二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

文字の大きさ
上 下
128 / 475

*緊張

しおりを挟む
 あれから無事販売の手筈が整い、ランはガンズと仲良く酒造りに精を出しているらしい。
 出来ればもっと周りに心を開いてほしいが、きっと焦ることはないだろう。
 これからいくらでも機会はあるのだから。

 「縁行こう」

 それよりも縁には重大ミッションがあり、他に考え事をしている暇はない。
 発情期に入ったというアレンの言葉により、すぐ様薬草を煎じ飲ませる。
 効果は人それぞれらしく、効きにくかった時のためにと多めに常備しておく。
 アレンに促されるまま部屋に向かうと、膨らむお腹を気遣いながらも優しく全身洗ってくれる。

 「ゆっくりするから」

 どうやら薬草はきちんと効いているようで、ベッドに縁を寝かせるとお腹に負担がないようにと横向きにされた。
 いつもならがっついて迫ってくるはずのアレンが大人しすぎることに調子が狂うが、それも自身のためにアレンがしてくれたことだと思い言われるがまま従う。

 「ん、ん、うん、は、ん、ふ…」

 体温を移すかのように熱い舌が縁の口腔を舐め回し、下はアレンの指によってシゴかれる。
 このままでは何も出来ないと、覆い被さる体勢から正面にアレンも寝てもらう。
 キスしながら熱く滾るものを縁も擦り上げれば、艶めかしい呻き声と共に動き回る舌が激しくなる。

 「ん、ふ、ん、ア、レン、アレン」

 「くっ、一回だすぞ、ん、はぁ、くっ」

 互いに白いもので手を汚し、息つく間もなく後ろをほぐされる。

 「ん、あん、ん、ふ、ん」

 恥ずかしさを押し殺しアレンの指を中に感じていれば、やはり気になるのだろう、アレンが心配そうに大丈夫か聞いてくる。

 「大丈夫です。言ったでしょ?ゆっくり…ね?」

 安心させるように微笑んでやれば少しは安心したのか、縁が言った通りいつもよりゆっくりと熱い切っ先が中に入ってくる。

 「ん、あ、ん、ア、レン、手を、握って」

 手を伸ばせばすぐに指を絡め握ってくれる。
 その優しさに手にキスすれば中のものが大きくなるのが分かった。

 「頼むから煽るな。優しく出来なくなる」

 ゆっくりと中を擦られれば縁も余裕がなくなり、いいところを求め腰が動いてしまう。
 それが分かったのか縁が弱いところを突いてくれる。

 「あ、あん、アレン、アレンっ」

 いつもと違いゆっくりだが、ジワジワと迫り上がってくる快感に声が我慢出来ない。

 「縁、中すごいな。絡みついてくるみたいだ」

 離さないとばかりに出ていこうとするアレンを締め付け、入ってくる時には誘い込むように絡みつく。
 揺れる尻にパチンパチンと叩きつける音が響く。

 「縁、縁、愛してる」

 「ア、レン、私も、愛、して、ます」

 乱れる呼吸の中必死に囁く。
 いつもなら既に2回戦目にいっているだろうが薬草のせいなのか、それとも縁を気にしてなのか遅いペースに出すギリギリのところで留まりずっと気持ちいい。

 「このまま、中に出すのはマズイよな」

 ある程度の性行為は大丈夫だろうが、中に出すのは怖いため寸前で抜くと背中に熱いものがかけられた感触があった。
 
 「ごめん、汚した」

 謝るアレンに大丈夫と返せば、洗ってくれるのか風呂に運ばれた。
 されるがまま大人しく洗われていると。

 「腹大丈夫?」

 優しさに涙が出そうになった。
 きっとアレンの方が辛いに決まっている。
 なのに縁を、子どもを、優先し気遣ってくれる。
 本当は少し、心の片隅で考えていた。
 自分ではない、他の番であるこの子を疎ましく思っていないだろうかと。
 いくら縁の意見を聞いてくれるとはいえ、愛情深いという獣人が他にもいる番に嫉妬しないわけがなく、セインと度々喧嘩するように子どものことも本当は嫌なのではないかと考えていた。
 だが、そんなことを考えていた自分が馬鹿なのだと分かった。
 愛してくれている。縁も、この子も。
 涙をこらえ、黙り込む縁に慌てたのか覗きこもうとするアレンを抱き寄せるとその唇にキスする。
 ありがとう、愛してると伝えるように舌を絡ませれば驚きながらも嬉しそうにアレンも舐めてくれる。

 「ん、どうした?」

 「何も?…ただ、アレンが番でよかったなと。あの時出会ったのがアレンでよかった。愛したのがアレンでよかった。……愛してくれてありがとう」

 一番とは言えない。
 けど、それでも、かけがえのない存在に感謝を送る。

 「よく分かんないけど、どういたしまして?」

 不思議そうに首を傾げるアレンに笑ってしまう。
 この人に出会えてよかった。
 あの時離れないでよかった。
 この世界に来て初めて縁を愛してくれた人。

 「愛してます、アレン」

 「あぁ、俺も」

 その言葉を聞き微笑むとその場に膝をつく。

 「縁?」

 再び勃ちはじめているそれを掴むと、口を開け向かい入れた。
 ビクリと震えたのが分かり、それが嫌なのではなく快感によるものだと増す質量で分かる。
 
 「くっ、それマジヤバい」

 「ひもひいいれふか?」

 「ちょっ、そこでしゃべるのダメ!」

 あまりの快感にか腰を引こうとしたアレンに、抜けてしまうとジュッと吸い付けば低い声と共に熱いものが口中に広がる。

 「はぁ、はぁ、はぁ……えに…わ、わるい!出せ!」

 咄嗟に飲み込んでしまったが、出せと言い続けるアレンにもうないと口の中を見せれば、何故かアレンがごくりと喉を鳴らす。
 その後の展開に、自分の何が彼に火をつけたのか悩む縁であった。

 
 
 



 

 


 

 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜

N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間) ハーレム要素あります。 苦手な方はご注意ください。 ※タイトルの ◎ は視点が変わります ※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます ※ご都合主義です、あしからず

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される

Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木) 読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!! 黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。 死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。 闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。 そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。 BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)… 連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。 拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。 Noah

偽物の番は溺愛に怯える

にわとりこ
BL
『ごめんね、君は偽物だったんだ』 最悪な記憶を最後に自らの命を絶ったはずのシェリクスは、全く同じ姿かたち境遇で生まれ変わりを遂げる。 まだ自分を《本物》だと思っている愛する人を前にシェリクスは───?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

迷子の僕の異世界生活

クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。 通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。 その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。 冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。 神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。 2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...