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玩具選び
二、
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「今日はこれを試すよ」
天蓋付きの、広い寝台の上。その日の天藍は、アナルビーズを取り出した。
色は鮮やかなピンク。柔らかい素材の玉が十個、間隔を開けて連なっている。奥に入れるにつれ、玉が大きくなっていくような仕様だ。
正直なところ、天藍も策が尽きていた。これで感じてくれなかったら、蝶に玩具を試すのはやめようと考えていた。
蝶は裸で仰向けに寝たまま、アナルビーズを見て、不思議そうに首を傾げた。
「どう使う道具ですか?」
「はじめて見る? なら、使ってみた方が早いね」
天藍はそう言って、その凸凹にローションをつける。
そして、蝶のその柔らかい穴に、一つ目のビーズを挿れた。
「っ?!」
蝶は目を見開いた。
そのままま、つぷっ、つぷっと、中にビーズがどんどん飲み込まれていく。
蝶は慌てて、天藍の肩を掴んだ。
「なっ、ど、どこに入れてるんですか?!抜いてください!」
「うん、いいよ」
そして、五つ目まで中に入ったビーズを、天藍は全て引き抜いた。
ずぷずぷずぷずぷっ
「あああッッ?!」
その瞬間、蝶は目を大きく見開き、天藍が聞いたことのないような高い声を上げた。
「はーっ、はーっ、はーっ……」
惚けた顔で、まだその余韻にびくびくと身体を痙攣させる蝶に、天藍は少し驚く。
「蝶?」
「……っ」
蝶は自分でも初めて聞いた声に呆然とし、そして羞恥で顔を真っ赤にさせた。
天藍は、『やっと見つけた』、と思った。
「へえ……蝶はコレが好きなんだ?」
そう言って、天藍はローションの滴るビーズを見せ、首を傾げる。
「もっと挿れて欲しい?」
「………………」
既にピンと芯を持った蝶の自身が、ぴくりと反応する。蝶は物欲しそうに、ゴクリと唾を飲んだ。
「どうなんだい?」
そう聞かれて蝶は、真っ赤に染めた顔を思いっきり逸らし、
「い……挿れたいなら、挿れればいいんじゃないですか?」
「ふふ、素直じゃないなあ。……じゃあ、挿れさせてもらうね」
今度は、二つ目から五つ目までのビーズを、ゆっくりと出し入れする。
「ひぃ、あっ、あ"ーっ!!」
蝶は途端に気持ち良さで半狂乱になりながら、喘ぎ出した。
「蝶、どんな感じかな?」
「ああっ、はあっ、あ、」
もはや天藍の声も聞こえないほど、蝶は強い快感に支配されている。
天藍は見かねて、一度動かすのをやめた。
「蝶?」
「はあっ、はーっ……い、今までの道具で、これが一番、良いです。苦しくも痛くもないですし……」
蝶は息を整えてそう告げ、そして続きをして欲しいと、訴えるような目で天藍を見つめる。
天藍は満足げに微笑み、また抜き差しを再開した。
「あ、アッ、ああッ、やっ、」
そうして暫く蝶の反応を見て、天藍は気付いた。
「なるほどね、抜かれるときが気持ちいんだ?」
味をしめた天藍に、素早く抜かれたり、ゆっくりと時間をかけて抜かれたりを何度も繰り返され、蝶はあまりの快楽に、その理性が完全に崩壊した。
「はあっ、はああっ、だんなさま、それ、もっと、」
「……ん? もっと……何だい?」
蝶は腰を揺らしながら、天藍の肩に手を回し、
「も、もっと……玉を、たくさん……っ」
「ああ……全部入れて、ってことか。苦しくないかな?」
天藍はそう言いながら、直径が三センチはある一番大きな十つ目のビーズまで、全てを蝶の中に入れた。
「あ"うっ」
直腸を圧迫された蝶は、苦しそうな声を漏らす。
そうして、天藍が十つ目のビーズから六つ目のビーズまでで、ぬぷぬぷと出し入れを繰り返し始めると、蝶は喘ぎながらも、どこかもどかしそうに首を横に振った。
「あ、あの、っそれを、最初、みたく……っ」
「最初?」
天藍の言葉に、蝶はこくこくと頷く。
そして、天藍は蝶が求めていることに、ようやく気づいた。
「こうかい?」
天藍は、十つ目まで入れたビーズを、ゆっくりと、一度に全て引き抜いた。
「あああ"ーッッ!!!」
蝶はついに絶頂を迎え、どくりと白濁色の液体を漏らした。
「はーっ、はーっ、はあっ……」
ビクビクと身体をのけぞらせ、快楽のあまり涙を溢す蝶を見て、天藍はクスクス笑う。
蝶は息を切らしながら、天藍を睨みつけた。
「なっ、何笑ってるんですか!」
「いやあ、可愛くてつい」
そう楽しそうに言って、しかし天藍は真剣な顔でビーズを見つめた。
「けど、この道具は使い過ぎるとちょっとまずいね。ハマると、恐らく普通のセックスでイけなくなるよ」
「……まあ、確かに……」
蝶はそう呟き、しかし天藍の手元のビーズをまだ物欲しそうに見つめる。
「うん。今日はこの辺にしておこうか」
その言葉を聞いて、蝶は目を瞬かせて天藍を見つめた。
「へえ……旦那様は、私が別の方と普通のセックスをしてもいいと考えていらっしゃるんですか」
そう煽るように言った蝶を、天藍は見つめ返し、そして口角を上げた。
「……本当に、君は最高だよ」
天藍は、蝶に見せつけるようにビーズを指でなぞり、
「じゃあ、この道具でしかイけない身体にしてあげる」
それから天藍は蝶をうつ伏せになるよう押し倒し、何度もビーズを入れ、そして抜いた。
蝶はまた強い快感に溺れ、精液を垂れ流し、声が枯れるまで啼き続けた。
「お"は……んんっ、おはようございます、旦那さま」
「おはよう。……声、大丈夫?」
翌朝、九時前。昨夜の出来事で蝶はまだ声が枯れていた。
「……誰のせいだと……」
「ん? 僕、喘いで欲しいなんて言ってないよ。勝手に喘いでたのは君だよね?」
天藍がそう指摘すると、蝶は少し顔を赤く染め俯いた。
「ところでさ、昨日のアレ、君の身体にすごく合ってたよね」
「……旦那様、もう勤務時間が始まります」
「少し聞いてよ。だから今度、同じ種類でもっと上級者向けのものを届けてもらおうと思うんだけど」
そう天藍は言って、カタログを開き、蝶に見せた。
「この、玉がたくさんついてるものと、玉に凹凸がついてるもの、どっちが良いかな?」
蝶はその実物の写真を見て、そしてそれが昨夜のように抜かれることを想像して、ゴクリと唾を飲んだ。
そして蝶は迷った後、頬を赤くさせて天藍を見つめて言った。
「どちらも……は、だめでしょうか。それか、たくさん玉がついていて、凹凸がある道具はないのですか?」
「なるほど……いいアイデアだね。じゃあ、鳳梨さんにそう提案してみるよ」
天藍は感心したように言って、蝶のその細い腰に手を当て、そして服の上からその割れ目を指でするりと撫でた。
「作ってもらえると良いね」
「………………」
蝶は何も答えなかったが、天藍の指の下にあるその穴は期待で疼いていた。
天蓋付きの、広い寝台の上。その日の天藍は、アナルビーズを取り出した。
色は鮮やかなピンク。柔らかい素材の玉が十個、間隔を開けて連なっている。奥に入れるにつれ、玉が大きくなっていくような仕様だ。
正直なところ、天藍も策が尽きていた。これで感じてくれなかったら、蝶に玩具を試すのはやめようと考えていた。
蝶は裸で仰向けに寝たまま、アナルビーズを見て、不思議そうに首を傾げた。
「どう使う道具ですか?」
「はじめて見る? なら、使ってみた方が早いね」
天藍はそう言って、その凸凹にローションをつける。
そして、蝶のその柔らかい穴に、一つ目のビーズを挿れた。
「っ?!」
蝶は目を見開いた。
そのままま、つぷっ、つぷっと、中にビーズがどんどん飲み込まれていく。
蝶は慌てて、天藍の肩を掴んだ。
「なっ、ど、どこに入れてるんですか?!抜いてください!」
「うん、いいよ」
そして、五つ目まで中に入ったビーズを、天藍は全て引き抜いた。
ずぷずぷずぷずぷっ
「あああッッ?!」
その瞬間、蝶は目を大きく見開き、天藍が聞いたことのないような高い声を上げた。
「はーっ、はーっ、はーっ……」
惚けた顔で、まだその余韻にびくびくと身体を痙攣させる蝶に、天藍は少し驚く。
「蝶?」
「……っ」
蝶は自分でも初めて聞いた声に呆然とし、そして羞恥で顔を真っ赤にさせた。
天藍は、『やっと見つけた』、と思った。
「へえ……蝶はコレが好きなんだ?」
そう言って、天藍はローションの滴るビーズを見せ、首を傾げる。
「もっと挿れて欲しい?」
「………………」
既にピンと芯を持った蝶の自身が、ぴくりと反応する。蝶は物欲しそうに、ゴクリと唾を飲んだ。
「どうなんだい?」
そう聞かれて蝶は、真っ赤に染めた顔を思いっきり逸らし、
「い……挿れたいなら、挿れればいいんじゃないですか?」
「ふふ、素直じゃないなあ。……じゃあ、挿れさせてもらうね」
今度は、二つ目から五つ目までのビーズを、ゆっくりと出し入れする。
「ひぃ、あっ、あ"ーっ!!」
蝶は途端に気持ち良さで半狂乱になりながら、喘ぎ出した。
「蝶、どんな感じかな?」
「ああっ、はあっ、あ、」
もはや天藍の声も聞こえないほど、蝶は強い快感に支配されている。
天藍は見かねて、一度動かすのをやめた。
「蝶?」
「はあっ、はーっ……い、今までの道具で、これが一番、良いです。苦しくも痛くもないですし……」
蝶は息を整えてそう告げ、そして続きをして欲しいと、訴えるような目で天藍を見つめる。
天藍は満足げに微笑み、また抜き差しを再開した。
「あ、アッ、ああッ、やっ、」
そうして暫く蝶の反応を見て、天藍は気付いた。
「なるほどね、抜かれるときが気持ちいんだ?」
味をしめた天藍に、素早く抜かれたり、ゆっくりと時間をかけて抜かれたりを何度も繰り返され、蝶はあまりの快楽に、その理性が完全に崩壊した。
「はあっ、はああっ、だんなさま、それ、もっと、」
「……ん? もっと……何だい?」
蝶は腰を揺らしながら、天藍の肩に手を回し、
「も、もっと……玉を、たくさん……っ」
「ああ……全部入れて、ってことか。苦しくないかな?」
天藍はそう言いながら、直径が三センチはある一番大きな十つ目のビーズまで、全てを蝶の中に入れた。
「あ"うっ」
直腸を圧迫された蝶は、苦しそうな声を漏らす。
そうして、天藍が十つ目のビーズから六つ目のビーズまでで、ぬぷぬぷと出し入れを繰り返し始めると、蝶は喘ぎながらも、どこかもどかしそうに首を横に振った。
「あ、あの、っそれを、最初、みたく……っ」
「最初?」
天藍の言葉に、蝶はこくこくと頷く。
そして、天藍は蝶が求めていることに、ようやく気づいた。
「こうかい?」
天藍は、十つ目まで入れたビーズを、ゆっくりと、一度に全て引き抜いた。
「あああ"ーッッ!!!」
蝶はついに絶頂を迎え、どくりと白濁色の液体を漏らした。
「はーっ、はーっ、はあっ……」
ビクビクと身体をのけぞらせ、快楽のあまり涙を溢す蝶を見て、天藍はクスクス笑う。
蝶は息を切らしながら、天藍を睨みつけた。
「なっ、何笑ってるんですか!」
「いやあ、可愛くてつい」
そう楽しそうに言って、しかし天藍は真剣な顔でビーズを見つめた。
「けど、この道具は使い過ぎるとちょっとまずいね。ハマると、恐らく普通のセックスでイけなくなるよ」
「……まあ、確かに……」
蝶はそう呟き、しかし天藍の手元のビーズをまだ物欲しそうに見つめる。
「うん。今日はこの辺にしておこうか」
その言葉を聞いて、蝶は目を瞬かせて天藍を見つめた。
「へえ……旦那様は、私が別の方と普通のセックスをしてもいいと考えていらっしゃるんですか」
そう煽るように言った蝶を、天藍は見つめ返し、そして口角を上げた。
「……本当に、君は最高だよ」
天藍は、蝶に見せつけるようにビーズを指でなぞり、
「じゃあ、この道具でしかイけない身体にしてあげる」
それから天藍は蝶をうつ伏せになるよう押し倒し、何度もビーズを入れ、そして抜いた。
蝶はまた強い快感に溺れ、精液を垂れ流し、声が枯れるまで啼き続けた。
「お"は……んんっ、おはようございます、旦那さま」
「おはよう。……声、大丈夫?」
翌朝、九時前。昨夜の出来事で蝶はまだ声が枯れていた。
「……誰のせいだと……」
「ん? 僕、喘いで欲しいなんて言ってないよ。勝手に喘いでたのは君だよね?」
天藍がそう指摘すると、蝶は少し顔を赤く染め俯いた。
「ところでさ、昨日のアレ、君の身体にすごく合ってたよね」
「……旦那様、もう勤務時間が始まります」
「少し聞いてよ。だから今度、同じ種類でもっと上級者向けのものを届けてもらおうと思うんだけど」
そう天藍は言って、カタログを開き、蝶に見せた。
「この、玉がたくさんついてるものと、玉に凹凸がついてるもの、どっちが良いかな?」
蝶はその実物の写真を見て、そしてそれが昨夜のように抜かれることを想像して、ゴクリと唾を飲んだ。
そして蝶は迷った後、頬を赤くさせて天藍を見つめて言った。
「どちらも……は、だめでしょうか。それか、たくさん玉がついていて、凹凸がある道具はないのですか?」
「なるほど……いいアイデアだね。じゃあ、鳳梨さんにそう提案してみるよ」
天藍は感心したように言って、蝶のその細い腰に手を当て、そして服の上からその割れ目を指でするりと撫でた。
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「………………」
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