上 下
196 / 310

196.連想ゲーム(前編)

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。
 久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
 愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。愛宕の妻。EITO副隊長。
 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。
 斉藤理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
 夏目警視正・・・EITO副司令官。夏目リサーチを経営している。EITO副司令官。
 増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。
 金森和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
 馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。
 馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。副隊長補佐。
 結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。伝子の影武者担当。高木と結婚することになった。
 飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 工藤由香・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向の巡査部長。。
 江南(えなみ)美由紀・・・元警視庁警察犬チーム班長。EITOに就職。
 伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁からEITO出向の警部。伝子の同級生。
 青山たかし・・・以前は丸髷署生活安全課勤務だったが、退職。EITOに再就職した。
 財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
 仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
 井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。
 渡伸也一曹・・・EITOの自衛官チーム。GPSほか自衛隊のシステム担当。
 草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
 河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
 久保田嘉三管理官・・・EITO前司令官。斉藤理事官の命で、伝子達をEITOにスカウトした。
 久保田誠警部補・・・愛宕の先輩刑事だった。あつこの夫。久保田管理官の甥。
 藤井康子・・・伝子マンションのお隣さん。EITO準隊員待遇。
 中津警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
 中津健二・・・中津警部の弟。興信所を経営している。大阪の南部興信所と提携している。
 西園寺公子・・・中津健二の恋人。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。
 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。
 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
 根津あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。
 物部一朗太・・・伝子の大学の翻訳部の副部長。故人となった蘇我義経の親友。
 橋爪警部補・・・丸髷署生活安全課刑事。愛宕の相棒。
 田尾美緒子・・・白バイ隊隊長。巡査部長。
 本郷隼人二尉・・・海自からEITO出向。
 大蔵太蔵(おおくらたいぞう)・・・EITOシステム管理部長。
 大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。
 池上葉子・・・池上病院院長。
 福本日出夫・・・福本の叔父。タクシードライバー。元警視庁刑事。
 天童晃(ひかる)・・・かつて、公民館で伝子と対決した剣士の一人。EITO顧問。
 須藤桃子医官・・・陸自からのEITO出向。基本的に診療室勤務。
 枝山浩一事務官・・・EITOのプロファイリング担当。
 梶田悦司・・・元EITO武器開発部所属。システム課課長。
 利根川道明・・・TV欲目の社員コメンテーター。今はフリーのMCをしている。
 瀬名昌昭・・・ミュージシャン。コロニー以降、辛口コメントで有名になる。何度かEITOの事件に関わっている。

 =================================================

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==

 午前1時。
 Redにレッドサマーのメッセージが上がった。
 午前8時。EITO本部。司令室。
 出勤した草薙が、そのメッセージを見付けた。
 午前9時。会議室。
 《
 EITO及び警視庁の諸君。今度の『宿題』は『いろ』だ。簡単だろ?取りあえず、知らせておくよ。夜は強くないから、もう寝るかな。
 》
「ふざけてる!」と、口火を切ったのは、いつも発言が多い馬越だった。
「いつものことさ。草薙。大文字君には?」「先ほど知らせました。今、一佐が迎えに行っています。」
 理事官は、唸ったが、「会議の前に紹介しよう。」と言い出した。
 入って来たのは、梶田だった。
「日が浅い隊員には馴染みがないかも知れないが、EITO武器開発部所属していた梶田悦司君だ。今度、システム課課長になった。暫くNASAに研修に行っていた。エマージェンシーガールズのシュータを開発したのは、梶田君なんだ。あの『痺れ薬』は、薬学にも明るい梶田君のアイディアだ。大蔵君、本郷君だけでは手が足りないから、前倒しで帰国して貰った。」
 結城が、あかりの異変に気が付いた。「おい、新町。大丈夫か。顔が赤いぞ。」
「あ、ちょっと風邪気味で・・・。」「いつ戦闘になるかも知れない。あかり、後で医務室行ってこい。」と、伝子は指示した。
 あかりの異変に気づいたのは、結城だけではなかった。筒井とあつこは、思わず視線を交錯させた。
「あ。」司令室から、草薙の声が聞こえた。すぐにマルチディスプレイに草薙が映った。
「理事官。東京都の『イメージカラー』の調査で、一番多いのが『灰色系』だそうです。」
「で?」「済みません、今のは『中間報告』です。灰色に絞って調べ直します。」
「ゴーグルの検索で最初に出てくるなら、方向性は間違っていないでしょうね。」
 理事官と草薙のやり取りを聞いていた枝山事務官が言った。
「でも、灰色だけじゃ・・・。」と言いかけた馬場に、「だから、中間報告。」と金森が釘を刺した。
「東京タワーの色って、オレンジですよね。この色なら、東京タワーを守ればいいってことになるが・・・。」と言いかけた高木に、「ピンポイントの筈がないわ。」と日向が言った。
「やっぱり、この組織は、女性上位ね。」と、ディスプレイの中の池上院長が笑った。
「梶田さん、新しい痺れ薬、蛭田先生が調合してくれたわ。今日中に届くわ。」と、梶田に言った。
「蛭田先生に、お願いしておいたんです。NASAで効き目の時間を尋ねられて、それじゃ敵が逃げちゃうよ、って言われて。」と、梶田は理事官に説明をした。
「昔、二代目コロンビアローズの歌に『東京の空 灰色の空』って、ありましたな。」と、入って来た天童が言うと、その後で入って来た須藤医官が『智恵子抄』だな。懐かしい。しかし、現在でも灰色とは・・・。昔の『灰色』は、スモッグのことだったが。」と言った。
「それは違うよ、ひかる。高村智恵子は『精神分裂症』だったと聞いている。今で言う『統合失調症』とか『発達障害』だな。偶然だが、『智恵子抄』の灰色とは別に、発達障害はグレーゾーンと呼ばれている。グレーゾーンに関するシンポジウムや交流会は各地で開かれているが、いずれも小規模だ。だが、もし狙われたら、社会的影響は大きいな。」
「桃ねえちゃん。でも、何処を守ったらいいのか分からなければ、大文字さん達も困るね。」
「直近のイベントは、11月18日、土曜日。あ、今日だ。ベルマル神田のイベント会場でシンポジウムが行われます。午後1時半です。ゲストに瀬名さんが呼ばれています。」
 いつの間にか、ノートPCを持って来て調べていた、草薙が叫んだ。
「何時だ、草薙。まるで連想ゲームみたいな展開だが、取り敢えず、警護に行ってくれ。もう11時だ。あまり時間がない。」と、理事官が言い、伝子が目配せすると、なぎさが増田、金森、馬越を連れて出た。
「桃姉ちゃん、智恵子像って、どこだったかな?」「十和田湖・・・青森県だ。」
 2人の会話に、理事官は即断し、マイクを取って、司令室に連絡した。「河野君。青森県警に警護を依頼するんだ。」「了解しました。」と、返事はすぐに返って来た。
 東京の地図を繰り返し、眺めていた枝山事務官が叫んだ。
「アンバサダー。東京女子大学が危ない。」
「よし、残りの者は私に続け。護国寺も危ない。」と伝子は言った。
 出て行く時、仁礼と財前は、こそこそと話をした。「桃ねえちゃん。」「ひかる。」
 ―完―
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

処理中です...