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episode2 毎日診察が必要です
02
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「あ、あっ、ソコ…ッ、」
ローションをつけた二本の指を、宙の後ろに出し入れする。宙は仰向けで、頬を赤らめて息を浅くしながら、気持ち良さそうに身を捩った。
明るい性格の日中とは打って変わって、ベッドの上では淫らな姿になる彼に、思わずため息をこぼす。
「宙、本当にエロいこと好きだよなあ……」
「そ、そんなことないってばっ!!!」
そう反論する宙が面白くて、ニヤニヤしながら一度指を抜いた。
「なあ、本当に、俺がいない間相手作ってなかったのか?」
宙は性欲がかなり強い方だと、俺は何となく気づいてる。
高校生のときも、宙の方から誘ってくることが多かった。
初めは宙の方が恋愛経験があるから、俺に教えてくれているのだと思っていたけど、それだけじゃないということはだんだん理解してきた。
だから、四年間も誰とも性交渉してないのは、宙にとって苦しいことだと思ったんだけど。
行為を止められること予想外がだったのか、宙は戸惑いがちに答える。
「作ってないよ! だって、蒼もがんばってるなら、オレも真面目に生きようと思ったし……そりゃまあ、寂しいときもあったけど」
「ふうん。寂しいときは、一人で? オナってた?」
「…………べ、別にいいだろ、そんなこと! ………っ、……ねえ、」
そう会話していたけれど、宙は俺の手を掴んで股の方に引き寄せた。
「は、早く……っ、ここ……」
そう言って俺を見つめる宙の目の奥に、熱い欲が揺らめいている。
けれど、意地悪したくなって、わざと手を動かさずに言った。
「宙が一人でシてるとこ、見たいなあー?」
「ばっ、馬鹿なこと、言うなってば」
「シてみてよ。今、後ろ弄りたくてしょうがないだろ?」
「ッ……」
そう言ってニヤッと笑うと、宙は我慢できないと言った表情で、
「だ、だから、こう……っ」
俺に見えるように、自分の指を三本入れる。そのまま出し入れしだす。
途端に、とろけた表情になった。
「っ、はあ……」
「気持ちいい?」
「ん…っ……」
聞くと、宙はなんとも言えない表情で、俺を見つめた。
「どう?」
「……、う……」
もう一度聞くと、宙はぽろぽろ涙が溢し始めた。
「もう、やだぁ……」
「ごめんごめん! 意地悪しすぎた。止めていいから」
「ち、違う、」
泣いている様子も可愛いと思っていたら、宙は首をふるふると横に振った。
「足りない」
「え?」
宙は、俺を見上げて言った。
「自分の指だけじゃ、全然気持ち良くない、足りない、おかしくなりそう…ッ」
「……え??」
そう言って宙は、俺の首に手を回した。
「早く、蒼の、挿れて…! 奥まで、突いて、お願い……!」
そんなことを言われて、理性を保てるわけがなかった。
――朝の五時。アラームで目が覚める。
カーテンを開けると、夜明けの光が見えた。
「宙、宙、起きて」
身支度のために、寝ている宙に呼びかけると、宙は何度目かで目を開けた。
昨夜、あのあと宙は完全に理性を失って、何度もイった後、そのまま意識も失った。
俺も疲れていたから、アラームだけかけて、そのまま寝た。
お互い、かろうじてシャツだけは着ている。
「あ……おはよ」
「おはよう」
まだ寝ぼけている宙に、とりあえず水の入ったコップを渡す。宙は起き上がって、受け取った。
「昨夜のこと、覚えてる?」
大人しく水を飲んでいた宙にそう聞くと、宙は咳き込み、急に覚醒して話しだした。
「あッ、あれは、ちょっと溜まってただけだしプレイの一環みたいなところあるし本音じゃないし?! この間蒼と久しぶりにセックスしたから何か色々火がついちゃったっていうか止まんなくなっちゃったっていうかその」
「いや、えっと、その話じゃなくて、夕飯食べてないよな?」
「え…………あ、う、ん。食べてないよ」
……間。
外で鳥が鳴く声が聞こえた。
「……いや、宙のその話も気になる。後ろで自分の指じゃイけないってことはさ、」
話を戻して、たった今思いついたことを、聞いた。
「なんか、道具使ってる?」
「…………た、たまに……」
宙はそう答えて、目をそらす。
……その感じだと、『たまに』じゃなさそうだけども。
「へえ、ディルドとか? 面白そう。今度持ってきてよ」
「……捨てたからない」
「嘘つくなって」
「…………それより、ご飯どうするの?」
思いっきり話をそらされた。
宙は微笑んで、
「外に食べに行かない? 朝マックとか。今期間限定で安くなってるじゃん」
「あ、それいいな。とりあえず、風呂行くか」
「うん。蒼が先でいいよ」
「えー、なんでだよ、一緒に入ろう」
そう言って宙によりかかると、宙は俺を避けて、こう言った。
その頬は、少し赤い。
「いや……一緒に入ると、またシたくなっちゃいそうだし……」
「…………」
思わず宙を凝視する。
……いや、昨日、あれだけシたのに???
ローションをつけた二本の指を、宙の後ろに出し入れする。宙は仰向けで、頬を赤らめて息を浅くしながら、気持ち良さそうに身を捩った。
明るい性格の日中とは打って変わって、ベッドの上では淫らな姿になる彼に、思わずため息をこぼす。
「宙、本当にエロいこと好きだよなあ……」
「そ、そんなことないってばっ!!!」
そう反論する宙が面白くて、ニヤニヤしながら一度指を抜いた。
「なあ、本当に、俺がいない間相手作ってなかったのか?」
宙は性欲がかなり強い方だと、俺は何となく気づいてる。
高校生のときも、宙の方から誘ってくることが多かった。
初めは宙の方が恋愛経験があるから、俺に教えてくれているのだと思っていたけど、それだけじゃないということはだんだん理解してきた。
だから、四年間も誰とも性交渉してないのは、宙にとって苦しいことだと思ったんだけど。
行為を止められること予想外がだったのか、宙は戸惑いがちに答える。
「作ってないよ! だって、蒼もがんばってるなら、オレも真面目に生きようと思ったし……そりゃまあ、寂しいときもあったけど」
「ふうん。寂しいときは、一人で? オナってた?」
「…………べ、別にいいだろ、そんなこと! ………っ、……ねえ、」
そう会話していたけれど、宙は俺の手を掴んで股の方に引き寄せた。
「は、早く……っ、ここ……」
そう言って俺を見つめる宙の目の奥に、熱い欲が揺らめいている。
けれど、意地悪したくなって、わざと手を動かさずに言った。
「宙が一人でシてるとこ、見たいなあー?」
「ばっ、馬鹿なこと、言うなってば」
「シてみてよ。今、後ろ弄りたくてしょうがないだろ?」
「ッ……」
そう言ってニヤッと笑うと、宙は我慢できないと言った表情で、
「だ、だから、こう……っ」
俺に見えるように、自分の指を三本入れる。そのまま出し入れしだす。
途端に、とろけた表情になった。
「っ、はあ……」
「気持ちいい?」
「ん…っ……」
聞くと、宙はなんとも言えない表情で、俺を見つめた。
「どう?」
「……、う……」
もう一度聞くと、宙はぽろぽろ涙が溢し始めた。
「もう、やだぁ……」
「ごめんごめん! 意地悪しすぎた。止めていいから」
「ち、違う、」
泣いている様子も可愛いと思っていたら、宙は首をふるふると横に振った。
「足りない」
「え?」
宙は、俺を見上げて言った。
「自分の指だけじゃ、全然気持ち良くない、足りない、おかしくなりそう…ッ」
「……え??」
そう言って宙は、俺の首に手を回した。
「早く、蒼の、挿れて…! 奥まで、突いて、お願い……!」
そんなことを言われて、理性を保てるわけがなかった。
――朝の五時。アラームで目が覚める。
カーテンを開けると、夜明けの光が見えた。
「宙、宙、起きて」
身支度のために、寝ている宙に呼びかけると、宙は何度目かで目を開けた。
昨夜、あのあと宙は完全に理性を失って、何度もイった後、そのまま意識も失った。
俺も疲れていたから、アラームだけかけて、そのまま寝た。
お互い、かろうじてシャツだけは着ている。
「あ……おはよ」
「おはよう」
まだ寝ぼけている宙に、とりあえず水の入ったコップを渡す。宙は起き上がって、受け取った。
「昨夜のこと、覚えてる?」
大人しく水を飲んでいた宙にそう聞くと、宙は咳き込み、急に覚醒して話しだした。
「あッ、あれは、ちょっと溜まってただけだしプレイの一環みたいなところあるし本音じゃないし?! この間蒼と久しぶりにセックスしたから何か色々火がついちゃったっていうか止まんなくなっちゃったっていうかその」
「いや、えっと、その話じゃなくて、夕飯食べてないよな?」
「え…………あ、う、ん。食べてないよ」
……間。
外で鳥が鳴く声が聞こえた。
「……いや、宙のその話も気になる。後ろで自分の指じゃイけないってことはさ、」
話を戻して、たった今思いついたことを、聞いた。
「なんか、道具使ってる?」
「…………た、たまに……」
宙はそう答えて、目をそらす。
……その感じだと、『たまに』じゃなさそうだけども。
「へえ、ディルドとか? 面白そう。今度持ってきてよ」
「……捨てたからない」
「嘘つくなって」
「…………それより、ご飯どうするの?」
思いっきり話をそらされた。
宙は微笑んで、
「外に食べに行かない? 朝マックとか。今期間限定で安くなってるじゃん」
「あ、それいいな。とりあえず、風呂行くか」
「うん。蒼が先でいいよ」
「えー、なんでだよ、一緒に入ろう」
そう言って宙によりかかると、宙は俺を避けて、こう言った。
その頬は、少し赤い。
「いや……一緒に入ると、またシたくなっちゃいそうだし……」
「…………」
思わず宙を凝視する。
……いや、昨日、あれだけシたのに???
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