隣の夜は青い

No.26

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大人の宿泊カラオケ会

05 ※R18

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   ☆☆☆

 淡いピンクのライトが光る、ラブホの寝室。俺と一芽はバスローブ姿で、ベッドに腰を下ろしていた。
 そして……その傍のソファでは、浦瀬がこちらに視線を向けたままくつろいでいる。

「いや、何この状況?!」

 異様な光景に、一芽が叫んだ。
 浦瀬はソファの肘掛けに身体を傾け、ニヤリと笑い、

「ほら、メジ。早く先生と『仲良し』な証拠、見せてよ」
「俺たちが相思相愛だってこと、浦瀬にわかってもらうんだろ?」

 そう言って一芽のバスローブに指を滑らせると、一芽は激しく首を横に振った。

「で、できないよ、誰かに見られながらとか……!」

 そう反論する彼を後ろからするりと抱きかかえ、耳元で囁く。

「本当に?その割には興奮してるみたいだけど」
「んっ…?!」

 不意に一芽の前を指で撫でると、ビクッと反応する。服越しにわかるそれは、ゆるく芯を持っていた。

「ん…っ、だめ、だって…ッ」

 バスローブの隙間に手を入れ、直でその突起に触れながら、首に唇を這わせる。
 だんだんと一芽の力が抜けていくとともに、俺の手がぬるぬるとした液体で濡れていった。
 その液体をなじませて、後ろに指を入れようとすると、一芽は我に帰って慌てたように俺の手首を掴んだ。

「う、うしろはヤダ、キラくんの前で…っ」
「わがまま言わない、ちゃんとほぐさないと」

 入り口を指の腹でトントンと叩くと、俺の手を掴む力が緩む。その隙を見て、中に人差し指を入れた。
 そうしていつものように中を掻き回すと、一芽の膝がびくびくと痙攣する。

「っう、ぁ、ん…っ」
「へえ、そんなにすんなり入るもんなんですね」

 一連の流れを見ていた浦瀬が、感心したようにそう呟く。
 俺は浦瀬にニヤッと笑い、

「一芽が自分で開発したから。ほら、二本だって余裕」
「や、やだ、見せないでってば……!!」

 股を開いて見せると、一芽は真っ赤になって足を閉じようとする。
 けれど俺は、そうやって抵抗されるほど虐めたくなる。浦瀬が聞いているのを知って、わざと声を張って言った。

「ちゃんと相方に教えた方がいいだろ? お前が、自分から中を開発するような変態だって」
「っ~~……そ、それなら聞いてよキラくん、せーちゃんってほんとは、ッあ…!!」

 話している途中で、深いところに指を入れて前立腺を押し上げると、一芽は一際大きな声を上げた。

「っ、ひぃ、っあ、やめぇっ…!」
「ほら浦瀬、わかるか?前立腺って極限まで開発すると、ここまで性感帯として機能するんだよ」
「勉強になります、先生」

 浦瀬はクスリと笑って、俺たちの前戯を面白そうに眺めている。

「も……やだ、恥ずかしすぎる…っ、おかしくなっちゃう…!!」

 そう言って涙目になる一芽に、俺の中の加虐心が限界を突破して、理性の糸がぶつりと切れた。

「は? 気持ちいいの間違いだろ? この淫乱」

 無理矢理一芽をベッドに押し倒し、上に乗る。
 ローションを自分自身に馴染ませて、彼の腰を引き寄せ、さらに深い行為を始めた。

「っ~~~!!!」
「口押さえたらダメ。相方に聴かせてやれよ、お前のおかしい声」
「っぁ、あ、やだ、聞かないでぇ、キラくんっ、あ、ぁあ…!!」
「へえ、メジ、そんな色気ある高音も出せるんだ。じゃあもっと高音の曲作ろうかな」

 浦瀬も空気を読んで、俺たちの行為を煽る。
 俺は一芽がされて気持ちいいことなんて、もう完全に知り尽くしてる。彼の腰を掴んで、中を抉るようにゆっくり揺さぶると、一芽は俺のバスローブを強く掴み、こっちを見つめた。

「そ、それ、すぐ、イっ、イっちゃう、から、止めてぇっ……!!」
「んー、やだ。ちゃんと我慢して」
「っ~~~!!」

 一芽の前の先をわざと強く掴み、イきづらくすると、一芽は苦痛そうに顔を歪ませる。けれどその目は欲に溺れていた。

「いい顔」

 そう呟いて、さらに彼に体重を乗せた。



「はあ、はぁっ、はぁー……」

 一芽を散々喘がせ、イかせたあと。
 濡れたシーツの上で息を整えている一芽をよそに、俺は相変わらず浦瀬に聞いた。

「浦瀬、これで俺たちのことがわかった?」
「はい、それはもう」

 浦瀬はにっこり笑顔を浮かべ、俺に言った。

「先生が恋人の泣き顔と悲鳴に興奮するドドドSだってことがわかりました」
「………え?いや俺はノーマルだけど?」
「今更何言ってるんですか?メジをいじめてめちゃくちゃ興奮してましたよね?」
「いやいや、今日はそんな虐めてないだろ」
「今日『は』? これで? へぇ……」

 墓穴を掘り続けていることに気づいて、思わず黙る。

「っ、だよね、せーちゃんめっっっちゃドSだよね?!」

 息を整えた一芽は、起き上がって浦瀬に同調する。
 しかし、浦瀬は首を傾げ、

「一芽も相当Mだと思うけど?」
「え……?い、いや、オレこそノーマルだよ?!」
「ボクに見られながら無理やり先生に犯されて、少しも興奮しなかったって言えるのか?」

 浦瀬にそう言われ、一芽は目を泳がせる。

「っ~~……そ、それは、その……正直……結構…………」
「ほらね。まあ、ボクはもうやりたくないけど」

 そんな会話をしていると、ガチャリとバスルームの扉が開く。
 中に避難していた面屋がこちらの様子を伺っていた。

「お、終わった……?大丈夫?メジくん……」
「ゾムくん、こんな変なことにつき合わせちゃってごめんね」

 そう申し訳なさそうにいう一芽に、面屋は気まずそうに呟いた。

「……メジくんの声、風呂場まで聞こえててすごかった」
「っ~~~~!!!」


 こうして、一夜にして俺たちの結束は深まることになった。
 過程は倫理観ゼロだが。





「けどさ、俺たちのバンドって、ボーカルとギターとシンセサイザーとドラムだろ」

 翌朝。朝食を食べに行ったファミレスの席で、俺は疑問に思っていたことを浦瀬に聞いた。

「ベースパートってどうするんだ?」
「それは、ボクがシンセでベースの音を作るので大丈夫です。……って言いたいところなんですけど、やっぱりいないとおかしいですか?」

 浦瀬はコーヒーを飲みながら、そう俺に聞き返した。一芽と面屋はパンを食べながら、黙ってやりとりを見ている。

「うーん、音の作りのことはよくわかんないけど……実際俺が軽音部にいたとき、ベースの音があるのとないのとじゃ結構違うなって思った」
「……そうですか……」

 浦瀬は少し唸って、そして諦めたように天井を見つめた。

「やっぱり頼るしかないか、あいつを」



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