サクラ・エンゲージ

ゆりすみれ

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 そこはずっしりと暗く重たく、少しカビ臭いような部屋だった。ここだけ学校という日常の流れから取り残されたようにせていて、いつでもほこりっぽく、くたびれた色をしていた。ひとつだけある小さな窓から遠慮がちに差し込む光が空中に舞っている埃を照らし、重苦しいこの空間を控えめにきらきらさせている。

「桜助、ちょっと、何……」

 桜助が紘夢の手を引いて連れてきたのは、たくさんの教室が並ぶ廊下のいちばん端に位置する社会科資料室だった。部屋というよりほとんど教材の倉庫であるこのせまい場所に紘夢を強引に引き入れ、中から鍵をかける。鍵だけでは足りないと、扉の近くに立て掛けてあったほうきを引き戸のレールの上に置いてつっかい棒の役目を与えた。鍵をかける手も、箒をつかむ手も、焦りと動揺でどうしようもなく震えてしまうのを悟られないように、桜助はわざと大きな音を出して荒々しく行う。

 外からの干渉を完全に断ち恋人を閉じ込めるかごを作ると、桜助は紘夢を振り返った。

「なんだよ、こんなとこ連れてきて……。人に聞かれたくない話? ……なんで鍵かけんの?」

 困惑した表情を浮かべて部屋の中央に立ち尽くしている紘夢に、桜助がずかずかと近づく。桜助の震える両手が紘夢の肩を強くつかむと、そのまま後ろにあった作業台のようなところに紘夢の上体を押し倒した。バンッと紘夢の背中が打ちつけられる鈍い音が資料室に響く。

「痛っ……」

 紘夢の顔が痛みにゆがむ。

 作業台に乗り上げた衝撃で、台に乱雑に置かれていた教材や古いプリントがバサバサと音を立てて床に落ちた。桜助はそれらを踏み散らし、己の体重で紘夢を作業台に縫いつける。乱暴に覆い被さり、無理やりくちづけた。

「!?」

 こんなキスは欲しくないと嫌がる紘夢を無視して、桜助は止められない衝動のまま紘夢の口唇を激しくふさぐ。

「……やっ、め……」

 紘夢は自分にのしかかっている恋人のからだを退けようと、両手を自分と桜助の胸の間に入れて持ち上げようとするが、ひと回り大柄な桜助の上から押さえつける強大な力には到底敵わなかった。まるで知らない人に襲われているかのような力加減に、紘夢は初めて桜助を怖いと思った。

 桜助は紘夢の口唇を無理やり割り、中を掻き回すことに躍起になる。そうすることで、紘夢の心を手元に引き戻そうとしていた。

 ──百瀬でも、群がる女子たちでも、他の誰でもなく、俺だけを見て。

 桜助の暴れる舌がもうひとつの舌を執拗しつように追いかけ回す。

 ──こんな風に紘夢を気持ちよくさせてやれるのは、俺だけだろ?

「…ん、はっ…」

 紘夢は息継ぎの合間で、途切れ途切れに抵抗を口にする。

「……ちょ、待て……おぅ、すけ……ここ、ガッコ……」

 聞く耳を持とうとしない桜助が紘夢を押さえつける手を緩めるはずもなく、つばつばがめちゃくちゃに絡まる音だけが薄暗い資料室の中ではっきりと浮かび上がった。

「だっ、め、だって……やめろ、よ……」

「やだ」

 どんなに深くくちづけても、心はまったく近づかない。近づくどころか、どんどん遠ざかる気がする。そのことに気づいた桜助はもうどうしたらいいのかわからなくなって、加減ができなくなって、紘夢の柔らかい下唇を思いきり噛んでしまった。

「イッ、テ……」

 恋人の下唇から鉄の味がじわっとにじんできて、我に返った桜助がくちづけを解く。見ると、鮮血が紘夢の口唇の上を痛々しく走っていた。

「あ、ごめ……」

「桜助!」

 桜助の謝罪に重ねるように、紘夢の怒声が室内を駆け巡った。こんな本気の怒りを聞いたのは生徒としても恋人としても初めてで、桜助はその未知に思わずひるんでしまう。それは温厚なさわやか好青年教師で通っていることを思えば信じられないほどの凶暴さで、紘夢もこんな風に感情任せに怒るのだと桜助は単純に驚いた。

 激しい怒りをたたえているのに紘夢はひどく哀しげで、目は困惑に揺れていた。

 またあの目だと、桜助は思う。頼りなく、はかなげで、どこに向かえばいいのかわからない捨てられた犬のような心細さをまとっていた。こんな目はもう二度とさせてはいけないと誓ったばかりだったのに、また。また傷つけてしまったのだと、紘夢の肩を押さえつけたままの手が自分への怒りでさらに震える。

 どこに向かえばいいのかわからずに彷徨さまよっているのは桜助も同じで、二人の向かう先が、ついさっきまで確かに存在していたはずのまぶしい未来が、陽炎かげろうのように揺らめいていく。

 からだを押さえつけながら上から見下ろす桜助と、押さえつけられたまま下から見上げる紘夢と。

 四つの迷える瞳が、微かな光しか持たない重たいかごの中でやるせなくうるむ。

「なんなんだよおまえ! 昨日もいきなりうちに来たかと思ったら自己完結で勝手に帰るし、学校でもずっとイライラしてるし、最近おまえ変だよ。今だって、あんな風にみんなの前で桜助がおれを連れ出すなんておかしいだろ。……今まで慎重に、うまくやってきたよな? なんで今それ壊そうとすんの? 何があった? ……なんなんだよ……一体何が不満なんだよ!」

 口唇を血で汚したまま、紘夢が早口でまくし立てる。

 紘夢の勢いにつられ、桜助ももう感情を抑えきれない。

「俺だって!」

 紘夢の前で、紘夢に初めて見せる顔と、声と。余裕なく荒げた声に、むなしさだけが重く落ちた。

「……俺だってもう、わけわかんねぇよ!」

 バンッ、と紘夢を押しつけている作業台を桜助が叩いた。固く握りしめられた右の拳が紘夢の左耳の横に振り下ろされ、衝撃で紘夢の髪が微かに揺れる。

 殴られる、と思った紘夢は思わず目をつむったが、打ちつけられたのが作業台だとわかると、おそるおそるまぶたを持ち上げてゆっくりと桜助を仰ぎ見た。

「……なんで俺ばっか、こんなに好きなんだよ……」

 か細く告げられたのは、単純な愛。

 紘夢の肩に顔をうずめるようにして、勝手に震えてしまう左手で遠慮がちに紘夢の肩を抱きながら、桜助は切実にそう言った。

 先刻までの荒々しさが嘘のように消える。そこにいるのは、肥大していく己の気持ちの凶暴さにおびえている、ただのか弱き少年だった。愛する気持ちが強すぎて、てのひらの中に確かにあったはずの幸いさえも疑ってしまった、臆病な少年。

 作業台に振り下ろされたままの拳が小刻みに震え、紘夢の耳たぶをくすぐるように揺らした。そのあまりにも繊細な揺らぎが、今までに感じたことがないほどの痛みを伴って紘夢の胸をきつく締め付ける。

 肩に顔をうずめてきた桜助の表情は紘夢からは見えなかったが、今にも泣き出しそうに瞳をゆがめているのだろうと紘夢にはわかってしまった。震えや、息づかいや、ためらいがちに触れてくる指先から、桜助の不安や苦しみが止め処なく流れ込んでくる。こんな風になってしまうまで一体どれだけ恋人を追い詰めていたのだろうかと、紘夢は自分のしでかした過失の大きさに打ちのめされた。

 しばらくそうやって紘夢の肩に額を預けていた桜助が、観念したようにのっそりと上体を起こした。紘夢を押さえつけていた手も離し、振り下ろした拳も回収して恋人を解放したが、紘夢は作業台に背中をのせたまま天井を見ている。紘夢は起き上がることも忘れてしまうくらい呆然と、桜助の抱える痛みを知って絶望していた。

 紘夢から離れた桜助は、のろのろとつたない手つきでポケットから携帯を取り出すと、例の裏サイト『Bloody Swan』ブラッディースワンにアクセスした。紘夢と百瀬の記事を開いて、渋々渡して見せる。

 本当は紘夢にだけは見せたくなかった。紘夢にはいらぬ心配を掛けずに、自分の力だけでなんとかしてやりたかった。それが恋人の役目だと勝手に思い込んでいた。

 しかしもうひとりでは抱えきれそうにないし、紘夢に意味のない怒声を上げさせるのも嫌だし、何より目に見えて気持ちがすれ違っていくことに桜助は耐えられなかった。

「紘夢……こんな風に言われてる。こんなのただのデマだってわかってる! こいつらみんなおもしろがってるだけだって、頭では、理解してるつもりだった……けど」

 渡された携帯をおそるおそる受け取り、紘夢は画面上に視線を走らせた。上半身を仰向けたまま、携帯を天にかざすように持って記事を読み始める。

 まずは見出しに驚かされ、一瞬大きく目を見開いた。それから捏造ねつぞうされた百瀬との過去や、あのときの文化祭の写真や、今も関係が疑わしいとされる後ろめたい噂の数々がサイトにさらされていることを知る。いつの間にかやられていた隠し撮りにたどり着くとさすがに眉間にしわを寄せる険しい顔つきになったが、あとは冷静にしっかりと目を通していった。掲示板やSNSの誹謗中傷にも目を背けず、紘夢は最後の一行までのすべてを受け入れる。

「こんなの、暇潰しのお遊びだってわかってるはずなのに……」

 紘夢を信じてやれなかったこと、醜い嫉妬と疑念に心を渡してしまったことを、懺悔ざんげするかのごとく。

 それでも口からこぼれてしまう言葉は、正直な身勝手だ。

「俺、もう我慢できねぇよ……言いたい……紘夢は俺のものだって、世界中にぶちまけたい……」

「……っ」

 そう言えたのなら、あんなくだらない記事も笑い飛ばして抹消してやれるのに。紘夢の悪口なんて絶対に誰にも言わせないし、何があっても堂々とかばって守ってやれるのに。桜助は自分が現実には持ち得ないたくさんのすべを想像の中でふくらませては、できないものの数を数えて打ちひしがれる。

 誰も知らないということは、誰にも認められていないということ。

 誰にも関係を保証されず、ただ二人の世界だけで交わされた約束は、あまりにも無力で。

「周りのやつらが紘夢と百瀬のことそういう目で見てんじゃねぇかって想像するだけで、何もかもぶっ壊したくなった」

 サイトの噂を信じないで、周りのいい加減な情報に惑わされないでと、どれだけ祈ったことか。違う、百瀬じゃない、紘夢の恋人は俺なんだと、何度喉元まで出かかったことか。

 でもその真実を口にした途端、紘夢が心底大切にしているものを失わせてしまうからと、桜助はただじっと耐えるしかなかった。桜助は教師を天職だと言って笑う紘夢が、とても好きだった。

「苛立ちの矛先を百瀬に向けることで、無理やり自分を押さえ込もうとしてたんだと思う。最低だな、ただの八つ当たりじゃねぇか……何やってんだろうな、俺……」

 読み終わった携帯の画面を見るともなしに見つめながら、紘夢は桜助の断片的に紡がれる思いに静かに耳を傾けていた。桜助がぽつりぽつりと悔いるたびに、自分の過ちの数もそっと数えていく。

 誤解を招くような行動をとった自分に最大の非があったのだと紘夢は思う。本当に無神経で、軽率で、あんな風に部屋を訪れた桜助のSOSにも気づいてやれなかった。桜助はずっと何かを伝えようとしてくれていたのに。返してやる言葉ひとつで、桜助を不安から解いてやれたはずだったのに。言葉も態度も全然足りていなかったと、紘夢が今気づく。

「……あんまりずっと一緒にいるから、百瀬とのことも……正直疑ってた」

 もう隠していても仕方ないと、桜助は胸の内を素直にさらけ出した。

「疑ってごめん……イライラしてごめん……俺はいつも自信がねぇからさ……。紘夢の恋人は俺のはずなのに、このサイト見てたら本当は俺じゃねぇような気がして……紘夢が俺のものっていうことの方が嘘のような気がしてきて……」

 自分の真価を疑って、桜助が自嘲気味に口元を緩ませる。

「笑っちまうかもしんねぇけど、俺、未だに紘夢と付き合ってんの夢なんじゃねぇかなって思うときがあるんだよ。おまえは俺よりずっと大人だし、いろんな人に慕われてて、いっつもみんなに囲まれて笑ってるような人気の教師で。……なのに、なんで俺なんだろうって。いつも夢みたいにうれしくて、けど、実は全部夢でしたっていつか言われそうで、目が覚めたら全部なくしてるんじゃねぇかって、ずっと、ずっと、すげぇ不安だった」

 放っておいたらいつまでも自分を責め続けてしまう桜助に、紘夢は天井を見たままぼんやりと口をはさむ。下唇に舌を伸ばすと、まだ血の味がした。

「……全部ひとりで抱え込んでたのか? どうしてすぐおれに言わなかった?」

 他に言える人もいなくて、頼れる人もいなくて、桜助はどれだけ苦悩を押し殺していたのだろう。自分を疑っていたことはともかく、せめてこんな悪質な裏サイトがのさばっていることだけは相談してくれてもよかったのにと紘夢が悲しむ。

「……守るって、バカみてぇだけど決めてたから。俺がなんとかして、俺ひとりだけで解決して、おまえはなんも知らねぇままでいてほしかった。結局なんもできなかったけど。……サイトのこと教えて紘夢が傷つくの、見たくなかったんだよ」

 結局サイトを見せて傷つけてしまったと、桜助が肩を落とす。

「おれのこと、守ろうとしてくれてたの?」

「だって、あんまりだろ……。生徒のためだったらなんだってしてやりたいってがんばってるおまえが、こんな風に、ひでぇことばっか言われて……」

 桜助の声が、少しだけかすれる。

「おまえ、生徒のこと大好きなのに……」

「……!」

 生徒に生かされていると言って笑った紘夢を、桜助はちゃんと覚えていた。生徒のためにいい教師でい続けたいと願う紘夢のまぶたにキスを落とした夜を、桜助は忘れられない。

「これ書いたやつらみんな、絶対どっかで紘夢に助けてもらったり、やさしくしてもらったりしてるはずなのに……こんな悪口あっていいわけねぇだろ」

「……おまえが代わりに怒って、傷ついてくれてたの?」

 何も知らずのうのうと生きる自分の隣で、桜助が自分の代わりに傷ついて痛がっていたのかと思うと、それだけで紘夢は胸が張り裂けそうになった。

「怒るし傷つくに決まってんだろ。好きな人が悪く言われんの、普通にやだよ」

「桜助が傷つくことないのに……」

「百瀬とのこと噂されてんのも、悪口書かれてんのも、全部全部、やだよ……」

 やだやだと子供のように嫌がる桜助のやさしさに呆れて、紘夢は深いため息をひとつついた。

「おれは、おまえがひとりで抱えてひとりで傷ついてたことの方が、よっぽど傷つくよ」

 桜助にだけ背負わせてしまったと、紘夢がため息の中で嘆く。裏サイトの存在自体にも驚いたし、記事の巧妙さや悪質さ、誹謗中傷の量にも反吐へどが出た。

 自惚うぬぼれたくはないが、多少は生徒たちから信頼を得ていると思っていた中での、この言われようだ。知らないところで気持ち悪いと言われ、童顔のくせに淫乱と言われ、昔生徒に手を出していた悪徳教師のレッテルを貼られている。紘夢自身も大きく傷つき、もう何を信じればいいのかわからなくなりそうだった。

 それでもいちばん傷ついたのは、自分のうかつさで桜助をここまで追い詰めてしまったことだった。同級生たちの前であんな風に取り乱させて、ここに連れてこられても桜助の心がわからなくて怒鳴ってしまった。どうかしているのは自分の方だ。

「……こんなとこ連れてきて悪かった。あの女子たちにも……あとでなんか変なこと言われっかな……ごめん、余計なことした。……帰ろっか」

 結局情けない無力な姿をさらしただけだったと、桜助が大きな背を少し丸めて資料室を出ようとする。その弱った背を、紘夢の声が呼び止めた。

「待って」

「……?」

 心をすれ違わせたまま離れるのが今はとても怖くて、紘夢が桜助を呼ぶ。紘夢はこのやさしくて少しだけ臆病な少年を手放したくないと強く思った。手放せるはずがなかった。

 まだ作業台に背中を預けたままだった紘夢が、天井に話しかけるように恋人を呼ぶ。

「……桜助、来いよ」

 今手を取らないと、このまま桜助が自分を抱きしめるのを怖れて、いつか忘れてしまう気がした。今すぐに桜助の震える指先を呼び寄せて、紘夢は許されたかった。

 今なら。手を伸ばせば触れられる距離にいる、今ならまだ。
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