9 / 25
9.こころ
しおりを挟む
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
久保田あつこ・・・健太郎の母。警視正。
橋爪哲夫警部補・・・愛宕警部の同僚。丸髷署生活安全課。
高峰圭二・・・元刑事の警備員。
天童晃・・・元EITO準隊員。武術師範だったが、今は引退して道場を開いている。
天童桃子・・・天童の妻。元陸自医官。出向していたEITOで天童と再会。50年越しの恋を実らせ、結婚した。現在は、天童邸を改造して診療所を開いている。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後3時。スーパー・ピテカントロプス。
店内を走り回る、子供達。そして、ポケットに商品を入れていく。
健太郎達ミラクル9は、店長の相談を受け、見張っていた。
犯人の子供達は、店内の防犯カメラの死角をつき、走り回る。
午前中や繁忙時の方が、店には隙があるように見えるが、実はそうでもない。
店に寄っては、「お掃除タイム」にしているが、実は「けん制」の為の放送である。
それを知った上の、堂々とした犯行だ。どのスーパーにも警備員はいるが、いつでも監視出来る訳ではない。
健太郎達は、2人1組に分かれて監視していた。
万引きグループが動くと、すぐに健太郎達は、取り押さえ、ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルではない。運動会等で使用するホイッスルだ。
店長から連絡を受けた警備員達が駆けつけ、やがて警察官達がやって来た。
警備員達が駆けつけた時、リーダー格の男の子が喚いていた。
「お前ら。警察でもないのに、逮捕した気でいるのか?」
「『私人逮捕』だね。勿論、誰にでも逮捕する権利はあるよ。逃げない様に取り押さえることだからね。君たちは、警察に引き渡す。『公人逮捕』に切り替えだ。お願いいたします。」と、高峰は、いつものように、警察官に子供達を引き渡した。
手錠はかけないが、引っ立てられていく時のわめきは、大人と同じだ。
「高峰さん。」と店長が申し訳なさそうに言った。
店長の広報には、老婦人と、天童晃がいた。
店長室に老婦人を案内するように、高峰は進言した。
駆けつけた警察官の中に橋爪警部補を見付けた高峰は、そっと耳打ちした。
「了解しました。」「こちらです。」
午後4時。店長室。
「初犯じゃなかったんですか。」と、天童は驚いた。
警備員の高峰圭二は、元刑事。橋爪警部補は、本来は生活安全課の刑事だ。
そして、天童は、EITO引退後、自宅で道場を開き、妻の桃子は、EITO引退後、庭を潰して建てた診療所の院長をしている。
天童は、健太郎達を促し、自宅に招いた。
午後5時。天童家。茶の間。
「おやつには遅いが、まあ、いいだろう。」と言って天童は羊羹とお茶を出してくれた。
「子供達は、初犯じゃないし、方々のスーパーで被害が出ている。少年院に行くかもな。私のポーチを取ろうとした婦人は、所謂「病気」なんだ。
「平たく言うと、『正気の時』と『正気でない時』があるの。身元引受人として、家族の方が来られるだろうけどね。店長の説諭、あ、説教で済めばいいけど、初犯でないと、少なくとも『出入り禁止』ね。」
「難しいんですね、須藤先生。」と、おさむが言った。
「そうね。君の蜂に刺された時の処置は医者には出来ても、蜂に刺されたショックまでは医者には分からない。『こころ』に関係する治療は一番難しいの。まあ、ゆっくりして行きなさい。」
そう言って、須藤院長は診療所の方に向かった。
健太郎のスマホが鳴動した。
「かあちゃん。」「今、どこ?武勇伝は聞いたわよ。」
「天童先生のところ。」「五時半から道場の生徒さん達が来るわ。お前達も引き揚げなさい。」「はい。」
「ちぇっ!君の心の声は聞こえたよ。」と、天童が言うと、「恐れ入りました。」と、健太郎は深くお辞儀をし、皆が笑った。
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
久保田あつこ・・・健太郎の母。警視正。
橋爪哲夫警部補・・・愛宕警部の同僚。丸髷署生活安全課。
高峰圭二・・・元刑事の警備員。
天童晃・・・元EITO準隊員。武術師範だったが、今は引退して道場を開いている。
天童桃子・・・天童の妻。元陸自医官。出向していたEITOで天童と再会。50年越しの恋を実らせ、結婚した。現在は、天童邸を改造して診療所を開いている。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後3時。スーパー・ピテカントロプス。
店内を走り回る、子供達。そして、ポケットに商品を入れていく。
健太郎達ミラクル9は、店長の相談を受け、見張っていた。
犯人の子供達は、店内の防犯カメラの死角をつき、走り回る。
午前中や繁忙時の方が、店には隙があるように見えるが、実はそうでもない。
店に寄っては、「お掃除タイム」にしているが、実は「けん制」の為の放送である。
それを知った上の、堂々とした犯行だ。どのスーパーにも警備員はいるが、いつでも監視出来る訳ではない。
健太郎達は、2人1組に分かれて監視していた。
万引きグループが動くと、すぐに健太郎達は、取り押さえ、ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルではない。運動会等で使用するホイッスルだ。
店長から連絡を受けた警備員達が駆けつけ、やがて警察官達がやって来た。
警備員達が駆けつけた時、リーダー格の男の子が喚いていた。
「お前ら。警察でもないのに、逮捕した気でいるのか?」
「『私人逮捕』だね。勿論、誰にでも逮捕する権利はあるよ。逃げない様に取り押さえることだからね。君たちは、警察に引き渡す。『公人逮捕』に切り替えだ。お願いいたします。」と、高峰は、いつものように、警察官に子供達を引き渡した。
手錠はかけないが、引っ立てられていく時のわめきは、大人と同じだ。
「高峰さん。」と店長が申し訳なさそうに言った。
店長の広報には、老婦人と、天童晃がいた。
店長室に老婦人を案内するように、高峰は進言した。
駆けつけた警察官の中に橋爪警部補を見付けた高峰は、そっと耳打ちした。
「了解しました。」「こちらです。」
午後4時。店長室。
「初犯じゃなかったんですか。」と、天童は驚いた。
警備員の高峰圭二は、元刑事。橋爪警部補は、本来は生活安全課の刑事だ。
そして、天童は、EITO引退後、自宅で道場を開き、妻の桃子は、EITO引退後、庭を潰して建てた診療所の院長をしている。
天童は、健太郎達を促し、自宅に招いた。
午後5時。天童家。茶の間。
「おやつには遅いが、まあ、いいだろう。」と言って天童は羊羹とお茶を出してくれた。
「子供達は、初犯じゃないし、方々のスーパーで被害が出ている。少年院に行くかもな。私のポーチを取ろうとした婦人は、所謂「病気」なんだ。
「平たく言うと、『正気の時』と『正気でない時』があるの。身元引受人として、家族の方が来られるだろうけどね。店長の説諭、あ、説教で済めばいいけど、初犯でないと、少なくとも『出入り禁止』ね。」
「難しいんですね、須藤先生。」と、おさむが言った。
「そうね。君の蜂に刺された時の処置は医者には出来ても、蜂に刺されたショックまでは医者には分からない。『こころ』に関係する治療は一番難しいの。まあ、ゆっくりして行きなさい。」
そう言って、須藤院長は診療所の方に向かった。
健太郎のスマホが鳴動した。
「かあちゃん。」「今、どこ?武勇伝は聞いたわよ。」
「天童先生のところ。」「五時半から道場の生徒さん達が来るわ。お前達も引き揚げなさい。」「はい。」
「ちぇっ!君の心の声は聞こえたよ。」と、天童が言うと、「恐れ入りました。」と、健太郎は深くお辞儀をし、皆が笑った。
―完―
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る
マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。
思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。
だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。
「ああ、抱きたい・・・」
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる