進め!健太郎

クライングフリーマン

文字の大きさ
上 下
1 / 50

1.逮捕

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 愛宕寛治警部・・・悦司の父。
 久保田あつこ・・・警視正。健太郎の母。
 白藤平一郎・・・丸髷署署長。

 ==============================
 DDメンバーとは、かつて大文字伝子が部活の後輩達と作ったサークルで、探偵もどきの活動をしていたメンバーのことである。

 ある小学校。放課後。
 物部満百合が帰ろうとすると、立ちはだかる、男子3人。
「おい、物部。顔貸せよ。」「お面じゃないから、貸せない。」
「面白い。来い!!」と、3人の内、1人が号令をかけ、3人で取り囲んで裏門から出て行く。
 その様子をスマホのカメラで撮影している、大文字おさむ。
「止めろよ。」と3人の男子の前に立つ、久保田健太郎。
「拉致及び監禁未遂で逮捕する!」と健太郎は言った。
「おい、聞いたか。逮捕するだって。警察でも無ければ子供なのに。」とリーダー格の男子が言った。
「私人逮捕だ。子供でも逮捕して警察に引き渡す権利はある。」
「私人逮捕?習ったことないな。」「そうか。じゃ、教えて貰いなよ、警察官に。」
 山城みどりが、モスキート音をスマホに繋いだ百均のスピーカーから3人に向かって鳴らした。
 みどりが構えた時、既に健太郎は防音の為のヘッドホンを耳に着けていた。
 男子3人は、その場にしゃがみこんだ。健太郎は、満百合をみどりの後方に連れて行き、男子3人に『指手錠』をした。
「110番、したよ。」と、走って来た南原未玖が言った。
 パトカーが2台、サイレンを鳴らしてやって来た。
「ご苦労様。誘拐されようとしたのは、誰?」と、愛宕寛治警部は言った。
 健太郎とみどりと未玖は、素早く愛宕警部を見てから、満百合を指した。
「じゃ、誘拐しようとしたのは?」愛宕警部の質問に、健太郎達は、指手錠された男子3人を指した。
「署で、ゆっくり話を聞かせて貰おうか?」と、愛宕は宣言し、仲間の警察官と共に男子3人をパトカーに乗せ、連れ去った。
 男子3人は、不平を並べたが、愛宕警部は無視した。
 署に着いて、取り調べが始まり、1時間が経過した時、3人の母親が駆けつけた。
「ウチの子が何をやったって言うんですかあ!!」と、受付けで応対した愛宕に母親の1人、大林美佳が言った。
「誘拐未遂です。既に4軒起っています、誘拐事件が。イジメも問題ですが、イジメの一環として誘拐。『子供が遊んでふざけていた』では済みませんなあ。」と、白藤署長が出てきて言った。
「子供がやったことだから、許せ、って言うのも悪戯じゃ無かったら、犯罪ですよね。お・・・署長。」と愛宕悦司がやって来て、言った。
 悦司は、おさむが撮影したスマホを署長に渡した。
「証拠でも、あるんですか?」と、大林が言うので、署長はスマホをかざして言った。
「ここに。実はね、大林さん。目撃証言は多くあるのに、なかなか、その証拠が見つからなかった。そこで、勇気ある少年少女に『調査』を依頼したんです。」
 署長の言葉に、待合シートにかけていた少年少女が立ち上がった。
「名付けて、ミラクル9(ナイン)。」と、悦子は言った。
「所謂、囮捜査みたいなことをして、ごめんなさい。でも、問い詰めても知らん顔されそうだったから。」と、めぐみは言った。
「被害に遭った子供達は、スマホやゲーム機を取り上げられたわ。リーダーの子は、あなた。大林さんの息子よ。流石プログラマーの子供ね。『転売サイト』にアクセスして、一儲けしていた。転売サイトは摘発されたから、そこからも『証拠』はあがるわね。」と、千香乃は言った。
「暴力は振るっていない。傷をつけることは、レイプを含めてリスクがあるからね。」
 おさむと共にやって来た、健太郎が言った。
「事情を話して、学校側に防犯カメラの記録も提出するよう、お願いしてきました、署長。」と、健太郎は言った。
「ご苦労様。あ、お母さんが映っているぞ。」と、白藤場長が言った。
 画面には、『警視正』になった、久保田あつこが記者会見する様子が映っていた。
「かあちゃん、いつ見てもカッケーな。」
 大林夫人たち3人は、棒立ちしていた。
 ―完―

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。

さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。 許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。 幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。 (ああ、もう、) やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。 (ずるいよ……) リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。 こんな私なんかのことを。 友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。 彼らが最後に選ぶ答えとは——? ⚠️好みが非常に分かれる作品となっております。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

僕は 彼女の彼氏のはずなんだ

すんのはじめ
青春
昔、つぶれていった父のレストランを復活させるために その娘は 僕等4人の仲好しグループは同じ小学校を出て、中学校も同じで、地域では有名な進学高校を目指していた。中でも、中道美鈴には特別な想いがあったが、中学を卒業する時、彼女の消息が突然消えてしまった。僕は、彼女のことを忘れることが出来なくて、大学3年になって、ようやく探し出せた。それからの彼女は、高校進学を犠牲にしてまでも、昔、つぶされた様な形になった父のレストランを復活させるため、その思いを秘め、色々と奮闘してゆく

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

GIVEN〜与えられた者〜

菅田刈乃
青春
囲碁棋士になった女の子が『どこでもドア』を作るまでの話。

冬の水葬

束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。 凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。 高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。 美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた―― けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。 ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。

処理中です...