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1章 それぞれの出会い
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2009年4月8日
悠はいつも通りの時間に起き、いつもと同じ道を通り、いつもと同じ時間に学校に着く。
こんな毎日が続いている。何も変わらない平和な日々。変わったこと―強いていうならば、
今朝は食パンではなく白いご飯だった事。そんな事。
山岡高校――名門高校と呼ばれる高校の1年C組。廊下側の列の最後方が悠の席だ。
「おはよう。」
「おう、おはよう。」
隣の席の佐原碧――誰もが認める美少女で隣の席になった以来仲良くさせてもらっている。
黒くきれいなその髪に触れてみたい――世の中の男子はみんなこう思っているに違いない。
「一限目から体育って拷問だよなぁ」
そういいながら悠の背後からぐっと肩にに手を回す。幼馴染の青山湊だ。わざわざそんな事言いに隣のクラスまで来たのか。湊がふっと顔を上げた瞬間――。
「っ! ちょっと来てよ!」
湊に引きずられ廊下に出る。どうせ碧のことだろう。その予想は見事的中した。
「だれあの美少女!なんで悠と喋ってるわけ!?」
「だって席隣だから。」
「まじかよ、、、なぁどうやったらC組にはいれるんだ?」
「無理。」
「おおおおおお!なんでお前がこんな絵にかいたような王道ルートたどってるわけ!俺なんて名前順で周り野郎だらけなんだぞ!? 不公平だ、神様ぁ、、、」
神様ね。悠はよくわからない状態になった湊を自分の教室に帰し席に戻った。
碧に聞かれたらなんて答えよう。正直に答えればいいか。よし。
席に着いたと同時にやはり聞いてきた。
「なんの話をしてたの?」
「俺の幼馴染が碧に一目ぼれしたって話」
「なにそれほんとー?」
恐らく彼女は知っていたであろう。なのにわざわざ聞いてくるあたり自分をわかっている。
「よかったらお昼、あいつを交えて一緒に食べないか?」
「私約束している人がいるの。もしその子がいいって言ったら一緒に食べましょ。きっといいよっていうと思うよ。」
そうか、この子も普通に友達いるんだな。入学して以来話しかけられてたことはあっても、自分から話しかけにいっているところをみたことがなかった。勝手に友達がいないのだと思っていた。
「わかった。」
今日の一限目は国語だ。
「――な訳なのでここの『X』にはこの値が入ります。――今日はここまで。明日はこの続きだからしっかり復習しておくように」
四時限目の数学が終わった。おなかすいた。ご飯食べよう。
「立花君、凛、いいって。あ、今朝話してた子。」
「そうかよかった。湊に伝えてくる。先に食堂に行ってて。」
「うん。待ってるね。」
――と、湊に伝えるとものすごくうれしそうに感謝してきた。まあその気持ちはわからなくもない。
「初めまして~高橋凛です!よろしくね~」
碧とは全然違うタイプ。正反対だ。幼顔ではありながら髪を少し茶色に染め、ナチュラルメイクもしている。髪型はボブ。碧とは中学から一緒らしい。
食事中もずーっと凛が喋っている。湊はチラチラと碧の方を見ている。バレバレだ。
中学での凛と凛との話。悠と湊との幼馴染エピソードなど。話が止まらなくなった。碧がはなそうとした瞬間に昼休みが終わるチャイムが鳴った。
「ねぇ、放課後カフェでも行かない?」
「賛成~」
凛の提案に湊が続く。実際のところ碧と一緒にいたいだけだろう。
この四人はなかなか気が合いそうだ。
――放課後カフェに行った四人は午後は八時頃までお喋りにふけていた。
気が付くと外は雨が降っていた。
悠はいつも通りの時間に起き、いつもと同じ道を通り、いつもと同じ時間に学校に着く。
こんな毎日が続いている。何も変わらない平和な日々。変わったこと―強いていうならば、
今朝は食パンではなく白いご飯だった事。そんな事。
山岡高校――名門高校と呼ばれる高校の1年C組。廊下側の列の最後方が悠の席だ。
「おはよう。」
「おう、おはよう。」
隣の席の佐原碧――誰もが認める美少女で隣の席になった以来仲良くさせてもらっている。
黒くきれいなその髪に触れてみたい――世の中の男子はみんなこう思っているに違いない。
「一限目から体育って拷問だよなぁ」
そういいながら悠の背後からぐっと肩にに手を回す。幼馴染の青山湊だ。わざわざそんな事言いに隣のクラスまで来たのか。湊がふっと顔を上げた瞬間――。
「っ! ちょっと来てよ!」
湊に引きずられ廊下に出る。どうせ碧のことだろう。その予想は見事的中した。
「だれあの美少女!なんで悠と喋ってるわけ!?」
「だって席隣だから。」
「まじかよ、、、なぁどうやったらC組にはいれるんだ?」
「無理。」
「おおおおおお!なんでお前がこんな絵にかいたような王道ルートたどってるわけ!俺なんて名前順で周り野郎だらけなんだぞ!? 不公平だ、神様ぁ、、、」
神様ね。悠はよくわからない状態になった湊を自分の教室に帰し席に戻った。
碧に聞かれたらなんて答えよう。正直に答えればいいか。よし。
席に着いたと同時にやはり聞いてきた。
「なんの話をしてたの?」
「俺の幼馴染が碧に一目ぼれしたって話」
「なにそれほんとー?」
恐らく彼女は知っていたであろう。なのにわざわざ聞いてくるあたり自分をわかっている。
「よかったらお昼、あいつを交えて一緒に食べないか?」
「私約束している人がいるの。もしその子がいいって言ったら一緒に食べましょ。きっといいよっていうと思うよ。」
そうか、この子も普通に友達いるんだな。入学して以来話しかけられてたことはあっても、自分から話しかけにいっているところをみたことがなかった。勝手に友達がいないのだと思っていた。
「わかった。」
今日の一限目は国語だ。
「――な訳なのでここの『X』にはこの値が入ります。――今日はここまで。明日はこの続きだからしっかり復習しておくように」
四時限目の数学が終わった。おなかすいた。ご飯食べよう。
「立花君、凛、いいって。あ、今朝話してた子。」
「そうかよかった。湊に伝えてくる。先に食堂に行ってて。」
「うん。待ってるね。」
――と、湊に伝えるとものすごくうれしそうに感謝してきた。まあその気持ちはわからなくもない。
「初めまして~高橋凛です!よろしくね~」
碧とは全然違うタイプ。正反対だ。幼顔ではありながら髪を少し茶色に染め、ナチュラルメイクもしている。髪型はボブ。碧とは中学から一緒らしい。
食事中もずーっと凛が喋っている。湊はチラチラと碧の方を見ている。バレバレだ。
中学での凛と凛との話。悠と湊との幼馴染エピソードなど。話が止まらなくなった。碧がはなそうとした瞬間に昼休みが終わるチャイムが鳴った。
「ねぇ、放課後カフェでも行かない?」
「賛成~」
凛の提案に湊が続く。実際のところ碧と一緒にいたいだけだろう。
この四人はなかなか気が合いそうだ。
――放課後カフェに行った四人は午後は八時頃までお喋りにふけていた。
気が付くと外は雨が降っていた。
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