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8.奇跡のブーメラン
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======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署警部。
久保田嘉三管理官・・・警視庁管理官。健太郎の大叔父。
久保田あつこ・・・健太郎の母。警視正。
久保田誠・・・健太郎の父。警部補。嘉三は叔父。
橋爪哲夫警部補・・・愛宕警部の同僚。丸髷署生活安全課。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴマスター。大文字伝子の同級生。
辰巳一郎・・・アテロゴのウエイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後3時。喫茶店アテロゴ。
「マスター。いいの?これ。」と、健太郎は言った。
「もらい物だけどな。少ないし。但し、水の入ったバケツ持参。大人が付き添い。モールの外の公園。辰巳、付いていけ。」
物部の指示に従って、健太郎達ミラクル9は、モール外れの公園にて、花火で遊んだ。
完全に燃え終った頃、めぐみが叫んだ。「あ。燃えてる!!煙が出てる!!」
千香乃が言った。「聖火ランナー、走ってる!」
「違う。あれは松明だ。」辰巳は、さっと片づけさせて、モールに戻った。
燃えていたのは、モールの端の交番だった。
交番の巡査達が、懸命に通行客とバケツリレーで消火していた。健太郎達も加わろうとしたが、千香乃が言った、松明男が、ゆっくりと、モールの中を彷徨って歩いていた。
走っていたが、息切れしたのだろう。
「止めてー!!」未玖が叫んで、男の方に向かった。
男は、片手に松明を持ったまま、もう片手で未玖を抱きしめた。
「しまった。」辰巳は、すぐにアテロゴの物部に電話をした。
「分かった。」そう返事した物部は、走って来た。
消防車が近づいて来た。警察官も、やって来た。
未玖を人質に取られたので、警察官達は、迂闊に手を出せない。
おさむは、ブーメランを握る健太郎に向かって言った。
「健太郎。深呼吸して、心眼で見るんだ。褒められようと思わない。この間の悦司の動画を見ただろう?」
「分かった。」健太郎は、神経を集中した。1分後。健太郎は松明男の松明を持った腕を目がけて、ブーメランを投げた。
ブーメランは、見事に男の腕に当たって、松明が落ちた。
しかし、ブーメランは健太郎に戻って来なかった。
その跳ね返ったブーメランをキャッチした人物がいた。
他ならぬ、久保田嘉三、即ち、久保田管理官だった。
男は錯乱して、未玖を突き放して、松明を拾おうとしたが、松明は水流で消火された。
不動産屋の近くにある消火栓からホースを出して、物部と辰巳が放水したのだ。
辺りに、拍手が巻き起こった。
駆けつけた、愛宕警部と橋爪警部補が、男を逮捕連行した。久保田管理官に一礼して。
久保田管理官は、健太郎の肩を叩き、ブーメランを返した。
「よくやった。大叔父さんは、嬉しいよ。」
ミラクル9のメンバーが拍手しながら笑っていた。
午後7時。久保田邸。
「健太郎。よくやった。今夜は赤飯だ。久しぶりに母さんと寝るか?」
「反応するから、ダメ。」「こいつう、ナマいいやがって。明日から特訓だ!!」
「ええ?」
「余計なこと言うからだよ。父さんは味方しないぞ。父さんは母さんの味方だから。」
「そんなあ。」
一同は、爆笑した。
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署警部。
久保田嘉三管理官・・・警視庁管理官。健太郎の大叔父。
久保田あつこ・・・健太郎の母。警視正。
久保田誠・・・健太郎の父。警部補。嘉三は叔父。
橋爪哲夫警部補・・・愛宕警部の同僚。丸髷署生活安全課。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴマスター。大文字伝子の同級生。
辰巳一郎・・・アテロゴのウエイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後3時。喫茶店アテロゴ。
「マスター。いいの?これ。」と、健太郎は言った。
「もらい物だけどな。少ないし。但し、水の入ったバケツ持参。大人が付き添い。モールの外の公園。辰巳、付いていけ。」
物部の指示に従って、健太郎達ミラクル9は、モール外れの公園にて、花火で遊んだ。
完全に燃え終った頃、めぐみが叫んだ。「あ。燃えてる!!煙が出てる!!」
千香乃が言った。「聖火ランナー、走ってる!」
「違う。あれは松明だ。」辰巳は、さっと片づけさせて、モールに戻った。
燃えていたのは、モールの端の交番だった。
交番の巡査達が、懸命に通行客とバケツリレーで消火していた。健太郎達も加わろうとしたが、千香乃が言った、松明男が、ゆっくりと、モールの中を彷徨って歩いていた。
走っていたが、息切れしたのだろう。
「止めてー!!」未玖が叫んで、男の方に向かった。
男は、片手に松明を持ったまま、もう片手で未玖を抱きしめた。
「しまった。」辰巳は、すぐにアテロゴの物部に電話をした。
「分かった。」そう返事した物部は、走って来た。
消防車が近づいて来た。警察官も、やって来た。
未玖を人質に取られたので、警察官達は、迂闊に手を出せない。
おさむは、ブーメランを握る健太郎に向かって言った。
「健太郎。深呼吸して、心眼で見るんだ。褒められようと思わない。この間の悦司の動画を見ただろう?」
「分かった。」健太郎は、神経を集中した。1分後。健太郎は松明男の松明を持った腕を目がけて、ブーメランを投げた。
ブーメランは、見事に男の腕に当たって、松明が落ちた。
しかし、ブーメランは健太郎に戻って来なかった。
その跳ね返ったブーメランをキャッチした人物がいた。
他ならぬ、久保田嘉三、即ち、久保田管理官だった。
男は錯乱して、未玖を突き放して、松明を拾おうとしたが、松明は水流で消火された。
不動産屋の近くにある消火栓からホースを出して、物部と辰巳が放水したのだ。
辺りに、拍手が巻き起こった。
駆けつけた、愛宕警部と橋爪警部補が、男を逮捕連行した。久保田管理官に一礼して。
久保田管理官は、健太郎の肩を叩き、ブーメランを返した。
「よくやった。大叔父さんは、嬉しいよ。」
ミラクル9のメンバーが拍手しながら笑っていた。
午後7時。久保田邸。
「健太郎。よくやった。今夜は赤飯だ。久しぶりに母さんと寝るか?」
「反応するから、ダメ。」「こいつう、ナマいいやがって。明日から特訓だ!!」
「ええ?」
「余計なこと言うからだよ。父さんは味方しないぞ。父さんは母さんの味方だから。」
「そんなあ。」
一同は、爆笑した。
―完―
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