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24.出来心
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======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
高峰圭二・・・悦司の叔父。警備員。
大文字学・・・おさむの父。小説家。
大文字伝子・・・おさむの母。EITO隊長。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後1時。ニューモール。ニューモール書店。
「おじさん、忘れ物だよ。」
書店出入り口に向かった初老の男性の前に、健太郎が回り込んで、声をかけた。
「おじさん、レジはあっちだよ。先月出来たばかりの店だから、迷っちゃうよね。」
懸命に言う、おさむの真意を察して、男性はレジに向かった。
めぐみと千香乃が、はしゃいだ声を出した隙に、男性は本をそれとなく取り出し、精算をした。
店員は、紙袋を差し出しながら、「あっちで呼んでいるみたいですよ。」と、出入り口を指した。
店長らしき人物と、警備員がお辞儀をした。
午後1時半。ニューモール警備員室。
「申し訳ありませんでした。」と、男性は深々と頭を下げた。
「謝罪と謝礼は、この子達に言って下さい。ミラクル9にね。」と、警備員の高峰は言った。
高峰は、元警視庁刑事で、今は経鼻会社に勤めている。
本来は、スーパーの警備員だが、最近万引きが多いので、周囲の店にも巡回している。
高峰は、悦司の叔父に当たり、悦司達の小学校に、教育実習生としてやって来た、高峰舞子は、悦司の従姉に当たる。
挙動不審の人がいる、とおさむが言いだし、ミラクル9で万引きを防止したのだ。
「おじさんが買った、いや、買いたかった本、ずっと、僕観察していた。おじさん、栞も挟まず、折り目も入れず、読んだ途中のページ、暗記してたよね。大きなバッグだけど、どの本の上にも置かなかった。勿論、腰掛けたりしなかった。本を大切にしている人、読書の好きな人。そんな印象の人だから、悪い事させたくなかった。『お父さんの書いた本』だし。」
おさむの言葉に、男性は驚いた。「君は、大門先生の・・・。」
「大門学こと大文字学の息子、おさむです。」
「遅まきながら、サイン入れましょうか?裏表紙に。」と言って入って来たのは、大文字学、その人だった。
男性は、その場で土下座をした。
学は、満百合からサインペンを受けとると、サラサラっとサインをした。
午後7時。大文字伝子のマンション。
話を聞いた、伝子は、おさむに大きな胸を押しつけた。
「おっぱい、吸うか?」「お母さん、笑えない。」
台所では、学がオムライスを作っていた。
「おさむ、ケチャップ多めな。」
伝子は、闘いの疲れが一気に消し飛んだ。
学は、苦労して育てた甲斐があった、と思った。おさむは、父の小説を全部読んでいた。
2人の自慢の息子は、手を洗いに洗面所に行った。
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
高峰圭二・・・悦司の叔父。警備員。
大文字学・・・おさむの父。小説家。
大文字伝子・・・おさむの母。EITO隊長。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後1時。ニューモール。ニューモール書店。
「おじさん、忘れ物だよ。」
書店出入り口に向かった初老の男性の前に、健太郎が回り込んで、声をかけた。
「おじさん、レジはあっちだよ。先月出来たばかりの店だから、迷っちゃうよね。」
懸命に言う、おさむの真意を察して、男性はレジに向かった。
めぐみと千香乃が、はしゃいだ声を出した隙に、男性は本をそれとなく取り出し、精算をした。
店員は、紙袋を差し出しながら、「あっちで呼んでいるみたいですよ。」と、出入り口を指した。
店長らしき人物と、警備員がお辞儀をした。
午後1時半。ニューモール警備員室。
「申し訳ありませんでした。」と、男性は深々と頭を下げた。
「謝罪と謝礼は、この子達に言って下さい。ミラクル9にね。」と、警備員の高峰は言った。
高峰は、元警視庁刑事で、今は経鼻会社に勤めている。
本来は、スーパーの警備員だが、最近万引きが多いので、周囲の店にも巡回している。
高峰は、悦司の叔父に当たり、悦司達の小学校に、教育実習生としてやって来た、高峰舞子は、悦司の従姉に当たる。
挙動不審の人がいる、とおさむが言いだし、ミラクル9で万引きを防止したのだ。
「おじさんが買った、いや、買いたかった本、ずっと、僕観察していた。おじさん、栞も挟まず、折り目も入れず、読んだ途中のページ、暗記してたよね。大きなバッグだけど、どの本の上にも置かなかった。勿論、腰掛けたりしなかった。本を大切にしている人、読書の好きな人。そんな印象の人だから、悪い事させたくなかった。『お父さんの書いた本』だし。」
おさむの言葉に、男性は驚いた。「君は、大門先生の・・・。」
「大門学こと大文字学の息子、おさむです。」
「遅まきながら、サイン入れましょうか?裏表紙に。」と言って入って来たのは、大文字学、その人だった。
男性は、その場で土下座をした。
学は、満百合からサインペンを受けとると、サラサラっとサインをした。
午後7時。大文字伝子のマンション。
話を聞いた、伝子は、おさむに大きな胸を押しつけた。
「おっぱい、吸うか?」「お母さん、笑えない。」
台所では、学がオムライスを作っていた。
「おさむ、ケチャップ多めな。」
伝子は、闘いの疲れが一気に消し飛んだ。
学は、苦労して育てた甲斐があった、と思った。おさむは、父の小説を全部読んでいた。
2人の自慢の息子は、手を洗いに洗面所に行った。
―完―
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