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腰が……
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皆さまおはようございます。縁です。
突然のご報告ではありますがこの度私の腰が死んだことをご報告致します。
「これは……本当にヤバい」
あれだけ2人から求められた結果、縁は身体を動かすことができず今もベッドの住人と化している。
だが腰とそのさらに下の穴以外には他に問題がないためベッドの上で暇を持て余している縁であった。
その為意味のない言葉遊びをしてしまったが、その原因である番2人はというと縁を心配して仕事を休もうとしたため説教をして何とか仕事に行かせることができた。
心配してくれるのは嬉しいが、こんなことで他の住人に迷惑をかけることなどできない。
そんなSEXしすぎて動けなくなった番のために仕事休みますなんて口が裂けても言えない!言わせない!
と、縁は気にしていたが彼らがそういう行為をしていたことは皆にバレていたし、あんな小さく体力もない縁に2人相手なんて大丈夫なのかと心配されているなど縁が知ることはなかった。
「アズ?私のことはいいので遊びに行ってきていいんですよ?」
働く番2人の代わりではないが、動けない縁のために一生懸命世話をしてくれるアズに、そんなことはいいから遊んできなさいと言えば首を振るばかりで縁の側を離れないアズであった。
「きょうはアズがママといるの」
1日とは言え離れていたのが響いたのか、行った翌日の昼頃まで戻ってこなかったことにかなり寂しい思いをさせてしまったらしい。
そう。初めてだった相手にも関わらず2人に2回も挑まれ、そこから気絶していた縁は知らないがさらに2回ずつヤラれたことにより朝方やっと終わりを告げると、身体を清められベッドに寝かされた頃には翌日の昼頃になっていた。
「アズはパパたちが好きですか?」
「すき」
翌日やっと戻ってきた縁たちにアズは泣いて抱きつき中々離してくれなかった。
「パパたちが私たちとは違うことは分かりますか?」
「ちがう?みみ?」
やはり何となくは気がついていたようで、頭の上に手の平で耳を作るアズが可愛らしい。
「そうです。パパたちは人間ですがアズと私とはちょっとだけ違います」
1日でも離れて寂しさを感じるアズに教えておかなければ、発情期に入ったら寂しいからと構ってやることはできない。
「パパたちは狼と猫の血が少し入っているので可愛い耳と尻尾がついているんです。ここに住んでいる方たちにもアズと私とは違う耳の人たちがいたでしょう?」
「いた。ジークもあった」
最近はジークの後ろを付いて回るアズも分かっていたようだ。
「そうですね。なので私たちとは違う習慣があるんです」
「しゅうかん?」
「うーん、癖、ですかね。アズも何かあると爪を嚙るでしょ?」
なるべく分かりやすいよう言ってやれば、納得したのかうんうんと頷いている。
「それでですね。パパたちにもその癖があるんです。でもそれはそのまま放っておくと苦しくて辛いものです」
「パパいたいの?」
「そうですね。なのでパパたちが痛いのが治るように私がお手伝いしてるんです。けどそれは昨日みたいに一日で治るものでもないです。もしかしたら数日アズに会えないこともあるでしょう。でもそれはパパたちが痛い思いをしないように治している時間なのでアズはみんなと一緒に待っていてくれますか?」
「……ママあえないの?」
俯き寂しいと訴えてくるアズはもう可愛いくて仕方がない。
仕方がないが、これからのことも考えこればかりは納得してもらうしかないのだ。
「その代わり帰ってきたらアズのお願いを何でも1つ聞きましょう。私ができることに限りますが」
待ってくれていたご褒美だと言えばアズは嬉しそうに微笑んだ。
「ほんと?アズのおねがいきいてくれる?」
「私にできることであれば。もちろんパパたちでもいいですよ」
自分たちをパパと呼ぶのだからそれぐらい聞いてくれるだろう。
「まだいつかは分かりませんが考えていおいて下さい。もちろんスノーもね」
「うん!」
「キュァー」
アズと一緒に寝っ転がっていたスノーも縁の腕に巻きつき嬉しいと頭を擦り寄せてくる。
「こうして私が動けないのもパパたちのせいではありますが、逆にパパたちが治ったということでもあるんです。なのでパパたちを責めないであげて下さいね」
部屋に戻ってきた時に心配そうに世話をするアレンたちにアズも何か感じたのだろう。
パパたちのせいだと言うことはなかったが、仕事に向かうアレンたちの背を追い出すように押していたのを見ている。
「ほらお腹が空いたでしょ?みんなと食べに行ってきて下さい」
「ママは?」
「私はもうしばらくは動けなさそうなのでアズだけでもーー」
先に行ってきて下さいと言い終える前にノックの音と共にジークが顔を出した。
「……身体は?」
「腰がまだ辛いですがそれ以外は大丈夫です。ですが歩いて食堂まで無理そうなのでアズをお願いーーわっ」
ジークならば安心して任せられるとアズをお願いしようとしたが、その前にベッドから抱き起こされてしまい横抱きにされる。
所謂お姫様抱っこに今さら恥ずかしいとは思わないが、それをしているのがジークだと思えば恥ずかしさより申し訳ない。
「ジーク!」
「動けないんだろ?運んでやる。ほら行くぞアズ」
「うん!」
揺らぐことのない腕は頼もしい限りだがそこまで世話させるのは駄目だと暴れるが暴れるなとジークに怒られた上、アズにまでママダメと注意されてしまい抵抗は諦め力を抜くと広い胸にもたれかかる。
「すいません」
「これぐらいなんともねぇよ。いいからジッとしてろ」
「……ジーク?」
「あぁ?」
どことなく不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか。
縁を抱く仕草は優しいのだが、眉間による皺と普段より低めの声は彼の心情を現している。
何かしてしまっただろうかと思ったが、昨日の朝から今まで顔を合わせてなかった縁が何かしたとは考えにくい。
何があったか分からないが何も言ってこないのであればそっとしておいた方がいいだろうと気にしないことにするのであった。
突然のご報告ではありますがこの度私の腰が死んだことをご報告致します。
「これは……本当にヤバい」
あれだけ2人から求められた結果、縁は身体を動かすことができず今もベッドの住人と化している。
だが腰とそのさらに下の穴以外には他に問題がないためベッドの上で暇を持て余している縁であった。
その為意味のない言葉遊びをしてしまったが、その原因である番2人はというと縁を心配して仕事を休もうとしたため説教をして何とか仕事に行かせることができた。
心配してくれるのは嬉しいが、こんなことで他の住人に迷惑をかけることなどできない。
そんなSEXしすぎて動けなくなった番のために仕事休みますなんて口が裂けても言えない!言わせない!
と、縁は気にしていたが彼らがそういう行為をしていたことは皆にバレていたし、あんな小さく体力もない縁に2人相手なんて大丈夫なのかと心配されているなど縁が知ることはなかった。
「アズ?私のことはいいので遊びに行ってきていいんですよ?」
働く番2人の代わりではないが、動けない縁のために一生懸命世話をしてくれるアズに、そんなことはいいから遊んできなさいと言えば首を振るばかりで縁の側を離れないアズであった。
「きょうはアズがママといるの」
1日とは言え離れていたのが響いたのか、行った翌日の昼頃まで戻ってこなかったことにかなり寂しい思いをさせてしまったらしい。
そう。初めてだった相手にも関わらず2人に2回も挑まれ、そこから気絶していた縁は知らないがさらに2回ずつヤラれたことにより朝方やっと終わりを告げると、身体を清められベッドに寝かされた頃には翌日の昼頃になっていた。
「アズはパパたちが好きですか?」
「すき」
翌日やっと戻ってきた縁たちにアズは泣いて抱きつき中々離してくれなかった。
「パパたちが私たちとは違うことは分かりますか?」
「ちがう?みみ?」
やはり何となくは気がついていたようで、頭の上に手の平で耳を作るアズが可愛らしい。
「そうです。パパたちは人間ですがアズと私とはちょっとだけ違います」
1日でも離れて寂しさを感じるアズに教えておかなければ、発情期に入ったら寂しいからと構ってやることはできない。
「パパたちは狼と猫の血が少し入っているので可愛い耳と尻尾がついているんです。ここに住んでいる方たちにもアズと私とは違う耳の人たちがいたでしょう?」
「いた。ジークもあった」
最近はジークの後ろを付いて回るアズも分かっていたようだ。
「そうですね。なので私たちとは違う習慣があるんです」
「しゅうかん?」
「うーん、癖、ですかね。アズも何かあると爪を嚙るでしょ?」
なるべく分かりやすいよう言ってやれば、納得したのかうんうんと頷いている。
「それでですね。パパたちにもその癖があるんです。でもそれはそのまま放っておくと苦しくて辛いものです」
「パパいたいの?」
「そうですね。なのでパパたちが痛いのが治るように私がお手伝いしてるんです。けどそれは昨日みたいに一日で治るものでもないです。もしかしたら数日アズに会えないこともあるでしょう。でもそれはパパたちが痛い思いをしないように治している時間なのでアズはみんなと一緒に待っていてくれますか?」
「……ママあえないの?」
俯き寂しいと訴えてくるアズはもう可愛いくて仕方がない。
仕方がないが、これからのことも考えこればかりは納得してもらうしかないのだ。
「その代わり帰ってきたらアズのお願いを何でも1つ聞きましょう。私ができることに限りますが」
待ってくれていたご褒美だと言えばアズは嬉しそうに微笑んだ。
「ほんと?アズのおねがいきいてくれる?」
「私にできることであれば。もちろんパパたちでもいいですよ」
自分たちをパパと呼ぶのだからそれぐらい聞いてくれるだろう。
「まだいつかは分かりませんが考えていおいて下さい。もちろんスノーもね」
「うん!」
「キュァー」
アズと一緒に寝っ転がっていたスノーも縁の腕に巻きつき嬉しいと頭を擦り寄せてくる。
「こうして私が動けないのもパパたちのせいではありますが、逆にパパたちが治ったということでもあるんです。なのでパパたちを責めないであげて下さいね」
部屋に戻ってきた時に心配そうに世話をするアレンたちにアズも何か感じたのだろう。
パパたちのせいだと言うことはなかったが、仕事に向かうアレンたちの背を追い出すように押していたのを見ている。
「ほらお腹が空いたでしょ?みんなと食べに行ってきて下さい」
「ママは?」
「私はもうしばらくは動けなさそうなのでアズだけでもーー」
先に行ってきて下さいと言い終える前にノックの音と共にジークが顔を出した。
「……身体は?」
「腰がまだ辛いですがそれ以外は大丈夫です。ですが歩いて食堂まで無理そうなのでアズをお願いーーわっ」
ジークならば安心して任せられるとアズをお願いしようとしたが、その前にベッドから抱き起こされてしまい横抱きにされる。
所謂お姫様抱っこに今さら恥ずかしいとは思わないが、それをしているのがジークだと思えば恥ずかしさより申し訳ない。
「ジーク!」
「動けないんだろ?運んでやる。ほら行くぞアズ」
「うん!」
揺らぐことのない腕は頼もしい限りだがそこまで世話させるのは駄目だと暴れるが暴れるなとジークに怒られた上、アズにまでママダメと注意されてしまい抵抗は諦め力を抜くと広い胸にもたれかかる。
「すいません」
「これぐらいなんともねぇよ。いいからジッとしてろ」
「……ジーク?」
「あぁ?」
どことなく不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか。
縁を抱く仕草は優しいのだが、眉間による皺と普段より低めの声は彼の心情を現している。
何かしてしまっただろうかと思ったが、昨日の朝から今まで顔を合わせてなかった縁が何かしたとは考えにくい。
何があったか分からないが何も言ってこないのであればそっとしておいた方がいいだろうと気にしないことにするのであった。
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