ビターシロップ

ゆりすみれ

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“神様の気まぐれ”

5-5 やっぱキスしよっ!?

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 まだ帰宅するにはずいぶんと早い時間だったので、カフェを出た琉架と和唯はそのまま駅周辺の大通りをぶらぶらと並んで歩いていた。日曜の午後はどこも適度に賑わっていて、幸せそうなカップルや家族連れが慌ただしくも楽しそうに街を彩っている。そのありふれた幸いの光景を、琉架は羨望の目でぼんやりと見る。

 歩きながらふと今日身につけてきたごついネックレスや指輪が目に入り、何やってんだオレ必死かよ……と琉架が軽くため息をついた。藤岡という男が想像の何十倍も和唯のことを大事にしているとてもいい子で、私情をはさんで一方的に敵意をむき出しにしていた自分が恥ずかしくてたまらない。威圧的な態度で身内ぶって、わかったような口で言い捨てて、本当に和唯のことになると下手くそだなと琉架がまた落ち込む。……この男は、別に自分のものではないのに。

「……琉架さん」

 カフェを出てから必要なことしかしゃべっていない二人の間に、和唯の声が落ちた。

「ん?」

 特に和唯の方を見ることもせず、琉架が返事をする。

「なんで俺のことわかったんですか?」

 藤岡に戻ってこいと言われて単純にうれしかったが、悪気なくコック以外の仕事を勧めてきたことに引っ掛かってしまい、そこからうまく言葉が紡げなかった。やはりフォークは厨房では戦力にならないと決めつけられているようで悔しかったのに、強く反論できない自分に落胆した。琉架に助け船を出してもらえなければ、あのままなんと返していたかわからない。もしかしたら言葉巧みな藤岡のペースに流されて、うまく切り抜けられなかったかもしれないと和唯は思う。

「和唯のこと……? ……あぁ、それは……」

 最初何について訊かれているのか琉架はわからなかったが、すぐに思い当たって隣の和唯を見る。

「だっておまえ、オレの飯作ってるとき、すげぇ楽しそうだから」

「!」

 そんな簡単なこと、と琉架がにこっと笑う。

「……楽しそうに見えますか?」

「楽しそうだよ。作るのホントに好きなんだなって伝わってくる。……おまえは作る側でいたいんだよな? オレんちだったらいくらでも好きなもの作れるし、失敗しても怒られねぇし、……優良な職場だろ。ま、食う人オレしかいねぇけど」

 ちゃんと見ていてくれたのかと、和唯は胸を熱くした。みっともない足掻あがきを、無駄かもしれない努力を、否定せずに見守ってくれる。どうして琉架はいつも欲しい言葉を的確にくれるのか、心を全部読まれているのではないかと疑いたくなる。琉架の魔法に、何度も何度も救われる。

「おまえはそうやって好きなように、オレに飯作ってたらいいよ」

 琉架はなんてことないように、軽やかにそう言って和唯に笑いかけた。無邪気なそれに、和唯の心が小さく跳ねる。

 またこの人は……と和唯が参っているところで、横断歩道に着き、赤信号で歩みを止めた。青になるのを待つ間、信号から目を離さないまま琉架が遠慮がちに口を開く。騒がしい雑踏のノイズが、ふと途切れた気がした。

「なぁ……」

「?」

「……やっぱ好きだと思った? あいつのこと」

 琉架は信号をじっと見つめている。その美しい横顔をそっと盗み見て、和唯は込み上げる想いに胸が詰まった。

 ──俺が好きなのは、やっぱりあなただけだよ。

「……味覚と一緒に、そういう気持ちはすっかり置いてきてたみたいです」

 淡い気持ちも、夢も、仕事も、味も全部なくしたけど、大切で代え難い宝物がひとつできたから、もういい。

「ふーん、……そっか」

 琉架はまだ信号を見たまま、抑揚なく答えた。感情をのせると安堵したのが伝わってしまいそうで、琉架は静かになる。やがて信号が青に変わり、皆が一斉に動き出した。琉架と和唯もその波の中でまた歩き始める。

「……時間まだ早ぇし、映画でも行くか」

 しばらく無言で歩き続け少し人の通りが落ち着いた頃、琉架がふと思いついたように言った。

「琉架さん映画なんて観るんですか。あんまりイメージない……」

「あ? バカにすんなよ、オレだって人並みに映画くらい観るっつうの。……ま、人並みの、有名どころばっかだけど」

 和唯に驚かれて、琉架が軽く噛みつく。

「……っていうか、おまえも一緒に行くんだよ」

 少しそわそわしているような琉架に、和唯が問いかけた。

「それってデートですか?」

「は!? デートじゃねぇし! え、っと、なんて言うんだっけ……福利厚生、的な?」 

 ほら、なんかそういうの企業にあるだろ? レジャー施設の割引とかさ、特典みたいなやつ! と琉架が慌てて説明する。

「……あっち断ってオレの家選んでくれたんだから、それ相応のものをこっちも出してやんねぇと」

「手厚いですね、琉架さんは。……でも、」

 和唯は突然琉架の手を自然に取ると、人の流れから外れ、ひと気のない細い路地に繋がるような場所まで琉架を引っ張って連れていった。まぶしくて賑やかな場所から、急に薄暗く静かな世界に降り立つ。

「なに?」

 連れてこられて怪訝けげんそうな琉架の耳元に、和唯はあまり目立たないようにそっと口唇を寄せる。もちろん左側を死守することは忘れていない。

「福利厚生ならもう……すごくやらしいのを、夜のベッドの上で二度ほどいただいてますけど?」

「な!?」

 ささやくように左耳に教えてやると、琉架が驚いてびくっとした。

「ちょ、やめろよ、こんなとこでっ……近ぇって」

「わざとですよ。……俺とのやらしいの、思い出しちゃいました?」

 楽しそうに琉架をのぞき込む和唯の脇腹を、調子乗んなと琉架が小突く。それでも和唯が手を引いて人の波から連れ出してくれたのがなんだかくすぐったくて、こんなことを言うために人をけたのがおかしくて、琉架は笑った。まだ和唯に掴まれたままの手を、琉架はじっと眺めながら、そっと握り返す。

「まぁでもホントに……うちの優秀なコック、また引き抜かれそうになんのもヤダしな……いい報酬出してとどまってもらわねぇと。……映画行くだろ?」

 ずいぶんまどろっこしい誘い方だなと我ながら苦笑して、琉架は繋いだ手に視線を落とした。

「素直にデートって認めたらいいのに」

「……っ、じゃあもうそれでいい。……映画行って、服でも見に行って、帰りにどっか飯でも……」

 そこまで言いかけて、あ、やっぱり……と琉架が言い直す。

「夜はやっぱ、おまえの飯食いたい」

 せっかくの休みだから、いつの間にか大好きになってしまったあの家で、和唯と向かい合ってゆっくりと食事がしたい。和唯が食べるのをサボれば叱って、たわいないことを話して笑って、夜には少しだけケーキのあまいのを舐めさせて。帰ればいつもおかえりをくれる、あの家で。二人で。

「はい、琉架さんの好物作りますね。何がいいか考えといてくださいよ」

「ん、考える。……さ、行くか。映画今何やってっかなー」

 なんとなく雰囲気で握り返してしまった手を琉架がもう離そうとすると、今度は和唯の方が強く握り返してきた。離さないで、と和唯のてのひらが訴える。

「……っ、ちょ、さすがにこのまま行くのは……人が見るだろ……」

 手を繋いだまま歩き出そうとする和唯に琉架が焦ると、

「じゃあこっちの、人があんまりいない道を通りましょう。人多くなったら離します。……大通りに出るまでは、このままで」

 と、そのままひと気のない細い路地に琉架を連れて入った。

 喧騒から遠ざかった日の当たらない道を、和唯に手を引かれるようにして歩く。自分より少し大きい和唯の背中を見つめながら、おまえが好き、と伝えたらこの男はどんな反応をするだろうと琉架は考えた。

 驚く……よな。迷惑かな、やっぱ。セフレみたいな気楽な関係なら受け入れられても、からだを売るのを生業なりわいにしてるけがらわしいケーキに本気で告白されても、どう答えたらいいかわかんねぇ……だろうな。

 ──怖ぇな。

 この幸いを失うのはあまりにも怖くて、琉架は想いを持て余す。伝えたら気まずくなって、和唯はいなくなるかもしれない。またひとりに戻ってしまうかもしれない。和唯をあまい餌で釣りながら、今のままの曖昧なずるい関係に少しでも長く浸っていたい。ずるい、けど。

 ──もう少しだけ、このままで。

「……和唯、……もうちょい、ゆっくり歩いて……」

 やっぱり大通りに出るのが惜しくなって、琉架は和唯の背にそうねだった。





 福利厚生という名目のデートを終えたその日の夜、風呂から上がった琉架はリビングのL字ソファでぼんやりとスマホをいじっていた。しばらくすると次に風呂を済ませた和唯がやって来て、琉架の隣にすとんとからだを沈ませる。和唯の髪はまだ少し濡れていて、同じシャンプーの匂いがした。

「……今日の分?」

 対価をもらいに来たのだと思い、琉架はスマホをローテーブルにそっと置いた。

「どこがいい? 好きなとこ、言えよ……」

 琉架は横の和唯をちらっと見て訊く。和唯が望むところは、きっと……。

「今日は……キスしません。耳たぶもかじりません」

「な!?」

 こいつまたわけわかんねぇこと言い出しやがって……と琉架が慌てた。また唾液はいらないとか、指の先だけ舐めるとか、謎の自分ルール作るつもりじゃねぇだろうなと、和唯の続きの言葉に警戒する。

「舐めてほしいんですか? ……でも今日はお預けです」

 和唯は少し笑って、困ったような顔で自分を見る琉架の瞳をじっと見つめた。

「その代わり、抱きしめてもいいですか?」

「え……はぁっ!? なんで……?」

 予想外の要求に、琉架が思わず大きな声を出す。

「そんなことしても、味わかんねぇだろ……」

 あまいのを与えるための時間なのに。

「いいんです。味なんて、わからなくても」

 和唯はそう言うと、琉架の返事を待たずにふわっと好きな人を抱き寄せた。琉架の背中側に入ると、後ろから大事に包み込むようにしてぎゅっと抱きしめる。

「な、なんだよこれ……」

 背後から回された腕をぎゅっと強くされるたびに、琉架のからだに緊張が走る。和唯が左肩にあごを乗せてすり寄ってくるような仕種をすると、洗い立ての髪からさらにシャンプーの匂いが濃く香った。

 しばらく和唯は口を開かず、ただ琉架にからだを寄せているだけだった。音のないリビングに、部屋着が時々擦れる音と、次第に早くなるどうしたって制御できない自分の心音だけが強く響いて、琉架は悶える。羞恥の限界が来て居たたまれなくなり、琉架は和唯の顔がある方を向いた。こんなの……こんなの……。

「か、和唯、……やっぱキスしよっ!?」

 沈黙を切り裂いた衝撃的な誘いに、和唯も、思わず言ってしまった琉架自身も驚く。

「だって、こんなの……!」

 どんな顔をしていたらいいのか、まるでわからない。

 舐められてない間って、どんな顔してたらいいんだよ。なんでオレ、好きなやつに普通に抱きしめられてんの──。

「ふふっ、……琉架さん本当にヘンな人ですね。なんであなたがそんなこと言うんですか。キスを求めるのはフォークの方でしょ」

「……なんか、恥ずかしいだろ……こんなただ、ハ、ハグされてんの……」

「もっと恥ずかしくて乱れるようなこと、したことあるのに?」

 和唯がおもしろがって問う。

「……そういうのは、頭ん中わけわかんなくなってるから、いいんだよ……」

 ただ何もなく抱きしめられている方が何倍も何十倍も恥ずかしいと、琉架が口を尖らせる。くちづけの方が自然に目を閉じていられる分、恥じらいが抑えられる気がしたのに。

「ごめんなさい琉架さん、今日はこうじゃなきゃ、俺……」

 今キスをしてしまったら琉架をめちゃくちゃにする自信が充分にあって、和唯はなんとか踏みとどまっていた。それくらい琉架への想いがあふれていた。キスをしたら、まちがいなく琉架をここで押し倒して、また抱きたいと甘えてしまう。そしてそのままうっかり好きだと言ってしまいそうで怖い。今はまだそのときじゃない。

「琉架さん、このまま聞いて」

 和唯は琉架の左肩に顔を預けたまま、耳の近くでゆっくりと話し始めた。琉架の胸の辺りに回した腕をまたぎゅっとして、恥ずかしがるケーキが逃げないように閉じ込める。

「デート、楽しかったです。琉架さんとちゃんと遊びに行くの初めてだったから不思議な感じでしたけど、映画も買い物も楽しかったし、うれしかった。……選んでもらった服、大事に着ますね」

「だ、大事に着なくていいから、ちゃんと普通に着ろよ……」

 見繕みつくろってやった服を大事にすると言われて、琉架がくすぐったさにほんのりと頬を染める。

「……また、デートしてくれますか?」

「まぁ、気が向いたらな。……つか、デートじゃねぇよ。福利厚生っつったろ」

 素直じゃない琉架もいとしくて、和唯がまた琉架に頬をすり寄せた。

「……今日はついてきてくれて、ありがとうございました」

「え? ……うん」

 私情を入れた不純な動機で無理やりついていっただけなのだがと、思いがけず感謝され琉架は少しだけ後ろめたくなる。

「琉架さんが隣にいてくれて、すごく心強かったです。……多分あなただけが、俺の……フォークの絶望を、理解してくれるから」

「……ん」

 それが自分の、ケーキの役目であると琉架も自負していた。あの懐の深い有能そうな友人よりも、その点でだけは和唯の苦悩に寄り添ってやれる。ケーキとフォークは、そうやって呪いのように結びつく。

「もう少しだけ……もう少しだけ専属コックでいてもいいですか? 必ず、俺にできること……俺にできる仕事、見つけますから……もう少しだけ、ここに置いてください」

「……ん。別に、焦んなくていいから。ゆっくりでいい」

「……はい」

 いつの間にか琉架もすっかり大人しくなって、和唯にもたれかかるようにして身をゆだねていた。結局ひとりまぶたを下ろし、背中に当たる肌のぬくもりを感じ取ろうと和唯の気配に集中する。

「琉架さん、ケーキのいい匂いする……癒されます」

「そ? オレには全然わかんねぇけど、おまえがそう思うならよかったわ」

「琉架さんのあまい匂い、好きだな……」

 ──ずるいけど、このまま、もう少し。

 琉架のからだから漂うケーキのやさしいあまさに包まれて、和唯はやっぱりこの幸せな世界がずっと続けばいいのにと願ってしまった。気持ちを伝えたら壊れてしまうかもしれない、もろくて不安定な世界。

 でもこのままではダメだと、和唯にはちゃんとわかっている。もうあんな思いはしたくない。琉架が血を流して帰ってくるようなことが、もうこの先絶対にあってはいけない。琉架が傷つけられないように、守りたい。

 ちゃんと仕事を見つけて、琉架に想いを伝えたら、琉架はこの気持ちをどう扱ってくれるだろうかと和唯は想像した。もしかしたら、受け入れてくれる、かも……? 手も繋いでくれるし、デートもしてくれるし、こうやって抱きしめさせてもくれるし、少しくらいは期待してもいいのだろうか。

 怖いな。怖いけど。また全部なくしてしまうかもしれないけど。この大好きな人を、血を流させるようなところにはいさせたくない。うまくいくか、自信も勝算もないけれど。それでも伝えなければ、あなたを救い上げることができない。早く、あなたの隣にいても恥じない男にならなければ。

 ──好きだよ、琉架さん。俺があなたを傷つけないように、大事にするよ。

 心の中だけで何度も伝えながら、静寂に包まれた夜のリビングで、和唯はしばらく琉架を抱きしめ続けた。
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