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「………何してるんだ?縁」
怪訝な表情で近寄ってきたセインにどうしたのかと聞かれるが、縁には何のことか分からなかった。
「?、水を汲みに行こうかなと」
「………それでか?」
それ?セインの目線の先を辿ればーー
「あれ?なんで私はお玉なんか持っているんですかね?」
「それは俺が聞きたい」
何故かお玉片手に水汲みに行くという謎の行動をしていた縁であったが、何故そうなったかは縁自身よく分かっていなかった。
というか物を持っているという感覚がなかった。
「これじゃコップ一杯分も難しいですね」
「そうゆう問題じゃないと思うが」
どうしたものか。
普通に考えれば戻って水汲み用のバケツを持ってくるのが正解なのだろうが、何故かその時の縁にはそれが思いつかずこれでどうにか出来ないものかとばかり考えていた。
「これでだと何往復すれば終わりますかね?」
「そもそもソレをやめればいいんじゃないか?」
「「…………」」
見つめ合うこと数分。
セインを手招きした縁は、呼ばれるまま近寄ってきたセインに抱きついた。
「縁?」
いきなりどうしたと不思議そうなセインに何も言わずギュッと抱きしめる。
何か言いたいが何を言っていいか分からない。
考えようとすればするほど頭がこんがらがり何が何だか分からなくなる。
そんな縁にセインも何か様子がおかしいと気づいたようで、腕に抱き抱えられるとコツンと額同士を合わせられた。
「……少し熱いな。風邪でもひいたか?」
「風邪?」
風邪?風?もう何がなんだか。
「眠い、眠いですセイン」
水汲みをしないと思いながらも襲い来る睡魔に勝てず、こてんとセインの肩に額を乗せる。
特に寝不足になるようなことをした覚えはないが、一度口にしてしまうとあまりの眠さに瞼が重い。
寝たい、寝ちゃダメだと頭の中で葛藤するが、身体は正直なようでどんどん身体から力が抜けていく。
「……ジーク…ジークは、どこ…です、か……」
「ジーク?縁どうした?」
セインに名前を呼ばれる声が聞こえたような気がしたが、返事をする前にそのまま意識を手放すのであった。
ジークはどこだとだけ口にした縁はそのまま寝てしまったのか静かに寝息をたてていた。
突然のことで不安ではあったが、以前のように具合が悪く意識を失ったわけではなく眠たいと口にしていたことから寝ただけのようで安心した。
「水汲みは後で俺がやるとして、ジークにも一応言っておくか」
もしかしたらジークに水汲みを頼まれのかもしれないと報告がてらジークの元へ向かう。
「水汲み?縁にか?んなもん頼んでないぞ」
「ん?」
どういうことだ?
ならば何故縁はジークの名を口にしていたのか。
どこにいるのだと探しているようだったと伝えれば、しかしジークも心当たりがないようで首を傾げている。
「少し熱があるようだったから部屋に寝かせて今はルーにみてもらってる。手が空いたら様子を見に行ってやってくれるか?」
「あぁ分かった。どうせもう終わるところだったんだ。片付けたらすぐ行く」
「頼んだ」
本音を言えば自分がついててやりたかったのだが、縁は自分のことで皆の仕事を妨げることを嫌うため辛いが看病は遊びに来ていたルーに任せた。
ルー1人では不安があったためアズとスノーにもついててくれるよう頼んできたのでとりあえずは大丈夫だろう。
こうして振り返ってみれば自分には何かあった時頼りになる人が随分増えたものだなと思った。
初めて会った頃より随分しっかりしてきたアズに、意外にも世話好きなスノー。
同じ番であるアレンやジーク、最近出来たばかりのルーもそうだが、彼らに頼るということに嫌悪感が全くない。
もちろん自分だけを見てほしいという欲求も少なからずあるが、以前縁か倒れた時にも思ったが他にも助けがいるというのはかなり心強かった。
「アレンにも言っとかないとな。遅いとまたアイツは縁にあたるからな」
アレンは縁のことで後回しにされるのをかなり嫌う。
番なので当たり前だと言えばそうなのだが、普通に後でもいいだろうと後回しにすれば、それを知った後八つ当たりのように何で教えなかったと縁にあたるので困るのだ。
アレンがどれだけ怒ろうとどうでもいいのだが、それで縁が落ち込むのが嫌だ。
なので面倒ではあるが縁が今は部屋で寝ていることを伝え、会いに行くなら必ず仕事を終えてからにしろと釘を刺しておく。
でなければアレンは仕事を放ったらかしてすぐにでも縁に会いに行ってしまうだろうから。
「気持ちは分かるが後で縁が困ることはやめろ。自分のせいで皆に迷惑をかけたなんて知ったら落ち込むぞ」
「わ、分かってるよ!終わらしたらすぐ!すぐ行くからな!」
終わった後ならばセインも何も言わない。
言いたいことは言ったため自身も早く終わらせるため足早に仕事に向かうのだった。
しかし風邪だと思って眠っていた縁が目を覚ましたのはそれから3日も後のことだった。
怪訝な表情で近寄ってきたセインにどうしたのかと聞かれるが、縁には何のことか分からなかった。
「?、水を汲みに行こうかなと」
「………それでか?」
それ?セインの目線の先を辿ればーー
「あれ?なんで私はお玉なんか持っているんですかね?」
「それは俺が聞きたい」
何故かお玉片手に水汲みに行くという謎の行動をしていた縁であったが、何故そうなったかは縁自身よく分かっていなかった。
というか物を持っているという感覚がなかった。
「これじゃコップ一杯分も難しいですね」
「そうゆう問題じゃないと思うが」
どうしたものか。
普通に考えれば戻って水汲み用のバケツを持ってくるのが正解なのだろうが、何故かその時の縁にはそれが思いつかずこれでどうにか出来ないものかとばかり考えていた。
「これでだと何往復すれば終わりますかね?」
「そもそもソレをやめればいいんじゃないか?」
「「…………」」
見つめ合うこと数分。
セインを手招きした縁は、呼ばれるまま近寄ってきたセインに抱きついた。
「縁?」
いきなりどうしたと不思議そうなセインに何も言わずギュッと抱きしめる。
何か言いたいが何を言っていいか分からない。
考えようとすればするほど頭がこんがらがり何が何だか分からなくなる。
そんな縁にセインも何か様子がおかしいと気づいたようで、腕に抱き抱えられるとコツンと額同士を合わせられた。
「……少し熱いな。風邪でもひいたか?」
「風邪?」
風邪?風?もう何がなんだか。
「眠い、眠いですセイン」
水汲みをしないと思いながらも襲い来る睡魔に勝てず、こてんとセインの肩に額を乗せる。
特に寝不足になるようなことをした覚えはないが、一度口にしてしまうとあまりの眠さに瞼が重い。
寝たい、寝ちゃダメだと頭の中で葛藤するが、身体は正直なようでどんどん身体から力が抜けていく。
「……ジーク…ジークは、どこ…です、か……」
「ジーク?縁どうした?」
セインに名前を呼ばれる声が聞こえたような気がしたが、返事をする前にそのまま意識を手放すのであった。
ジークはどこだとだけ口にした縁はそのまま寝てしまったのか静かに寝息をたてていた。
突然のことで不安ではあったが、以前のように具合が悪く意識を失ったわけではなく眠たいと口にしていたことから寝ただけのようで安心した。
「水汲みは後で俺がやるとして、ジークにも一応言っておくか」
もしかしたらジークに水汲みを頼まれのかもしれないと報告がてらジークの元へ向かう。
「水汲み?縁にか?んなもん頼んでないぞ」
「ん?」
どういうことだ?
ならば何故縁はジークの名を口にしていたのか。
どこにいるのだと探しているようだったと伝えれば、しかしジークも心当たりがないようで首を傾げている。
「少し熱があるようだったから部屋に寝かせて今はルーにみてもらってる。手が空いたら様子を見に行ってやってくれるか?」
「あぁ分かった。どうせもう終わるところだったんだ。片付けたらすぐ行く」
「頼んだ」
本音を言えば自分がついててやりたかったのだが、縁は自分のことで皆の仕事を妨げることを嫌うため辛いが看病は遊びに来ていたルーに任せた。
ルー1人では不安があったためアズとスノーにもついててくれるよう頼んできたのでとりあえずは大丈夫だろう。
こうして振り返ってみれば自分には何かあった時頼りになる人が随分増えたものだなと思った。
初めて会った頃より随分しっかりしてきたアズに、意外にも世話好きなスノー。
同じ番であるアレンやジーク、最近出来たばかりのルーもそうだが、彼らに頼るということに嫌悪感が全くない。
もちろん自分だけを見てほしいという欲求も少なからずあるが、以前縁か倒れた時にも思ったが他にも助けがいるというのはかなり心強かった。
「アレンにも言っとかないとな。遅いとまたアイツは縁にあたるからな」
アレンは縁のことで後回しにされるのをかなり嫌う。
番なので当たり前だと言えばそうなのだが、普通に後でもいいだろうと後回しにすれば、それを知った後八つ当たりのように何で教えなかったと縁にあたるので困るのだ。
アレンがどれだけ怒ろうとどうでもいいのだが、それで縁が落ち込むのが嫌だ。
なので面倒ではあるが縁が今は部屋で寝ていることを伝え、会いに行くなら必ず仕事を終えてからにしろと釘を刺しておく。
でなければアレンは仕事を放ったらかしてすぐにでも縁に会いに行ってしまうだろうから。
「気持ちは分かるが後で縁が困ることはやめろ。自分のせいで皆に迷惑をかけたなんて知ったら落ち込むぞ」
「わ、分かってるよ!終わらしたらすぐ!すぐ行くからな!」
終わった後ならばセインも何も言わない。
言いたいことは言ったため自身も早く終わらせるため足早に仕事に向かうのだった。
しかし風邪だと思って眠っていた縁が目を覚ましたのはそれから3日も後のことだった。
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