ビターシロップ

ゆりすみれ

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“あまい誘惑”

3-4 なんてもん出すんだよっ!?

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 なんとなく成り行きでセックスしてしまった翌日の夜。

 仕事を終えいつものように日付が変わる頃に帰宅した琉架を待っていたのは、昨晩たぎる欲のまま二人で行為にふけってしまったセミダブルのベッドの上で、何故か姿勢よく正座をしている和唯の姿だった。何か小さい物を手にしていて、それを正座でぼうっと眺めている。

「……た、ただいま……?」

 薄く点けた電球色のライトの光でどこか不気味に浮かび上がっている和唯の影が、怖い。その居住まいは形容しがたい怒りのようなものをまとっている感じがする。琉架の帰宅に気づいていないのか、気づいていて気づかない振りをしているのか、和唯は朱色の薄明かりの中でじっと手元に視線を落としていた。

 なんでこんな夜中に、オレのベッドの上で、正座……? と琉架はわけがわからず怪しんだが、ふと或る思いが無意識に浮かんでしまい、いやいやいや……と慌てて頭を大きく左右に振った。そんなわけないのに、何を期待しているのか。

 雰囲気からして、和唯は多分怒っている。いや、多分ではなく、怒っている。

「和唯くーん……? 帰ったよー。……えっと、どした……?」

 下を向いたままの和唯に、琉架が慎重に声を掛けた。

「……これって誰のですか?」

 和唯はいきなり問いをぶつけてきた。おかえりも告げず、和唯は手にしていた小さな箱を掲げて琉架に見せる。

「……ん?」

 琉架がベッドに近づいてよく見ると、それはコンドームの箱だった。

「俺、昨日、この部屋に置いてあった使いかけのこれをナチュラルに使ってしまったんですけど、これって琉架さんのものですか?」

 和唯の質問はとても威圧的だった。

「え? どういう意味……?」

「これは、あなたが女の人を抱くときに使ったものの使いかけなのか、あなたが男に抱かれるときに使われた誰かの使いかけなのか、どっちですか? っていう質問です。琉架さんバイなんでしょう?」

 使いかけのゴムが何故か尋問を受けている。どうして問い詰められているのかまるでわからず、琉架がたじろいだ。

「いや、ちょっと、あんま覚えてないんだけど、……え? っていうか、別にどっちでもよくない……?」

「どっち?」

 強く訊かれて、琉架が渋々答えた。

「……多分、いつかの男のやつです……」

 そう聞いた瞬間、和唯は手の中の小箱をゴミ箱へと勢いよく放り投げた。寝室の隅にあるダストボックスに、綺麗な放物線を描いてストンとゴールする。

「!? 捨てんの!? なんで!?」

 和唯の突飛な行動に琉架が声を上げた。やっぱりどういうわけかとても怒っている。

「2割くらいは琉架さんの使いかけの可能性に賭けてたんですけど……まぁそうですよね。琉架さんのじゃないならゴミ箱行きです」

「ちょ、何怒ってんの」

「怒ってません、見知らぬ人の使いかけを拝借してしまった愚か者の自分にめちゃくちゃ苛立ってるだけです」

「ほら、やっぱ怒ってんじゃん」

「愚かな自分にイライラしてるだけって言ってるでしょう? ……俺、ちょっとコンビニ行ってきます」

「は? 今から? ……じゃ、オレも行く」

「は? ついてこなくていいです、なんで来るんですか」

「だって和唯めちゃくちゃ怒ってるからさ……なんか買ってやるから機嫌直せって、な?」

「だから別に琉架さんには怒ってないですし、自分で買うのでいいです」

 ベッドから降りて慌ただしく玄関に向かった機嫌の悪い和唯を追いかけて、わけのわからない琉架もとりあえず玄関に向かう。コンビニに行くまでの道でこの男の機嫌を取らなければ。和唯は変なところで頑固だったりこだわりの強さを見せることがあると、しばらく和唯と寝食を共にしている琉架にはもうわかっていた。こういう拗ねている和唯は、ただ構ってほしいだけのはずだ。

 ゴムを見せられたら、昨晩の卑猥な行為が琉架の中で生々しくよみがえった。和唯は少し意地悪だったが、触れてくる手はどれもひどくやさしくて、最中で琉架は感情をどこに持っていけばいいのかわからなくなってしまった。感情なんて、セックスにいちばん必要ないものだと思っているのに。たわいない交わりにいちいち感情をのせていたら、身も心も、もたないのに。普段あまりやさしくされ慣れていない琉架は、全部和唯のせいにする。昨日の和唯の手がとてもやさしかったのが悪い、全部。

 和唯の背を追って玄関を出る。凍えるように寒いマンションの廊下を歩きながら、琉架は小さくため息をついた。さっきあんなことを思ってしまったなんて、一体何を期待しているのか。

 薄明かりの寝室で和唯が正座で待っているのを見たとき、今夜も誘われて、またあのベッドでセックスするのかと思ったなんて、口が裂けても言えない──。





「おぅ琉架ちゃん、いらっしゃい。久しぶりだねぇ」

 贔屓ひいきにしている家からいちばん近いいつものコンビニに二人で入ると、琉架の姿を見つけた年配の店主がほがらかに声を掛けてきた。店内に他の客の姿はないので、店主はカウンターの中で遠慮なく常連の来店を喜ぶ。

「おじさん! 久しぶり! 今日も遅くまでお疲れ様ー」

 馴染みの顔にほっとして、琉架も明るく声を掛ける。

「琉架ちゃん最近全然寄ってくれないから、何かあったんじゃないかってちょっと心配してたんだよ。元気そうでよかったよ」

「ごめんね、おじさん。今からめちゃくちゃ買うから! 売り上げ貢献するから!」

 そう言うと琉架はカゴを手に取り、飲み物コーナーに向かった。手当たり次第に缶ビールやら缶チューハイやら炭酸飲料やらをどんどんカゴに放り込んでいく。

 琉架とは別の棚で商品を見ている連れの存在に気づいた店主が、冷蔵庫の前であれこれ選んでいる琉架に大きな声で話しかけた。

「あれ? 琉架ちゃん彼氏できたのかい」

「──っ!?」

 驚いた琉架が、カゴを冷蔵庫の扉に思いっきりぶつけた。

「お、おじさん!? ちょっ、何言い出すの……!?」

「だって、ここに一緒に来る子はだいたいいつも彼氏だったよねぇ」

 琉架を可愛い孫のようにずっと見守ってきた店主は、この土地に来てからの琉架の恋愛遍歴をほぼ知っていた。今回はずいぶんと真面目で誠実そうな子だなと、店主は今まで連れてきていた華やかな男たちとつい比べては微笑ましく琉架と青年を交互に見る。

「ち、違うって! 和唯はそういうのじゃなくて! ちょっとワケあってしばらくうちに置いてるだけ! こ、こいつ……えっと、元料理人でさ! こいつが飯作ってくれるからしばらく弁当買いに来てなかったの!」

 カゴいっぱいに飲み物を入れた琉架は、否定と言い訳を連ねながらレジにやって来た。和唯を彼氏と思われたのも、過去の恋人の話題を出されるのも、琉架はどうしてか気まずくなってしまう。

「へー、琉架さん、ここにとっかえひっかえ彼氏連れてきてたんですね」

 買うものを選び終わった和唯もレジにやって来て、ふーんと冷めた口調で琉架に言う。

「はぁ!? とっかえひっかえなんてしてねぇって! ……つうかおまえだって、しつこいってよく言われるってさ、よくってなんだよ!? よく、って、どんだけの男にそれ言われてんだよ! おまえの方がとっかえひっかえしてんじゃねぇの!?」

 琉架の反論を聞き、和唯が目を見張った。昨日戯れに放った言葉を琉架が律儀に覚えていたことにただ驚く。

「昨日のそれ、覚えてたんですか?」

「な!? べ、別に、……確かにオレもおまえしつこいなって思ったから、ちょっと頭に残ってただけで……別に、そんだけ!」

「へー」

「へー、ってなんだよその反応! 腹立つ!」

 コンビニのレジ前で一体なんの話をしているのだと、琉架が羞恥で耳を赤くする。こんなの、昨日のセックスの振り返りをさせられているようなものだ。

「痴話喧嘩終わったかい? お会計してもいいかねぇ」

 仲睦まじそうにしか見えない二人をやはり微笑ましく眺めながら、店主はカゴの中の商品をレジに通していく。すべてを通し終わったあとで和唯が、

「あ、これも一緒に」

 と、棚から持ってきていたものをカウンターに置いた。小さな箱のそれは、使いかけではない、新品の。

「っ!? おまっ、この話の流れでなんてもん出すんだよっ!?」

 レジに出されたゴムを見て、琉架が大声で和唯を責める。この地での父、もしくは祖父のように思って慕っている店主の前であからさまなそれを出された琉架は、恥ずかしさにのぼせそうになった。身内に性事情はあまり知られたくないタイプの琉架である。

「さっきの使いかけ、勢い余って捨ててしまったので。琉架さん何か買ってくれるって言いましたよね、これ買ってください」

 和唯は悪びれず淡々とそう告げる。

「おまえっ……」

「何怒ってるんですか? っていうか、別に琉架さんに使うなんて一言も言ってないですけど?」

「……っ!?」

 墓穴を掘った琉架は羞恥の限界に達した。なんの疑いもなく自分に使われるものだと思い込んだ事実に、わなわなと肩を震わせる。全部、全部、昨日の和唯がやさしかったのが悪いのに。和唯のせいなのに。さっきから、なんでこんな、オレばっか──。

 琉架はもうどうしようもなく居たたまれなくなって、クレジットカードだけをカウンターに置きレジ前から移動する。

「そ、外で待ってるからあと払っとけよ!」

 そそくさと逃げるように自動ドアから出ていった琉架を見て、和唯が思わず苦笑した。

「ちょっと意地悪し過ぎましたかね……」

 最後に出されたコンドームをレジに通しながら、店主も笑って和唯に話しかける。

「君、本当に彼氏じゃないのかい?」

「彼氏じゃないですよ。……でもまぁ、琉架さんとは仲良くやってます」

「そうかい、若いっていいねぇ」

 信頼の置けそうなこの店主になら本音を告げてみてもいいかもしれないと和唯はふと思ったが、琉架の歴代の恋人を知っている店主には身の程知らずと思われそうだとやっぱり口をつぐんだ。

 それくらい、ベッドの上での琉架は美しく魅力的で、自分には持て余すような人だと和唯は感じた。弱いところをなぶれば瞳をとろんとさせて脱力するのに、半開きの口唇に舌を挿し入れればこちらの口内を浸すほどにあまい唾液を注ぎ込んでくる。身をよじっていじらしく啼いているかと思ったら、挑発的な妖しい腰つきで最奥をねだってくる。あらゆる欲をあおるのが最高にうまい琉架がいとしくて欲しくてたまらないのに、知れば知るほど手が届く気がまるでしない。この人が好きなのだと店主に教えたら鼻で笑われてしまうだろうかと、和唯はやはり言いよどむ。

「そうそう、最近この辺りでまたフォークが暴走したって聞いたよ。ニュースにはなってないみたいだけどねぇ」

 店主は大量の飲み物をひとつひとつ丁寧にレジ袋に入れながら、和唯と世間話を始めた。

「えーと、君は琉架ちゃんのお仕事のこと……」

「えぇ、知ってます」

 琉架がケーキであることを知っているか和唯に確認した店主は、そのまま安心して話を続ける。

「ケーキの子が路上で襲われたんだって。結構ひどくやられたみたいでねぇ。犯人とは面識なかったらしいから、無計画の通り魔事件だって言ってたよ。本当に恐ろしいよねぇ」

「……怖いですね」

 和唯は店主に共感しつつも、少し心が痛むのを感じた。見た目ではケーキやフォークはわからないので、店主もまさかフォークにこの話をしているとは思ってもいないだろう。乱暴を働いた通り魔フォークを責めながらも、自分も紙一重の存在なのだと和唯は心に刻みつける。ケーキに対する衝動を抑えきれなくて、いつなんどき自分が加害者側になるか知れない。

「あの子はあまい香りが特別強いらしくて、今までもいろいろ危ない目に遭ってるみたいだからねぇ、事件の話聞くといつも心配で心配で」

 店主の物言いは愛情にあふれていて、琉架のことを本当に可愛がっているのがうかがえる。

「だからね、君みたいな子が琉架ちゃんのそばにいてくれると、安心なんだけどねぇ」

「え……」

 店主は袋詰めを続けながら和唯に言った。

「琉架ちゃん自分では気づいてないかもしれないけど、あんまり男運なさそうなんだよ。いつも見た目ばっか派手な人たち連れてきてたけど、誰ともそんなに長く続いてなくてねぇ。ほら琉架ちゃんってお人好しを天然でやるような子だろう? 同世代の子よりお金も持ってるし、男たちにいいように使われてるだけなんじゃないかっていつもハラハラして見てたんだよ」

 店主は顔を上げ、和唯の顔をしっかりと見た。

「だからね、君みたいな、琉架ちゃんをちゃーんと誠実に大切にしてくれるような子と付き合ってほしいなって思うわけよ、お節介おじさんとしてはね」

 店主の期待に満ちたきらきらした目を見て、和唯がらしくなくオロオロする。すっかり見透かされていたのかと、和唯はここに来てからの言動すべてが急に恥ずかしくなってしまった。こんなの、好きな子にちょっと意地悪をする小学生男子と同レベルだ。

「……え、っと、……俺ってそんなにわかりやすいですか……?」

「君の琉架ちゃんを見る目を見てればすぐにわかるよぉ。こんな小さなコンビニにもね、いろんな人が来て、いろんな人間ドラマがあるんだよ。こっちは何年人生やってると思ってるの、観察眼の年季が違うんだよ」

 人生の大先輩にそう言われてしまったら、和唯ももう何も言えなくなってしまう。

「ほら、これ、琉架ちゃんに使うために買ったんだろう? 頑張って」

 ゴムだけ飲み物と一緒のレジ袋には入れず、店主は和唯に直接手渡ししてやる。素直に受け取り、和唯は小さなその箱をじっと見つめた。

「琉架ちゃんのこと頼むよ。あの子はもっと幸せになるべきなんだ」

「……俺は琉架さんを守る騎士ナイトになれますかね」

「なれるか、じゃないよねぇ。なりたいんだろう? 頑張りなさい」

 鼻で笑われるどころか思いがけず応援されてしまい、和唯は不思議な気持ちに包まれる。琉架を好きでいてもいいのだと認められたようでほっとしたのと同時に、店主に知られてしまったことでもうこの気持ちをなかったことにはできなくなってしまった。

 琉架の心を無視してからだだけを先に繋げてしまったことを少し不安に思っていたが、立ち止まってあれこれ悩んでいる暇はなさそうだと和唯が苦笑する。店主にも尻を叩かれているのだ。いつか琉架の心を置き去りにしないような状況で新しいゴムの箱を開封できる日が来るように、前へ進まなければ。

「和唯ー、まだー?」

 外で待っていたはずの琉架が、和唯のあまりの遅さにコンビニの中へ戻ってきた。外の冷気でのぼせた頭が冷えたのか、琉架はもう何事もなかったようにけろっとしている。

「琉架ちゃん、いつもたくさんありがとうね」

「おじさん! また来るね。今度はスタ牛弁当買いに来るわ!」

「ちょっと琉架さん、これ買い過ぎじゃないですか……荷物死ぬほど重いんですけど? 半分持ってくださいよ」

「えー、やだ……。あ、じゃあ信号のとこでじゃんけんして、負けた方が次の信号まで持つやつやろ?」

 そう言って懐っこくくしゃっと笑った琉架の顔を見て、あぁもうダメだ……と和唯がその場で崩れそうになる。好きだ。好き。好きしかない。好き。好き。

 あの子はもっと幸せになるべきなんだ、という店主の言葉が和唯の脳裏に強くよぎった。ケーキというだけでどこか生きづらそうにしている琉架を、仄暗ほのぐらいところから救い上げたいと願ってしまう。幸せにしてやりたい。他の誰でもない、自分のこの手で。

「いいですけど、俺じゃんけん強いですよ?」

「オレも強いっつうの」

 付き合ってもいないのに琉架を幸せにしてやりたいなどという大それたことを考えて、和唯は琉架とじゃんけんするために右手を出す。

 負けるといいなと、思いながら。
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