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子どもからの
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「美味しそうに出来ましたね。じゃあ一緒にママに見せに行きましょう」
「……ママおこってないかな?」
「ちゃんと謝ったら許してくれますよ。それにこんなに美味しそうに出来たんです。きっと喜んでくれますよ」
だから行こうと言えば頷く少年と手を繋ぎ玄関へ向かうのだった。
数時間前ーー洗濯も終え、動き回る子どもたちにも休憩が必要かとお茶にすることにしたのだが、各々が席に座り数分足らずしてコウが急に帰ると言い出したのだ。
「オヤツは美味しくなかったですか?」
好みに合わなかっただろうかと聞くが首を振り、しかしまだ彼のママも迎えに来ないことからもうちょっと待てないかと言ってみるが帰ると言う少年に何となく察した縁はならばと彼をキッチンへ連れて行った。
まだまだ母親が必要な年頃だと言うことだ。
「ママとパパも毎日君のために頑張ってくれてますからね。たまにはコウくんからママとパパにご褒美をあげませんか?」
「ごほうび?」
「ママとパパはコウくんが頑張った時すごく褒めてくれるでしょう?」
「うん」
やったね!すごいじゃないか!と、子を持つ親なら必ず言うだろう言葉に彼の両親も言っていたはずだ。
ならば偶には逆もいいのではないかと提案する。
「朝はごめんなさいと、いつもありがとうという気持ちを込めてコウくんからママとパパにご褒美をあげませんか?」
「ぼくにもできる?」
「大丈夫。私も手伝うので一緒にやりましょう?」
「うん!やる!」
帰りたいと言うのだから母親が迎えに来る前に家に送り届けてやってもいいのだが、まだ迎えに来ないということはやるべきことがまだ終わっていないということでもあり少しでも時間稼ぎになればというのと、あとは朝のケンカのこともあり素直に謝れないだろうから何かきっかけになればいいと思ったのだ。
元々用意してあったオヤツのりんごのケーキに、あとは好きに飾り付けしていいよとジャムやら木の実なども準備する。
途中自分たちもやりたいという繋たちも加わり皆で楽しく飾りつけしていると、こんにちはという声と共に少年の母親が迎えに来た。
「美味しそうに出来ましたね。じゃあ一緒にママに見せに行きましょう」
「……ママおこってないかな?」
「ちゃんと謝ったら許してくれますよ。それにこんなに美味しそうに出来たんです。きっと喜んでくれます」
手を繋ぎ玄関へ向かえば、迎えに来るのが遅くなってごめんなさいと頭を下げる彼女に笑って首を振る。
「はい、頑張って」
持っていたケーキを乗せた皿を少年に渡せば、俯きながらも母親の前まで歩いていく。
「………これ、ママとパパに。……いつもありがとう。あと…………あさはごめんなさい」
「……………」
驚きに目を見張り、感動してか手で口元を覆うと縁を見上げくる。
受け取ってあげて欲しいと頷いてやれば、膝をつきありがとうと皿を受け取っていた。
「これ、コウが作ってくれたの?」
「うん。ママ、イチゴすきだからいっぱいのせた」
「そう…………そうなの…ありがとう。ありがとうコウ。とっても嬉しいわ。ママも朝は怒ってごめんね」
無事仲直り出来たようで何よりだ。
親子なのだから縁が手を出さずともいつかは仲直り出来ていただろうが、どうせならお互い気持ちよく良かったねと言い合って終われればと思ったのだ。
「エニシくんも本当にありがとう」
「いえ。うちの子たちも楽しそうだったので助かりました。あと必要でなければ捨ててもらっていいのでこれも……」
渡された一冊の帳面に2人揃って首を傾げている。
「うちの子にもやらせているんですがご褒美帳です。お手伝いや頼みごとをしてもらうごとに1つ印を書いてあげて下さい。で、決まった数分印が貯まったら何か本人が望むご褒美を」
こればかりは家庭によっては面倒だ、合わないなどもあるため無理強いするつもりはない。
とりあえずやり方は説明し、本人にやる気があればやってあげてほしいと言っておくことにした。
「簡単なものでもやってくれるのとくれないのではちがいますよね。小さなことでもやってくれれば助かりますし、その分子どもと遊ぶ時間にも回せるのでよかったら」
縁も家事をしていて苛立つことがないとは言わない。
些細なことだと言うことこそ何故やってくれないのだと思うこともあるだろう。
そんな母親の気持ちを少しでも減らせるように、ありがとうと子を褒めてあげられる理由を作るために。
「それはとてもいいわね。ありがとう」
笑顔で受け取ってくれ、帰ったら旦那にも言ってみると言い仲良く手を繋いで帰っていく親子を見送る。
子育てに正解などない。
だからこそ世界には色々な人がおり、だからこそ気が合う人も合わない人もいる。
親の育て方と、子ども自身が望み選ぶ自身の育ち方が必ずしも重なるとは限らない。
今は繋たちも縁に反発するようなことはあまりないが、それがいつまで続くかは分からない。
明日にはママなんか嫌いと言い出すかもしれず、反抗期など来てくれるなと願うのだった。
「……ママおこってないかな?」
「ちゃんと謝ったら許してくれますよ。それにこんなに美味しそうに出来たんです。きっと喜んでくれますよ」
だから行こうと言えば頷く少年と手を繋ぎ玄関へ向かうのだった。
数時間前ーー洗濯も終え、動き回る子どもたちにも休憩が必要かとお茶にすることにしたのだが、各々が席に座り数分足らずしてコウが急に帰ると言い出したのだ。
「オヤツは美味しくなかったですか?」
好みに合わなかっただろうかと聞くが首を振り、しかしまだ彼のママも迎えに来ないことからもうちょっと待てないかと言ってみるが帰ると言う少年に何となく察した縁はならばと彼をキッチンへ連れて行った。
まだまだ母親が必要な年頃だと言うことだ。
「ママとパパも毎日君のために頑張ってくれてますからね。たまにはコウくんからママとパパにご褒美をあげませんか?」
「ごほうび?」
「ママとパパはコウくんが頑張った時すごく褒めてくれるでしょう?」
「うん」
やったね!すごいじゃないか!と、子を持つ親なら必ず言うだろう言葉に彼の両親も言っていたはずだ。
ならば偶には逆もいいのではないかと提案する。
「朝はごめんなさいと、いつもありがとうという気持ちを込めてコウくんからママとパパにご褒美をあげませんか?」
「ぼくにもできる?」
「大丈夫。私も手伝うので一緒にやりましょう?」
「うん!やる!」
帰りたいと言うのだから母親が迎えに来る前に家に送り届けてやってもいいのだが、まだ迎えに来ないということはやるべきことがまだ終わっていないということでもあり少しでも時間稼ぎになればというのと、あとは朝のケンカのこともあり素直に謝れないだろうから何かきっかけになればいいと思ったのだ。
元々用意してあったオヤツのりんごのケーキに、あとは好きに飾り付けしていいよとジャムやら木の実なども準備する。
途中自分たちもやりたいという繋たちも加わり皆で楽しく飾りつけしていると、こんにちはという声と共に少年の母親が迎えに来た。
「美味しそうに出来ましたね。じゃあ一緒にママに見せに行きましょう」
「……ママおこってないかな?」
「ちゃんと謝ったら許してくれますよ。それにこんなに美味しそうに出来たんです。きっと喜んでくれます」
手を繋ぎ玄関へ向かえば、迎えに来るのが遅くなってごめんなさいと頭を下げる彼女に笑って首を振る。
「はい、頑張って」
持っていたケーキを乗せた皿を少年に渡せば、俯きながらも母親の前まで歩いていく。
「………これ、ママとパパに。……いつもありがとう。あと…………あさはごめんなさい」
「……………」
驚きに目を見張り、感動してか手で口元を覆うと縁を見上げくる。
受け取ってあげて欲しいと頷いてやれば、膝をつきありがとうと皿を受け取っていた。
「これ、コウが作ってくれたの?」
「うん。ママ、イチゴすきだからいっぱいのせた」
「そう…………そうなの…ありがとう。ありがとうコウ。とっても嬉しいわ。ママも朝は怒ってごめんね」
無事仲直り出来たようで何よりだ。
親子なのだから縁が手を出さずともいつかは仲直り出来ていただろうが、どうせならお互い気持ちよく良かったねと言い合って終われればと思ったのだ。
「エニシくんも本当にありがとう」
「いえ。うちの子たちも楽しそうだったので助かりました。あと必要でなければ捨ててもらっていいのでこれも……」
渡された一冊の帳面に2人揃って首を傾げている。
「うちの子にもやらせているんですがご褒美帳です。お手伝いや頼みごとをしてもらうごとに1つ印を書いてあげて下さい。で、決まった数分印が貯まったら何か本人が望むご褒美を」
こればかりは家庭によっては面倒だ、合わないなどもあるため無理強いするつもりはない。
とりあえずやり方は説明し、本人にやる気があればやってあげてほしいと言っておくことにした。
「簡単なものでもやってくれるのとくれないのではちがいますよね。小さなことでもやってくれれば助かりますし、その分子どもと遊ぶ時間にも回せるのでよかったら」
縁も家事をしていて苛立つことがないとは言わない。
些細なことだと言うことこそ何故やってくれないのだと思うこともあるだろう。
そんな母親の気持ちを少しでも減らせるように、ありがとうと子を褒めてあげられる理由を作るために。
「それはとてもいいわね。ありがとう」
笑顔で受け取ってくれ、帰ったら旦那にも言ってみると言い仲良く手を繋いで帰っていく親子を見送る。
子育てに正解などない。
だからこそ世界には色々な人がおり、だからこそ気が合う人も合わない人もいる。
親の育て方と、子ども自身が望み選ぶ自身の育ち方が必ずしも重なるとは限らない。
今は繋たちも縁に反発するようなことはあまりないが、それがいつまで続くかは分からない。
明日にはママなんか嫌いと言い出すかもしれず、反抗期など来てくれるなと願うのだった。
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