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戦力拡充編
レスコー男爵の躍進と士官経験者
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新年のお祭り期間が終わってすぐ、ピエールさんから「商業ギルドに登録して口座を作って欲しい」と言われた。
ニコレットさん発明の化粧品類のレシピ使用料や通信用動物の賃料を支払うに当たり、口座が必要なのだという。
「必要な手続きは全てこちらで行いますが、登録だけはご本人様が窓口に行かなければなりませんので」
との事だったので、商業ギルドへ出かけることにした。
一番近い商業ギルドの支部がハンターギルドの近くらしいので、ナナさんに案内してもらおうと思ったら、セラフィン君も加わって、ついでに久々の狩りをしようとなった。
金髪イケメン姿のナナさんと、赤毛美少女姿のセラフィン君と一緒に出掛ける。
まずは商業ギルドへ行って登録作業。
紹介状を持っていたのですんなりと手続きが進み、魔力登録をしてギルド会員証を受け取った。
この会員証で自分の口座にあるお金を引き出せるし、対応するお店でならお金を持たなくても買い物できるらしい。お財布みたいなものかな、と理解した。
その後ハンターギルドに行くと、ナナさんとセラフィン君は有名人らしく、いろんな人に声を掛けられていた。
依頼を受注して、狩場へ向かう。
狩りの様子を見るのは最初に登録した時以来になる。
セラフィン君が<身体強化/視力>で遠くの獲物を探し、発見したらその視覚を霊糸通信越しに<感覚公開>でナナさんに見せる。
ナナさんはそれを頼りに弓を引き絞り矢を放った。その矢は森の木々を縫うように飛び、確実に獲物へと突き刺さった。
「スゴイ!矢がフラフラ飛んでたのにちゃんと刺さったよ」
僕が驚いていると。
「あれは念動力を矢にまとって操っている」
とナナさんが何気なく答える。
「え、念動力ってそんな使い方できたっけ?」
「練習したらできた」
いや、できるもんなのか? やっぱりナナさん、凄い人だよ。
いつもは獲物を拾いに歩いてあそこまで行くらしいのだが、今日は僕が犬の使鬼(通信用の予備)を呼びだし取りに行ってもらった。
美しい羽根を持つ鳥を念動力で持ちあげて、犬が戻ってきた。
「ん、これは便利」
「本当だね。これからも貸してもらえると助かるな」
とセラフィン君が言うので、この犬は狩猟用使鬼にチェンジしよう。
この犬も喜んでいるようだ。
「いっそのこと偽生体を作って、本当の狩猟犬にしようか?」
「あ、その方が良いかも」
ということで、帰ったらポリーヌさんに相談することになった。
その後もいくつか獲物を確保してギルドへ戻ると、その場にいたハンターたちがどよめいている。
何やら難しい獲物ばっかりだったようだ。
こりゃ、二人とも有名になるわけだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
頭を打って人柄が変わったレスコー男爵は、それまでとは打って変わって貴族の社交界に積極的に参加するようになった。
元々レスコー男爵はここペルピナルがある地方の豪族の家系であり、そのためこの地域では絶大な権力を維持してきた。しかし、独立独歩の気風が強かったため、上位貴族や周辺貴族との付き合いには代々消極的だった。
一方で、現在レスコー男爵の中身になっているコルト子爵家次男シメオンは、貴族関係の付き合いを幼少期より重視しており、現在進行形で実践しているのだった。
そんな新生レスコー男爵が、去年の終わり頃から社交界で急速に注目を集めている。
きっかけは、レスコー男爵家と親しくしている貴婦人方に、新作の化粧品を試供品として配布したことにあった。
それらの貴族家のご当主方は、奥方や母堂や姉妹(などの身内の貴婦人方)から突き上げられ、否応なくレスコー男爵家に便宜を図るようになったという。
当然、そんな奇妙な出来事は格好の噂の種になり、探りを入れようとお茶会を開いた貴婦人の家も、また同じようにレスコー男爵家へと擦り寄っていった。
今では、レスコー男爵家には次々に貢物が運び込まれ、さまざまな政治的・経済的譲歩の申し出が、まるで押し付けるかのように殺到しているという。
◇◆◇
『…というわけでして。例の”若返り化粧品”は、レスコー男爵家の戦略物資として管理させていただきたく、何卒お願い申し上げます』
とシメオンさんから報告とお願いが<伝書送信>で送られてきた。
トムさんに独占販売を許可しているので、そっちとも相談したら。
『やむを得ませんな。幸い、より良い商材である美白美容液と育毛剤がありますからな。化粧品の方は管理を受け入れましょう』
と承諾いただけた。
それからは、ダヤン商会の錬金術工房にはレスコー男爵家の私兵団が常駐して警備するようになり、生産された”若返り化粧品”はその全数がレスコー男爵の管理下に置かれた。
レシピの使用料は変わらずもらえるので、僕としてはふ~ん、て感じだった。
◇◆◇
若返り化粧品を戦略物資として確保したレスコー男爵は、それを利用して上手く立ち回り、次男坊の投獄で険悪化していたコルト子爵家との関係を改善しただけでなく、さらにその上、この領の領主であるペリゴール伯爵ともつながりを強化することに成功した。
この奇跡の化粧品が、レスコー男爵の出資する魔法研究所の成果であることは噂として広まっており、研究所の独立を維持し保護する方針には多くの貴族が賛同の意を示していた。
そして、”魔法研究所を守る貴族の会”という有志連合ができた。その中にペリゴール伯爵も名を連ねている。
というような話を、後日シメオンさんから聞いた。
これで、より上位の貴族の保護を受けるという目的がある程度達成されたと見て良いだろう。
新年になって1期節が過ぎようとする頃、屋敷前出張所のピエールさんが僕の口座に振り込まれたお金の内訳についての書類を持って来た。
アネットさんと一緒に説明を受ける。
うん、なんか見たこともない桁数の数字が並んでるね。教えて、アネットさん!
「そうですね。私が都内でメイドをしていた頃の3年分のお給金に相当する金額です」
ほわっ!ペルピナル都内のメイドならたぶん結構良いお給金のはずだ。それの3年分って!
「そして、これは去年末までの分ですから、1期節分だけですね。9期節分に換算するなら、約30年分。庶民なら一生遊んで暮らせますね」
おおぅ。これは夢かな。
「新商品が年末になって加わりましたから、今はもっと売り上げが伸びております」
とピエールさんが駄目押ししてきた。
これはもう確実に、一生安泰なだけの稼ぎを得たと言えるのでは。
わぁい、うれしいなぁ。パタリ。
僕は気絶したらしい。
庶民には刺激の強すぎる金額でした。
◇◆◇◆◇◆◇◆
以前シメオンさんに頼んでいた、監死官の部署での情報収集は少しずつではあるが成果を上げていた。
もらった情報を元に使鬼で駆け付けて<念話>で交渉すると、半々くらいの確率で使鬼になってくれた。残りは「もうゆっくり休みたい」と言ってそのまま消えることを望んだ。
今までの間に獲得できた2体の使鬼は文官向きで、それぞれ自給型偽生体を与えてシメオンさんの下へ、既に派遣している。
もの凄く喜ばれた。
トムさんに貸した通信用動物と同様、魔力貯留装置はあちらで用意してもらい、使鬼の賃貸料をいただく契約になっている。
そして、ついに待望の士官経験者が使鬼になってくれた。
名前はジルベール・モロア。かつて王国騎士団で中隊長を務めたが、負傷により引退した人物だ。
故郷に引っ込んだ後、酒におぼれ体を壊して亡くなった。もう一度戦場で活躍したいと使鬼になってくれた。
地下で保存していた犯罪者の死体からガタイの良いのを選んで戦闘用自給型偽生体にして提供した。
「ほほう。なかなか鍛えられた良い肉体ではないか。まぁ、俺の現役の頃には負けるがな。ワッハッハ!」
なかなか豪快な人みたいだ。
ジルベールさんには、うちの新旧5人衆の指揮官になってもらい、彼らの戦闘訓練と警備体制の見直しをお願いした。
「任せてくれ。ガンガン鍛えて、どんな戦場でも生き残れる部隊に仕上げてやる」
「あ、新5人衆とジルベールさんはもう死んでるので、鍛えても体は変化しませんよ」
「なにっ!くっ、筋肉をこれ以上育てられんとは。無念・・・」
すごくガッカリさせてしまったようだ。
ジルベールさんはこのうっぷんを生きている旧5人衆にぶつけたようで、彼らはドンドンとマッチョになっていった。
後日、訓練場に見学に行った。
ジルベール隊長が新旧5人衆をしごいているようだ。
「おらどうした!足が止まってるぞ!」
「踏み込みが浅い!気持ちで負けるな!」
大きな声で檄が飛ぶ。
うん。素人目でも彼らの動きが以前とは比べ物にならないほど鋭いのが分かる。
ジルベール隊長が来てくれて良かった。
そこに狩りから帰ってきたナナさん(金髪イケメン)とセラフィン君(赤毛少女)が通りかかる。
「おー、やってるね」
ナナさんがこちらにやってくる。
「お帰り。そうだ、ナナさんから見てどう?」
「うん、もう私じゃ太刀打ちできないね。強くなってる」
とナナさんがちょっと悔しそうに言った。
それを耳にしたジルベール隊長が。
「おう、兄ちゃんもどうだい。訓練に参加してみないか?あいつら程度ならすぐに追いつけるぞ」
「やる!」
「僕も!」
と二人とも食いついた。
「なんだ?魔術師の嬢ちゃんもやる気か。まぁ、魔術師も戦場に立つことがあるからな。よし、一緒に鍛えてやる」
その日から、ナナさんとセラフィン君も時間が合えば戦闘訓練に加わるようになった。
なお、ジルベール隊長が二人の正体を知るのはだいぶ先の事だった。
ニコレットさん発明の化粧品類のレシピ使用料や通信用動物の賃料を支払うに当たり、口座が必要なのだという。
「必要な手続きは全てこちらで行いますが、登録だけはご本人様が窓口に行かなければなりませんので」
との事だったので、商業ギルドへ出かけることにした。
一番近い商業ギルドの支部がハンターギルドの近くらしいので、ナナさんに案内してもらおうと思ったら、セラフィン君も加わって、ついでに久々の狩りをしようとなった。
金髪イケメン姿のナナさんと、赤毛美少女姿のセラフィン君と一緒に出掛ける。
まずは商業ギルドへ行って登録作業。
紹介状を持っていたのですんなりと手続きが進み、魔力登録をしてギルド会員証を受け取った。
この会員証で自分の口座にあるお金を引き出せるし、対応するお店でならお金を持たなくても買い物できるらしい。お財布みたいなものかな、と理解した。
その後ハンターギルドに行くと、ナナさんとセラフィン君は有名人らしく、いろんな人に声を掛けられていた。
依頼を受注して、狩場へ向かう。
狩りの様子を見るのは最初に登録した時以来になる。
セラフィン君が<身体強化/視力>で遠くの獲物を探し、発見したらその視覚を霊糸通信越しに<感覚公開>でナナさんに見せる。
ナナさんはそれを頼りに弓を引き絞り矢を放った。その矢は森の木々を縫うように飛び、確実に獲物へと突き刺さった。
「スゴイ!矢がフラフラ飛んでたのにちゃんと刺さったよ」
僕が驚いていると。
「あれは念動力を矢にまとって操っている」
とナナさんが何気なく答える。
「え、念動力ってそんな使い方できたっけ?」
「練習したらできた」
いや、できるもんなのか? やっぱりナナさん、凄い人だよ。
いつもは獲物を拾いに歩いてあそこまで行くらしいのだが、今日は僕が犬の使鬼(通信用の予備)を呼びだし取りに行ってもらった。
美しい羽根を持つ鳥を念動力で持ちあげて、犬が戻ってきた。
「ん、これは便利」
「本当だね。これからも貸してもらえると助かるな」
とセラフィン君が言うので、この犬は狩猟用使鬼にチェンジしよう。
この犬も喜んでいるようだ。
「いっそのこと偽生体を作って、本当の狩猟犬にしようか?」
「あ、その方が良いかも」
ということで、帰ったらポリーヌさんに相談することになった。
その後もいくつか獲物を確保してギルドへ戻ると、その場にいたハンターたちがどよめいている。
何やら難しい獲物ばっかりだったようだ。
こりゃ、二人とも有名になるわけだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
頭を打って人柄が変わったレスコー男爵は、それまでとは打って変わって貴族の社交界に積極的に参加するようになった。
元々レスコー男爵はここペルピナルがある地方の豪族の家系であり、そのためこの地域では絶大な権力を維持してきた。しかし、独立独歩の気風が強かったため、上位貴族や周辺貴族との付き合いには代々消極的だった。
一方で、現在レスコー男爵の中身になっているコルト子爵家次男シメオンは、貴族関係の付き合いを幼少期より重視しており、現在進行形で実践しているのだった。
そんな新生レスコー男爵が、去年の終わり頃から社交界で急速に注目を集めている。
きっかけは、レスコー男爵家と親しくしている貴婦人方に、新作の化粧品を試供品として配布したことにあった。
それらの貴族家のご当主方は、奥方や母堂や姉妹(などの身内の貴婦人方)から突き上げられ、否応なくレスコー男爵家に便宜を図るようになったという。
当然、そんな奇妙な出来事は格好の噂の種になり、探りを入れようとお茶会を開いた貴婦人の家も、また同じようにレスコー男爵家へと擦り寄っていった。
今では、レスコー男爵家には次々に貢物が運び込まれ、さまざまな政治的・経済的譲歩の申し出が、まるで押し付けるかのように殺到しているという。
◇◆◇
『…というわけでして。例の”若返り化粧品”は、レスコー男爵家の戦略物資として管理させていただきたく、何卒お願い申し上げます』
とシメオンさんから報告とお願いが<伝書送信>で送られてきた。
トムさんに独占販売を許可しているので、そっちとも相談したら。
『やむを得ませんな。幸い、より良い商材である美白美容液と育毛剤がありますからな。化粧品の方は管理を受け入れましょう』
と承諾いただけた。
それからは、ダヤン商会の錬金術工房にはレスコー男爵家の私兵団が常駐して警備するようになり、生産された”若返り化粧品”はその全数がレスコー男爵の管理下に置かれた。
レシピの使用料は変わらずもらえるので、僕としてはふ~ん、て感じだった。
◇◆◇
若返り化粧品を戦略物資として確保したレスコー男爵は、それを利用して上手く立ち回り、次男坊の投獄で険悪化していたコルト子爵家との関係を改善しただけでなく、さらにその上、この領の領主であるペリゴール伯爵ともつながりを強化することに成功した。
この奇跡の化粧品が、レスコー男爵の出資する魔法研究所の成果であることは噂として広まっており、研究所の独立を維持し保護する方針には多くの貴族が賛同の意を示していた。
そして、”魔法研究所を守る貴族の会”という有志連合ができた。その中にペリゴール伯爵も名を連ねている。
というような話を、後日シメオンさんから聞いた。
これで、より上位の貴族の保護を受けるという目的がある程度達成されたと見て良いだろう。
新年になって1期節が過ぎようとする頃、屋敷前出張所のピエールさんが僕の口座に振り込まれたお金の内訳についての書類を持って来た。
アネットさんと一緒に説明を受ける。
うん、なんか見たこともない桁数の数字が並んでるね。教えて、アネットさん!
「そうですね。私が都内でメイドをしていた頃の3年分のお給金に相当する金額です」
ほわっ!ペルピナル都内のメイドならたぶん結構良いお給金のはずだ。それの3年分って!
「そして、これは去年末までの分ですから、1期節分だけですね。9期節分に換算するなら、約30年分。庶民なら一生遊んで暮らせますね」
おおぅ。これは夢かな。
「新商品が年末になって加わりましたから、今はもっと売り上げが伸びております」
とピエールさんが駄目押ししてきた。
これはもう確実に、一生安泰なだけの稼ぎを得たと言えるのでは。
わぁい、うれしいなぁ。パタリ。
僕は気絶したらしい。
庶民には刺激の強すぎる金額でした。
◇◆◇◆◇◆◇◆
以前シメオンさんに頼んでいた、監死官の部署での情報収集は少しずつではあるが成果を上げていた。
もらった情報を元に使鬼で駆け付けて<念話>で交渉すると、半々くらいの確率で使鬼になってくれた。残りは「もうゆっくり休みたい」と言ってそのまま消えることを望んだ。
今までの間に獲得できた2体の使鬼は文官向きで、それぞれ自給型偽生体を与えてシメオンさんの下へ、既に派遣している。
もの凄く喜ばれた。
トムさんに貸した通信用動物と同様、魔力貯留装置はあちらで用意してもらい、使鬼の賃貸料をいただく契約になっている。
そして、ついに待望の士官経験者が使鬼になってくれた。
名前はジルベール・モロア。かつて王国騎士団で中隊長を務めたが、負傷により引退した人物だ。
故郷に引っ込んだ後、酒におぼれ体を壊して亡くなった。もう一度戦場で活躍したいと使鬼になってくれた。
地下で保存していた犯罪者の死体からガタイの良いのを選んで戦闘用自給型偽生体にして提供した。
「ほほう。なかなか鍛えられた良い肉体ではないか。まぁ、俺の現役の頃には負けるがな。ワッハッハ!」
なかなか豪快な人みたいだ。
ジルベールさんには、うちの新旧5人衆の指揮官になってもらい、彼らの戦闘訓練と警備体制の見直しをお願いした。
「任せてくれ。ガンガン鍛えて、どんな戦場でも生き残れる部隊に仕上げてやる」
「あ、新5人衆とジルベールさんはもう死んでるので、鍛えても体は変化しませんよ」
「なにっ!くっ、筋肉をこれ以上育てられんとは。無念・・・」
すごくガッカリさせてしまったようだ。
ジルベールさんはこのうっぷんを生きている旧5人衆にぶつけたようで、彼らはドンドンとマッチョになっていった。
後日、訓練場に見学に行った。
ジルベール隊長が新旧5人衆をしごいているようだ。
「おらどうした!足が止まってるぞ!」
「踏み込みが浅い!気持ちで負けるな!」
大きな声で檄が飛ぶ。
うん。素人目でも彼らの動きが以前とは比べ物にならないほど鋭いのが分かる。
ジルベール隊長が来てくれて良かった。
そこに狩りから帰ってきたナナさん(金髪イケメン)とセラフィン君(赤毛少女)が通りかかる。
「おー、やってるね」
ナナさんがこちらにやってくる。
「お帰り。そうだ、ナナさんから見てどう?」
「うん、もう私じゃ太刀打ちできないね。強くなってる」
とナナさんがちょっと悔しそうに言った。
それを耳にしたジルベール隊長が。
「おう、兄ちゃんもどうだい。訓練に参加してみないか?あいつら程度ならすぐに追いつけるぞ」
「やる!」
「僕も!」
と二人とも食いついた。
「なんだ?魔術師の嬢ちゃんもやる気か。まぁ、魔術師も戦場に立つことがあるからな。よし、一緒に鍛えてやる」
その日から、ナナさんとセラフィン君も時間が合えば戦闘訓練に加わるようになった。
なお、ジルベール隊長が二人の正体を知るのはだいぶ先の事だった。
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