54 / 60
54.最悪の選択
しおりを挟む
========== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
南部(江角)総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった。
本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー。
大前(白井)紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。
神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。
芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。
用賀(芦屋)二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。
芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。
小柳警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。
佐々一郎・・・元曽根崎署刑事。横山と同期。大阪府警テロ対策室勤務。通称佐々ヤン
指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。
用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。
真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。小柳と一時不倫をしていた。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。
デビット・ジョンソン・・・アメリカ空軍軍曹。EITO大阪支部専従パイロット。
草薙あきら・・・EITO東京本部。警視庁からの出向事務員。ホワイトハッカー。
=====================================
= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =
==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==
午前9時。EITO大阪支部。会議室。
「用賀君。夫婦喧嘩か、また。」「顔はやめろ、ボディーにしろって、言っているんですけどね。」
大前は、それ以上は言わなかった。芦屋三姉妹は、個性は違うが、基本的に『怒らせると恐い』相手である。
マルチディスプレイに。小柳警視正が映った。
「さっき、EITO東京本部の草薙君から連絡があった。テロ案件に思える。直接話してくれ。」
大前は、軽いデジャブを感じた。以前と同じ展開だ。
その直感が当たっていた。
「おはようございます。ダークレインボーやピスミラが、よくSNSを使うので、定期的にシステムで監視しているんです。先日の案件も、それがきっかけでした。大前さん。大阪市に『イタチボリ』って場所ありますか?」「あります。西区ですね。」
「そのイタチボリって所と、梅田の『うりうり新聞』が襲われます。『うりうり』は、今日、午後2時です。そして、イタチボリにある反社らしき組織が襲われます。どうやら、その組織は、『うりうり』襲撃の為に利用されたようですね。『うりうり』の金を、かの国に送金するらしい。以前から脅していたが、拉致が空かないから強硬手段をとるんだ、ってLinenで会話していました。Linenは、ご存じの通りセキュリティが甘く、那珂国や阿寒国に情報が流れています。那珂国のダークレインボーに流れるかも知れないSNSで、わざと流している。だから、ピスミラだと思います。午後3時に。その組織は襲撃されます。」
「挑発的ですね。ダークレインボーが、奴らを嫌ってEITOに情報流したことも知っていて挑発ですか。あれ?作戦失敗するかも知れませんやん。」
「Linenで見つかられなかったらの話ですね、こちらが。先手を打ちましょう。」
午後2時。うりうり新聞社。
数人の男達が機関銃を持って現れた。
連中は、フロアの人間を隅に追いやり。他のフロアには連絡させなかった。
そして、男達の1人が、開きっぱなしのパソコンを操作し始めた。
「はいはいはい。そこまで、そこまで。」ぎんは、大声で入って来た。
祐子、悦子、今日子は、胡椒弾をそこら中に投げた。
途端に、男達は、むせ返った。
小町は、送金プログラムが動き出したのを見て、配電室の二美にインカムで合図した。
「D!!」その短い言葉で辺りは停電した。
『D』はデスクトップの意味で、デスクトップを弄った場合は、配電盤で電源を切り、会社のサーバーをダウンする。『N』の場合は、配電盤の電源を切る以外にWi-Fiの通信アダプタとバッテリーを外すように、小町は二美に指示を受けていた。
男が操作していたPCはダウンした。
真知子、真美、ぎんは素早く機関銃にすいりゅうガンで水を撃った。この水は撃つとグミ状になり、機関銃は撃てなくなる。
小町は、臨時通信用ガラケーで、外の一美に連絡した。
ガラケーのサポートは全面終了、とは、携帯キャリアがユーザーに連絡したが、実は、警察用には、通信回線が残されている。詰まり、このガラケーは警察・EITO共用の通信機器だ。
コレは、大文字伝子の叔父の大文字教授が残した、通称『大文字システム』の一つっだった。
ぎんは、「ここの責任者は?」と尋ねた。責任者らしき男が前に出た。
「私が、デスクの越中です。」「越中さん、イタチボリの会社。名前、教えて。」
午後3時。赤羽新聞社。
ぎんから連絡を受けた総子は、ジュン達と、やって来て、『イタチボリ』の会社こと赤羽新聞社に向かう途中のピスミラのクルマを『煽り運転』で攻撃。捕まえて、用賀は、警察に通報した。そして、3時に間に合った。
外で、騒ぐ声がする。騒ぎを聞いて、出てきた連中は、正に『半グレ』だった。
「半グレは〇〇商会とかいう名前が定番やと思ってたわ。」ジュンの声に振り返った連中に、幾つものシューターやメダルカッターが飛び、彼らの頬に擦り傷を作った。
シューターとは、うろこ形の手裏剣で、先端に痺れ薬が塗ってある。
メダルカッターとは、50円玉台のメダルにプロペラ状の刃が付いているメダルで、中央を押すと、カッターが飛び出す。
「今度は反社やな。」と、真子が言った。
そして、総子は口上を述べた。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上!正義の戦士、EITOエンジェルズ。満を持して。」
「なんやこいつら、いてまえ!」
そう言った、リーダー格の男に、いずみの投げたブーメランが当たった。
「いてまえ、いうのはナア、こうすることや!!」
総子の合図で、バトルスティックやバトルロッドで立ち向かっていくEITOエンジェルズ。拳銃や日本刀は、彼女達に取って、オモチャでしかなかった。
半時間後。
弥生が、長波ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルとは、犬笛に似た簡易通信機で、通常の大人の耳には聞こえない。主に、控えている警官隊への合図に使う。
EITOは警察ではない。『私人逮捕』は出来ても、連行取り調べは出来ない。だから、警察に引き継ぐのだ。
「あんたらを利用して、始末しようとした奴ら、先に始末しておいたで。」と、あゆみが言い、稽古とみゆき、真子らが笑った。
やがて、佐々ヤンこと佐々刑事が率いる警官隊がやって来た。
「どんな新聞やろな。赤い字で赤字かな?」と、佐々ヤンは珍しく駄洒落を言った。
「しょーもなっ!!」総子は一蹴した。
午後6時。総子のマンション。
「えらい手が込んでるな。下請けの会社は、新聞社の名前の半グレで、ピスミラと手を組んだ積もりが、ダシにされたか。半グレは、総子らに感謝せんといかんな。命拾いしたんやさかいに。」
「総ちゃんは、大分リーダーシップの腕あげましたね。総帥に報告しておきますわ。」と、知子は言った。
友田知子は、芦屋グループの社員だが、表向きは派遣家政婦ということになっている。
「ありがとう。いつも、知チャンが作ってくれる料理のお陰やわ。お世辞やけど。」
「お世辞やけど、は要らんやろ。」
夫婦漫才を見て胆嚢した知子は、帰って行った。
夕食を食べながら、総子は「褒めるんやったら、体全体でね。旦那さん。」
「はいよ。」南部は、にっこり笑うしかなかった。
―完―
============== 主な登場人物 ================
南部(江角)総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった。
本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー。
大前(白井)紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。
神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。
芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。
用賀(芦屋)二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。
芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。
小柳警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。
佐々一郎・・・元曽根崎署刑事。横山と同期。大阪府警テロ対策室勤務。通称佐々ヤン
指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。
用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。
真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。小柳と一時不倫をしていた。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。
デビット・ジョンソン・・・アメリカ空軍軍曹。EITO大阪支部専従パイロット。
草薙あきら・・・EITO東京本部。警視庁からの出向事務員。ホワイトハッカー。
=====================================
= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =
==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==
午前9時。EITO大阪支部。会議室。
「用賀君。夫婦喧嘩か、また。」「顔はやめろ、ボディーにしろって、言っているんですけどね。」
大前は、それ以上は言わなかった。芦屋三姉妹は、個性は違うが、基本的に『怒らせると恐い』相手である。
マルチディスプレイに。小柳警視正が映った。
「さっき、EITO東京本部の草薙君から連絡があった。テロ案件に思える。直接話してくれ。」
大前は、軽いデジャブを感じた。以前と同じ展開だ。
その直感が当たっていた。
「おはようございます。ダークレインボーやピスミラが、よくSNSを使うので、定期的にシステムで監視しているんです。先日の案件も、それがきっかけでした。大前さん。大阪市に『イタチボリ』って場所ありますか?」「あります。西区ですね。」
「そのイタチボリって所と、梅田の『うりうり新聞』が襲われます。『うりうり』は、今日、午後2時です。そして、イタチボリにある反社らしき組織が襲われます。どうやら、その組織は、『うりうり』襲撃の為に利用されたようですね。『うりうり』の金を、かの国に送金するらしい。以前から脅していたが、拉致が空かないから強硬手段をとるんだ、ってLinenで会話していました。Linenは、ご存じの通りセキュリティが甘く、那珂国や阿寒国に情報が流れています。那珂国のダークレインボーに流れるかも知れないSNSで、わざと流している。だから、ピスミラだと思います。午後3時に。その組織は襲撃されます。」
「挑発的ですね。ダークレインボーが、奴らを嫌ってEITOに情報流したことも知っていて挑発ですか。あれ?作戦失敗するかも知れませんやん。」
「Linenで見つかられなかったらの話ですね、こちらが。先手を打ちましょう。」
午後2時。うりうり新聞社。
数人の男達が機関銃を持って現れた。
連中は、フロアの人間を隅に追いやり。他のフロアには連絡させなかった。
そして、男達の1人が、開きっぱなしのパソコンを操作し始めた。
「はいはいはい。そこまで、そこまで。」ぎんは、大声で入って来た。
祐子、悦子、今日子は、胡椒弾をそこら中に投げた。
途端に、男達は、むせ返った。
小町は、送金プログラムが動き出したのを見て、配電室の二美にインカムで合図した。
「D!!」その短い言葉で辺りは停電した。
『D』はデスクトップの意味で、デスクトップを弄った場合は、配電盤で電源を切り、会社のサーバーをダウンする。『N』の場合は、配電盤の電源を切る以外にWi-Fiの通信アダプタとバッテリーを外すように、小町は二美に指示を受けていた。
男が操作していたPCはダウンした。
真知子、真美、ぎんは素早く機関銃にすいりゅうガンで水を撃った。この水は撃つとグミ状になり、機関銃は撃てなくなる。
小町は、臨時通信用ガラケーで、外の一美に連絡した。
ガラケーのサポートは全面終了、とは、携帯キャリアがユーザーに連絡したが、実は、警察用には、通信回線が残されている。詰まり、このガラケーは警察・EITO共用の通信機器だ。
コレは、大文字伝子の叔父の大文字教授が残した、通称『大文字システム』の一つっだった。
ぎんは、「ここの責任者は?」と尋ねた。責任者らしき男が前に出た。
「私が、デスクの越中です。」「越中さん、イタチボリの会社。名前、教えて。」
午後3時。赤羽新聞社。
ぎんから連絡を受けた総子は、ジュン達と、やって来て、『イタチボリ』の会社こと赤羽新聞社に向かう途中のピスミラのクルマを『煽り運転』で攻撃。捕まえて、用賀は、警察に通報した。そして、3時に間に合った。
外で、騒ぐ声がする。騒ぎを聞いて、出てきた連中は、正に『半グレ』だった。
「半グレは〇〇商会とかいう名前が定番やと思ってたわ。」ジュンの声に振り返った連中に、幾つものシューターやメダルカッターが飛び、彼らの頬に擦り傷を作った。
シューターとは、うろこ形の手裏剣で、先端に痺れ薬が塗ってある。
メダルカッターとは、50円玉台のメダルにプロペラ状の刃が付いているメダルで、中央を押すと、カッターが飛び出す。
「今度は反社やな。」と、真子が言った。
そして、総子は口上を述べた。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上!正義の戦士、EITOエンジェルズ。満を持して。」
「なんやこいつら、いてまえ!」
そう言った、リーダー格の男に、いずみの投げたブーメランが当たった。
「いてまえ、いうのはナア、こうすることや!!」
総子の合図で、バトルスティックやバトルロッドで立ち向かっていくEITOエンジェルズ。拳銃や日本刀は、彼女達に取って、オモチャでしかなかった。
半時間後。
弥生が、長波ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルとは、犬笛に似た簡易通信機で、通常の大人の耳には聞こえない。主に、控えている警官隊への合図に使う。
EITOは警察ではない。『私人逮捕』は出来ても、連行取り調べは出来ない。だから、警察に引き継ぐのだ。
「あんたらを利用して、始末しようとした奴ら、先に始末しておいたで。」と、あゆみが言い、稽古とみゆき、真子らが笑った。
やがて、佐々ヤンこと佐々刑事が率いる警官隊がやって来た。
「どんな新聞やろな。赤い字で赤字かな?」と、佐々ヤンは珍しく駄洒落を言った。
「しょーもなっ!!」総子は一蹴した。
午後6時。総子のマンション。
「えらい手が込んでるな。下請けの会社は、新聞社の名前の半グレで、ピスミラと手を組んだ積もりが、ダシにされたか。半グレは、総子らに感謝せんといかんな。命拾いしたんやさかいに。」
「総ちゃんは、大分リーダーシップの腕あげましたね。総帥に報告しておきますわ。」と、知子は言った。
友田知子は、芦屋グループの社員だが、表向きは派遣家政婦ということになっている。
「ありがとう。いつも、知チャンが作ってくれる料理のお陰やわ。お世辞やけど。」
「お世辞やけど、は要らんやろ。」
夫婦漫才を見て胆嚢した知子は、帰って行った。
夕食を食べながら、総子は「褒めるんやったら、体全体でね。旦那さん。」
「はいよ。」南部は、にっこり笑うしかなかった。
―完―
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
何の変哲もない違和感
遊楽部八雲
ミステリー
日常に潜む違和感を多彩なジャンル、表現で描く恐怖の非日常!
日本SFのパイオニア、星新一を彷彿とさせる独特な言い回し、秀逸な結末でお送りする至高の傑作短編集!!
名探偵あやのん(仮)
オヂサン
ミステリー
これはSAISONというアイドルグループのメンバーである「林あやの」さんと、その愛猫「タワシ」をモデルにした創作ナゾトキです。なお登場人物の「小島ルナ」も前述のSAISONのメンバー(正確には小島瑠那さん)です。
元々稚拙な文章の上、そもそもがこのSAISONというグループ、2人の人となりや関係性を知ってる方に向けての作品なので、そこを知らない方は余計に???な描写があったり、様々な説明が不足に感じるとは思いますがご容赦下さい。
なお、作中に出てくるマルシェというコンカフェもキャストも完全なフィクションです(実際には小島瑠那さんは『じぇるめ』というキチンとしたコンカフェを経営してらっしゃいます)。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる