107 / 475
喜び
しおりを挟む
あれからセインに夕飯の時間だと起こされた縁は、再び羞恥の嵐に吹かれるのだった。
「な、うそ、なん、え?、なんで入っ……」
「あのまま寝ちゃったからな。今からシャワーを浴びれば間に合うさ」
笑顔のセインに確実にわざととは分かったが、未だ中に感じる熱に何も言い返すことができなかったのであった。
運ばれる間も洗われる間も抜いてもらえず、感じて震える縁は声を抑えながらセインを睨んだが笑顔でキスされるだけで許してもらえることはなかった。
それから何とか抜いてもらい中のものと、再び勃ち上がっていたものまで処理される。
最近番たちが少々Sっ気が出てきたのは気のせいだろうかと悩む縁であった。
なんとか夕飯に間に合った縁たちは食堂へと着いた途端、セインの腕から救出…されたかと思えば今度はアレンに抱き抱えられてしまう。
「今度は俺」
それだけ言うと膝に乗せられたまま食事を終え、心配するアズたちと部屋へ戻る。
「初めて…ではないですが、魔法を使って疲れたでしょう?早いですがもう寝ますか?」
縁とは違い魔力が有限であるアズたちは疲れただろうとは思ったが、意外にもアズは元気でアレンに抱えられる縁にべったりとくっついてくる。
「アズね、魔法使えた」
「そうですね。上手に出来ましたね。これなら他の魔法もすぐ出来るようになっちゃうかも。でも焦らず少しずつ頑張っていきましょう」
「いっぱいがんばるのだめ?」
よほど魔法を使えたのが嬉しかったのだろう。
もっとやりたいというアズにしかし縁はそう焦らないでいいと言う。
「頑張ることはいいことですが、頑張りすぎるのは良くないと言うことです。焦ってばかりでは上手くいくことも上手くいきませんし、それでケガなどしては元も子もありません」
アズ自身は縁のためだと言うが、縁からすればアズのためでもあるのだ。
身を守るためにも防衛できるならした方がいいと習ってはいるが、それでケガなどすれば意味がない。
「それに私はアズと一緒に頑張りたいので、アズに置いてかれたら寂しいです」
「やだ!アズ、ママとやる」
下手に隠れて練習して何かあっては大変なため、一緒に頑張ろうと言えばアズは喜んで頷いてくれた。
それからはアズには珍しく縁の側を離れることなくずっと抱きついてきていたが、縁もそれを嫌がることなく受け入れ眠るまで側についていてやるのであった。
「意外に元気でしたね」
離れないアズに添い寝しながらも、小声でセインに話しかければ何故か納得という顔をされた。
ちなみに前にセイン、後ろからはアレンがぴったりとくっついている。
「言っただろ?縁の魔力は温かいって」
「はい?」
それとアズの元気がどう関係あるのだろうか?
「俺もはっきりとは言えないが、なんというかこう…満たされるというか、全身温まるというか…まぁ、元気がでる感じがしたんだ」
「…なるほど?ということは、セインが元気になっちゃったのは私の自業自得だと?」
「はははっ、そんなことはない。流せと言ったのは俺だからな。でもきっかけを作ったのは縁で間違いないな」
まさかそっちまで元気になるなど知らなかったのだ。
というか、縁からすれば普通に魔力譲渡をしたまででそんなことになるとは思わず、アズやエルの反応からして催淫効果があるのはセインだけか、もしくは番である3人だけだと思っている。
だからと言って態々確認しようとは思わないが。
「俺も縁の魔力ほしい」
拗ねたようにそう呟くアレンに苦笑いする。
渡しても何もないならばそうしてもいいのだが、もしかしたら元気になってしまうかもしれない相手にそう簡単にすることはできない。
「機会があれば、ね。今からアレンの相手はできません」
ポンポンと腰に回っていた腕を叩くが、やはり納得できないのか腕の力が強くなり、頸辺りに噛み付いてくる。
甘噛みなので痛くはないのだが、今から寝ようとするには少々くすぐったく落ち着かない。
「セインだけなんて不公平だ」
「おい、いい加減にしろ。縁が寝られないだろ」
「うるせぇ。抜け駆けしたやつが何言ってんだよ」
「こらこらケンカしないで、アズが起きちゃいますよ。アレンもほら、しないとは言ってないでしょ。次の機会まで我慢して下さい」
何とかアレンを宥めようとするが、諦めきれないのか噛み付いて離れない。
「俺も縁の番だろ。俺も縁がほしい」
そうは言われても今からするにはかなり難しく、縁も魔力に限界がないと言っても疲れるものは疲れるのだ。
それに加えセインの相手をした後ではさらに体力がない。
「うーん…確かアレンは明後日お休みでしたよね?ならその時にしましょう。それでもダメですか?」
流石にヤリたいから仕事を休むというのは出来ないし、したくない。
なので明後日ならいいと言えば渋々ながらOKがでた。
こういう時、番が複数いることが大変だと思う。
分け隔てなく平等にとは思っても、相手の都合もあれば自分の体力的限界もある。
ジークはまだ2人に遠慮があるせいかそこまで言うことはないが、アレンとセインは競うように縁を独り占めしたがるのだ。
愛されることは良いことだが、みんながみんなを幸せにするのは難しいと思う縁であった。
「な、うそ、なん、え?、なんで入っ……」
「あのまま寝ちゃったからな。今からシャワーを浴びれば間に合うさ」
笑顔のセインに確実にわざととは分かったが、未だ中に感じる熱に何も言い返すことができなかったのであった。
運ばれる間も洗われる間も抜いてもらえず、感じて震える縁は声を抑えながらセインを睨んだが笑顔でキスされるだけで許してもらえることはなかった。
それから何とか抜いてもらい中のものと、再び勃ち上がっていたものまで処理される。
最近番たちが少々Sっ気が出てきたのは気のせいだろうかと悩む縁であった。
なんとか夕飯に間に合った縁たちは食堂へと着いた途端、セインの腕から救出…されたかと思えば今度はアレンに抱き抱えられてしまう。
「今度は俺」
それだけ言うと膝に乗せられたまま食事を終え、心配するアズたちと部屋へ戻る。
「初めて…ではないですが、魔法を使って疲れたでしょう?早いですがもう寝ますか?」
縁とは違い魔力が有限であるアズたちは疲れただろうとは思ったが、意外にもアズは元気でアレンに抱えられる縁にべったりとくっついてくる。
「アズね、魔法使えた」
「そうですね。上手に出来ましたね。これなら他の魔法もすぐ出来るようになっちゃうかも。でも焦らず少しずつ頑張っていきましょう」
「いっぱいがんばるのだめ?」
よほど魔法を使えたのが嬉しかったのだろう。
もっとやりたいというアズにしかし縁はそう焦らないでいいと言う。
「頑張ることはいいことですが、頑張りすぎるのは良くないと言うことです。焦ってばかりでは上手くいくことも上手くいきませんし、それでケガなどしては元も子もありません」
アズ自身は縁のためだと言うが、縁からすればアズのためでもあるのだ。
身を守るためにも防衛できるならした方がいいと習ってはいるが、それでケガなどすれば意味がない。
「それに私はアズと一緒に頑張りたいので、アズに置いてかれたら寂しいです」
「やだ!アズ、ママとやる」
下手に隠れて練習して何かあっては大変なため、一緒に頑張ろうと言えばアズは喜んで頷いてくれた。
それからはアズには珍しく縁の側を離れることなくずっと抱きついてきていたが、縁もそれを嫌がることなく受け入れ眠るまで側についていてやるのであった。
「意外に元気でしたね」
離れないアズに添い寝しながらも、小声でセインに話しかければ何故か納得という顔をされた。
ちなみに前にセイン、後ろからはアレンがぴったりとくっついている。
「言っただろ?縁の魔力は温かいって」
「はい?」
それとアズの元気がどう関係あるのだろうか?
「俺もはっきりとは言えないが、なんというかこう…満たされるというか、全身温まるというか…まぁ、元気がでる感じがしたんだ」
「…なるほど?ということは、セインが元気になっちゃったのは私の自業自得だと?」
「はははっ、そんなことはない。流せと言ったのは俺だからな。でもきっかけを作ったのは縁で間違いないな」
まさかそっちまで元気になるなど知らなかったのだ。
というか、縁からすれば普通に魔力譲渡をしたまででそんなことになるとは思わず、アズやエルの反応からして催淫効果があるのはセインだけか、もしくは番である3人だけだと思っている。
だからと言って態々確認しようとは思わないが。
「俺も縁の魔力ほしい」
拗ねたようにそう呟くアレンに苦笑いする。
渡しても何もないならばそうしてもいいのだが、もしかしたら元気になってしまうかもしれない相手にそう簡単にすることはできない。
「機会があれば、ね。今からアレンの相手はできません」
ポンポンと腰に回っていた腕を叩くが、やはり納得できないのか腕の力が強くなり、頸辺りに噛み付いてくる。
甘噛みなので痛くはないのだが、今から寝ようとするには少々くすぐったく落ち着かない。
「セインだけなんて不公平だ」
「おい、いい加減にしろ。縁が寝られないだろ」
「うるせぇ。抜け駆けしたやつが何言ってんだよ」
「こらこらケンカしないで、アズが起きちゃいますよ。アレンもほら、しないとは言ってないでしょ。次の機会まで我慢して下さい」
何とかアレンを宥めようとするが、諦めきれないのか噛み付いて離れない。
「俺も縁の番だろ。俺も縁がほしい」
そうは言われても今からするにはかなり難しく、縁も魔力に限界がないと言っても疲れるものは疲れるのだ。
それに加えセインの相手をした後ではさらに体力がない。
「うーん…確かアレンは明後日お休みでしたよね?ならその時にしましょう。それでもダメですか?」
流石にヤリたいから仕事を休むというのは出来ないし、したくない。
なので明後日ならいいと言えば渋々ながらOKがでた。
こういう時、番が複数いることが大変だと思う。
分け隔てなく平等にとは思っても、相手の都合もあれば自分の体力的限界もある。
ジークはまだ2人に遠慮があるせいかそこまで言うことはないが、アレンとセインは競うように縁を独り占めしたがるのだ。
愛されることは良いことだが、みんながみんなを幸せにするのは難しいと思う縁であった。
22
お気に入りに追加
3,705
あなたにおすすめの小説
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
氷の華を溶かしたら
こむぎダック
BL
ラリス王国。
男女問わず、子供を産む事ができる世界。
前世の記憶を残したまま、転生を繰り返して来たキャニス。何度生まれ変わっても、誰からも愛されず、裏切られることに疲れ切ってしまったキャニスは、今世では、誰も愛さず何も期待しないと心に決め、笑わない氷華の貴公子と言われる様になった。
ラリス王国の第一王子ナリウスの婚約者として、王子妃教育を受けて居たが、手癖の悪い第一王子から、冷たい態度を取られ続け、とうとう婚約破棄に。
そして、密かにキャニスに、想いを寄せて居た第二王子カリストが、キャニスへの贖罪と初恋を実らせる為に奔走し始める。
その頃、母国の騒ぎから逃れ、隣国に滞在していたキャニスは、隣国の王子シェルビーからの熱烈な求愛を受けることに。
初恋を拗らせたカリストとシェルビー。
キャニスの氷った心を溶かす事ができるのは、どちらか?
兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?
「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。
王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り
更新頻度=適当
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる