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子どもサンド
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喉の渇きを感じ置いてあったコップに手を伸ばそうとすれば、口を尖らせ見るからに不機嫌ですとばかりの翔と目があった。
「まーま、めーの」
それほど動いたわけではないのだが、その小さな動きさえ膝に乗っていた翔には気に食わなかったらしい。
「ごめんね。ママ喉が渇いちゃったんです。翔もずっとくっついてたから暑いでしょ?少しお水を飲みましょうか」
「ん」
それまでの不機嫌はどこへやら、コップを差し出せばゴクゴクと勢いよく飲む姿にやはりかなり喉が渇いていたようだと苦笑いする。
帰宅した当初は拗ねて「まーまきらい」とも言っていたのに、今は膝から下りることもせず、ずっと縁のお腹に抱き付き離れないでいた。
「ママできた!」
「……うん、上手に書けましたね。じゃあパパに見せにいっておいで。パパのお名前上手に書けたよって」
「うん。パパ~」
元気に駆けていく繋は頑張って練習したという名前の練習を書いて見せてくれた。
「「……………」」
そして縁の両隣りでスヤスヤと眠っているのはとうとう2人共熊の姿になれたと先程楽しそうに報告してくれた真と愛依だ。
帰ってきてからというもの縁の側を離れない子どもたちに申し訳なさと、それほど寂しがってくれたのだと嬉しさがある。
子どもたちは縁をママと呼ぶが、自分は男だ。
どこかしら普通の母親とは違うことに彼らも気が付いてはいるだろうが、それを言葉にして言われたことは今のところない。
発情期がというものがあることから側を離れることもあるため尚更寂しい思いをさせているだろう。
未だこの子たちの母親として上手くやれているのか分からない。
大切に、幸せにしてやりたいと思ってはいるが、本当にそう出来ているか分からず不安になることもある。
それでも笑ってママ!と呼ばれれば、その不安も薄れていく。
大事な大事な大切な我が子たち。
「翔のご機嫌治った?」
優しく子どもたちの頭を撫でてやっていれば、ひょっこりと顔を出したルーに笑って頷く。
「翔がここまで離れなくなるとは思ってませんでした」
以前エルにも言ったが、翔はどちらかというとパパっ子だと思っていたためこれほど甘えてくるのは意外だったのだ。
「いつもは縁がいるからね。オレと一緒にいる方が多いけど、それも縁が近くにいるって分かってるからじゃないかな。翔もパパと一緒でママが大好きだもんね?」
「ん。まーまだいちゅき」
離れないとばかりにギュッと抱きついてくる翔に、ママも大好きだよと抱きしめ返す。
「ありがとう。翔がそう言ってくれてすごく嬉しい」
その言葉だけでこれからも頑張ろうと思える。
「ルーもありがとう。翔と一緒に待っていてくれて」
翔が生まれてから彼も少しずつ変わってきていた。
以前なら寂しいと仕事も放っぽりだし縁に抱き付きにきていたが、今は縁が数日家を開けていても翔とちゃんと待っていてくれる。
「へへっ。じゃあオレも翔みたいにギュッてしてくれる?」
「勿論。翔もルーも大好きですよ」
腕を伸ばせば触れる温もりにホッとする。
大好きなママとパパに挟まれ翔もご機嫌だ。
「今度翔と3人でどこかに出かけましょうか。ルーと一緒に飛んでる翔が見たいです」
「いいよ。いくらでも縁を乗せて飛んであげる」
「ちょう、も!」
「はははははっ、そうだね。翔もいつかママを乗せられるぐらい大きくなるもんね」
そう!とばかりに胸を張る息子の姿が何とも可愛らしい。
「大きくなるのはいいですけどママを踏んじゃわないでね」
親として大きくなってくれるのは一向に構わないが、その大きな身体で踏み付けられたら縁の身体などぺちゃんこである。
「そんなこと心配するの縁ぐらいだよ」
流石に自分たちでもそんな間違いはしないと珍しくルーに突っ込まれた。
「だってルーたちがドラゴンになった時私なんてそこら辺の小石程度の大きさですよ。可能性はありますよ」
人間ちょっとした足下の小石に躓くことだってあるのだ、ルーたちだって可能性はなくもない。
「縁って変なとここだわるね。でもやっぱりそれはないよ」
何故!!
自慢ではないが自分は何もないところでも躓けるというのに!
「だって、そんなの翔とイスを見間違えるみたいなもんだよ」
「……………それはないですね」
ない。縁とて流石にそれはない。たぶん。
ルーの謎の説得により縁の不安は1つ消されるのであった。
「まーま、めーの」
それほど動いたわけではないのだが、その小さな動きさえ膝に乗っていた翔には気に食わなかったらしい。
「ごめんね。ママ喉が渇いちゃったんです。翔もずっとくっついてたから暑いでしょ?少しお水を飲みましょうか」
「ん」
それまでの不機嫌はどこへやら、コップを差し出せばゴクゴクと勢いよく飲む姿にやはりかなり喉が渇いていたようだと苦笑いする。
帰宅した当初は拗ねて「まーまきらい」とも言っていたのに、今は膝から下りることもせず、ずっと縁のお腹に抱き付き離れないでいた。
「ママできた!」
「……うん、上手に書けましたね。じゃあパパに見せにいっておいで。パパのお名前上手に書けたよって」
「うん。パパ~」
元気に駆けていく繋は頑張って練習したという名前の練習を書いて見せてくれた。
「「……………」」
そして縁の両隣りでスヤスヤと眠っているのはとうとう2人共熊の姿になれたと先程楽しそうに報告してくれた真と愛依だ。
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未だこの子たちの母親として上手くやれているのか分からない。
大切に、幸せにしてやりたいと思ってはいるが、本当にそう出来ているか分からず不安になることもある。
それでも笑ってママ!と呼ばれれば、その不安も薄れていく。
大事な大事な大切な我が子たち。
「翔のご機嫌治った?」
優しく子どもたちの頭を撫でてやっていれば、ひょっこりと顔を出したルーに笑って頷く。
「翔がここまで離れなくなるとは思ってませんでした」
以前エルにも言ったが、翔はどちらかというとパパっ子だと思っていたためこれほど甘えてくるのは意外だったのだ。
「いつもは縁がいるからね。オレと一緒にいる方が多いけど、それも縁が近くにいるって分かってるからじゃないかな。翔もパパと一緒でママが大好きだもんね?」
「ん。まーまだいちゅき」
離れないとばかりにギュッと抱きついてくる翔に、ママも大好きだよと抱きしめ返す。
「ありがとう。翔がそう言ってくれてすごく嬉しい」
その言葉だけでこれからも頑張ろうと思える。
「ルーもありがとう。翔と一緒に待っていてくれて」
翔が生まれてから彼も少しずつ変わってきていた。
以前なら寂しいと仕事も放っぽりだし縁に抱き付きにきていたが、今は縁が数日家を開けていても翔とちゃんと待っていてくれる。
「へへっ。じゃあオレも翔みたいにギュッてしてくれる?」
「勿論。翔もルーも大好きですよ」
腕を伸ばせば触れる温もりにホッとする。
大好きなママとパパに挟まれ翔もご機嫌だ。
「今度翔と3人でどこかに出かけましょうか。ルーと一緒に飛んでる翔が見たいです」
「いいよ。いくらでも縁を乗せて飛んであげる」
「ちょう、も!」
「はははははっ、そうだね。翔もいつかママを乗せられるぐらい大きくなるもんね」
そう!とばかりに胸を張る息子の姿が何とも可愛らしい。
「大きくなるのはいいですけどママを踏んじゃわないでね」
親として大きくなってくれるのは一向に構わないが、その大きな身体で踏み付けられたら縁の身体などぺちゃんこである。
「そんなこと心配するの縁ぐらいだよ」
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「だってルーたちがドラゴンになった時私なんてそこら辺の小石程度の大きさですよ。可能性はありますよ」
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「縁って変なとここだわるね。でもやっぱりそれはないよ」
何故!!
自慢ではないが自分は何もないところでも躓けるというのに!
「だって、そんなの翔とイスを見間違えるみたいなもんだよ」
「……………それはないですね」
ない。縁とて流石にそれはない。たぶん。
ルーの謎の説得により縁の不安は1つ消されるのであった。
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