琉架さんと一緒にいると、初めての感情ばかり増えて困ります。こんな風に、やらしい琉架さん発見して性癖増えるし」

「……ふーん」

 まんざらでもなさそうに、琉架は照れて曖昧に相づちした。

「年上の人を好きになったのも、年上の人と付き合うのも初めてですし」

「……へー」

「家族以外の人と一緒に暮らすのも、誰かひとりのために毎日ごはんを作るのも」

「……うん」

「こんなにも、人を独り占めしたいと思ったことも……ない」

 口に出したら独占欲が暴れて、和唯はまた琉架の唾液をもらいにいった。穏やかにじゃれ合う舌先がただ気持ちよくて、すでに溶けそうになる。

「……ん、っ」

「……キスだけでこんなに気持ちよくなるのも、琉架さんが初めてだよ」

 唾液があまいせいではなく、琉架そのものに酔っていると和唯は思う。声も、キスの合間にこぼす息も、柔らかい茶髪も、上目遣いが得意な瞳も、全部自分のものだ。そう自覚するだけで酔いが全身に回る。

「おまえの初めて、オレばっかじゃん」

「そうですよ……どうしてくれるんですか」

「……どうしたい?」

 戯れに戯れで返して、琉架が艶っぽく尋ねる。キスをたくさん注がれて、琉架も充分和唯に酔っていた。

「悔しいから、……俺のことしか考えられなくしてやりたい」

「……じゃあ、……オレを、和唯でいっぱいにして」

 そんなのとっくにそうなっていたが、恋人のくちづけを終わらせたくない琉架が、まだまだ足りない振りをする。

「琉架さん、おねだりするのうまくなったね」

 和唯は楽しそうに笑って、また琉架の舌先を迎えにいった。





 ダークグレーのベッドカバーに、同系色のソファ。室内の家具はウォールナットでセンスよくまとめられている。テレビや電子レンジ、ハンガーラックも置いてあり、男の一人暮らしの部屋という感じの、ホテルとはまた違った雰囲気の個室だ。二人でベッドに寝転がり横向きで向き合うと、和唯は琉架から視線をずらして物珍しそうに部屋を見渡した。

「もっと簡素というか……やるだけ、みたいなところだと勝手に思ってました」

 予想と違った部屋の雰囲気に、和唯が感心する。思っていたよりも平凡なあたたかみがあって、誰かの部屋に遊びに来たような安心感さえある。

「須磨子さんがこだわって作ってんだ。あの人あぁ見えて、商売に関してはマジで厳しいんだよ。こういう部屋作りもそうだけど、人材育成とか、サービスのクオリティとかもさ」

「店長さん、仕事に妥協しなさそうな人ですもんね」

 和唯が率直な印象を述べた。琉架の人気は琉架自身のあまさだけではなく、須磨子の影の努力の上に成り立っていたのだろう。

「俺は今、貴重な社会見学の気持ちです」

「どういうこと?」

「だってこの先、こういう店を利用することなんて絶対にないので」

 琉架以外の味を知りたいと一切思わない和唯が、自信たっぷりに言ってみせる。

「自信満々じゃねぇか。 ……オレは、おまえとここにいるの、すげぇ変な感じするよ」

 和唯がきょろきょろしているので、琉架も改めて部屋をぐるりと見回した。親の顔より見た光景は、少し琉架を感傷的にさせる。もう何年もここで必死に足掻あがいてきた。胸がぎゅっとなるのは、頑張った自分への称賛によるものだ。

「寂しいですか?」

 和唯が口にする。須磨子の他にも、きっと大切な仲間がいる場所だ。

「本当に俺がここからさらっちゃっていいの?」

 この街にだって愛着はあるだろう。知らない街に連れていく後ろめたさもあって、和唯がもう一度琉架に確認した。

「怖じ気づいたのかよ」

「まさか。ここから連れ出すのは俺の目標でもありましたから。でも、急かすつもりもなくて。なんだか駆け足で来てしまったので、心、ちゃんとついてきてるかなって」

 琉架の髪に指を入れて、くように何度も滑らす。和唯の節くれ立つ大きな手に撫でられたら、琉架は何も怖くないような気がした。

「おまえのこと悲しませたくないとか言って……カッコつけたけど」

 シンプルな答えには続きがあることを、琉架が伝える。

「おまえが悲しむ以前に……オレが和唯以外にさわられるの、もう耐えらんなくなった」

 こんな気持ちで続けることは、【Vanillaヴァニラ】に関わるすべての人に失礼だと思った。終えようと、琉架は思った。

「この仕事はもうできない。しない」

 ずっと、望んでいた言葉だった。琉架の帰りを、和唯は毎晩狂いそうな醜い気持ちで待ち続けた。すれ違う琉架から家のものとは違う石鹸の匂いがふわっと香るたび、胸を掻きむしりたいほど苦しくなった。早く帰ってきてという気休めの、なんの効力もない呪文で琉架を縛り、一秒でも早く好きな人が家に帰ってくるのを祈るように待った。

「もう、早く帰ってきてって、言わなくていいんですね」

 やっと、本当に自分だけのものになったのだと、和唯は琉架の頭部を抱いて自分の胸にうずめた。過去は受け入れる。でもこの先の琉架はすべて、独占させてもらう。

「今度は夜遅くならねぇ仕事するよ、昼間の仕事する。で、晩飯はおまえが作ったやつ、毎日一緒に食う。あー、朝も作って。ちゃんと朝早くに起きるから。あと弁当も。弁当持っていきたいな。んで、一緒に働いてるやつにすげぇだろって見せびらかす」

「これからも楽しい毎日になりそうですね、ごはんの作り甲斐があります」

「楽しいに決まってんだろ」

 琉架が和唯の胸でくすくす笑えば、髪が揺れてくすぐったい。

「……ここでの最後に、今から思い出作りましょう。せっかくの最初で最後の社会見学ですし、印象に残りそうなのがいいですね」

 唐突に和唯が提案した。

「たとえば?」

「琉架さん、ここでやったことないことってありませんか?」

 男を悦ばせるプロの琉架に無粋な質問かと思ったが、もしかしたらの希望を込めて訊いてみる。

「琉架さんの初めて、もっと欲しいな」

 何気にこの間琉架の首筋に痕をつけたのをとても誇らしく思っている和唯が、他にもないかと欲しがった。

「んー、…………あ」

 少し唸りながら考えて、琉架が何かを思いついた。

「あるわ、一回もしたことねぇやつ」

「あるんだ」

「せーし」

「え?」

「オレ、飲んだことねぇの」

「え?」

「いつも飲まれてばっかだったから」

 時間いっぱい琉架のあまさを堪能したい客たちは、自分のからだを琉架に舐めさせる余裕も願望もなかった。

「付き合ってたやつもだいたいフォークだったし、仕事じゃなくても飲んだことない」

「えぇと」

「和唯の、くれよ」

「え」

 味を知らない琉架が、和唯の蜜を要求した。





「……、っ」

 ベッドに腰かけた和唯の脚の間に入りしゃがんだ琉架は、いつも自分をいただきに連れていってくれる熱い芯を口に含んでしごいていた。大人しかった状態から琉架の口の中だけで成長させた和唯の茎は、どんどん大きく太くなり琉架の口内を容赦なく圧迫していく。

「手、使えないの、……やらし……」

 拘束されたままの両手を頭上に上げ、食らいつくように性器を咥えている琉架を眺めていると、和唯は正直その視覚情報だけで飛びそうになった。とにかく淫らで、いけないことをさせている気分になる。経験値が少ないからフェラはあまり得意じゃないと琉架は謙遜して自信がなさそうにしていたが、謙遜は仕事をしていなかった。

「……、やば……っ、……」

 手が使えない分、吸い込む力は自然と強くなる。口から抜けないように喉の奥までたっぷりと琉架が咥えてやると、和唯がからだを揺らして余裕のない声をもらした。

 あまい唾液でじゅぽじゅぽとわざと卑猥な音を立て、琉架が頭を前後に動かす。ちらっと目だけで上を見上げると、目を細めて快楽を受け止めている和唯の善い顔が見えて、琉架も興奮する。自分の口だけで和唯が感じてくれているのがうれしくて、いくらでもしてやりたくなる。

「……さわりたい……」

 和唯の手が琉架に伸びた。本当に触れたい繊細なところには今は手が届かないので、片方の手で髪を撫で、もう片方で耳を撫でる。耳を愛撫されても身をよじることができず、琉架もぞくぞくしながら和唯を追い詰める。

「るかさん、じょうず……っ」

 褒められて、琉架の口と舌がいよいよ和唯の欲の放出を待ち構える。和唯の手が、琉架が頭上に上げていた両手を掴んだ。熱のやり場がなく、束ねられた琉架の手をさらに高く引っ張り上げ、力強く握る。

「……っ、出したいっ……いい……?」

 琉架がうなずく。その合図に甘え、和唯が琉架の口の中に濁った蜜を勢いよく放った。

「──っ」

 もらった蜜を飲み込んだ琉架は、しばらく動かずに、石になった。

「……っ、……琉架さん?」

「……まずっ」

 喉を通ったなんとも言えない酸味と苦味の蜜に、琉架は放心状態で思わずそう言い放った。はじめて知る味に、ただ戸惑う。先走りのほのかな酸っぱさとは重みが違い、濃い苦さが口の中に絡みついた。

「それはそうですよ、俺ケーキじゃないですし……」

 琉架の反応に、和唯が心底おかしそうにくすくすしている。

「オレは、これがあまいの……?」

 有り得ないと、琉架は詐欺にでも遭ったような複雑な表情で和唯を見つめた。フォークにとってはあまく感じられるとはいえ、現物はこれだ。客はこれを大金を払って飲みにきていたのかと思うと、琉架ももうなんだかすっかりおかしくなって、くすくすと和唯と一緒に笑い出した。周りから特別にちやほやされていたせいで自分はとんでもないものを持っているような気がしていたが、普通の人間からしたらケーキの精液だってただの苦い液体だ。何もすごくない。何も特別なんかじゃない。

「はははっ、……あー、おかし……。オレは、これがあまいのかぁ……」

 笑いながら、琉架がしみじみと言う。正直不味かったが、初めて口にする蜜が和唯のものでうれしかった。

「そうですよ。あなたのは、言葉にできないくらいあまくておいしい。俺にとってはね」

 握ったままだった手を引き、脚の間でしゃがんでいた琉架を和唯がベッドに引き上げた。隣に座らせ、肩を抱いて恋人を自分にもたれかからせる。

「でも、もう全部俺のだから」

 一滴残らず、すべて。

「このあまいのを、俺以外の誰にも与えないで」

 独占欲をむき出しにする和唯に、琉架が微笑む。言われなくても、この先ずっとそのつもりだ。

「わかってる……和唯だけ、な?」





 その後はからだを軽く触り合っただけで、セックスは家までとっておくことにした。ようやく和唯に拘束のロープを外してもらいながら、

「帰ったら、ネットで買うか……」

 と、琉架が手首を眺めてぼんやりと口にする。

「ロープですか?」

 思った以上に自分も楽しんでしまった琉架が、和唯に引かれていないかちらっと様子をうかがった。

「俺が興奮するって言ったから? また縛らせてくれるの?」

「た、たまに、手くらいなら……してやらなくもない……」

「俺をすぐに甘やかしますね、琉架さんは」

「……おまえがそういうオレで興奮すんなら、いいよ、いくらでも……」

 すぐ和唯に何かを与えたがる琉架が、あまさ以外の新たな餌を見つけて和唯の目の前にぶら下げる。己のからだで和唯を釣るのは、もはや琉架の癖になりつつある。

「その代わり……、そういうときは」

 琉架が和唯をじっと見る。あの眼だ、と和唯はすぐに気づいた。狡猾こうかつで艶のある、人を堕落させるような眼で、色っぽく誘われる。

「……ちょっと、強引にして」

「!? ……琉架さんそういう趣味あったんですか?」

「ない。今、目覚めた。……責任とれ」

 ちょっと強引にしてほしかったのかと、和唯がくすくすとまた肩を揺らした。こういう場面でどんどん素直になっていく琉架が、いとしくてたまらない。それならばどんな要求にも応えてやろうと和唯が意気込む。

「はい、そうしますね。琉架さんと、初めてのことしたり、新しいことするの、楽しくてしょうがないです」

 先に立った琉架に手を引かれ、和唯もベッドから立ち上がった。社会見学も充分に堪能したし、今は早く二人のあの家に帰りたい。

「オレも、和唯と一緒だとなんでも楽しい。……ね、早く帰って、続き、しよ……?」

 続きを想像したら、和唯のからだが強く火照った。琉架の瞳も、もう早く抱かれたがって熱く潤んでいる。

 ここからマンションまで歩いて15分。15分もつかなと頼りない理性の心配をしながら、和唯は琉架の肩を抱いて個室を出た。
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