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蹲る2人の少年。
「可愛いすぎるんですけどーー!」
「もう、もう!あの人はなんなんですか!」
床をゴロゴロと転がりヤバイヤバイと叫ぶ少年。
もうもう!と床を叩くのは銀髪のアルであった。
「花冠って!縁さんが一番似合ってるから!」
「舞い散る花にあの笑顔。ぜひとも写真に納めたかった」
いつものように仲良く縁の様子を覗いて(もはや隠さない)いた2人は花畑にダイブする辺りから可愛い縁の姿に悶えて仕方なかった。
はたから見れば芋虫のようだ。
「あぁやばい背中痛い」
「私は手が痛いです」
あの姿にしたのは自分たちとはいえ、あまりの縁の可愛いさに2人共人格崩壊寸前である。
「……しかし、あの人のおかげで少しは危機感を持ってくれればいいんですが」
放っておけば何をするか分からない縁は、嬉々として見慣れぬキノコやら何やらにすぐ手を出してしまう。
一緒にいるはずの番たちは注意するにはするのだが、いかんせん弱い(意志が)。
それに比べ、年齢的にも森で育った知識の多さでもジークは番2人には優っており、危ないことははっきり危ないと叱ってやれるのだ。
頼もしい存在にこれで少しは落ち着いてほしいと思うアルであった。
「それは僕も思うけど、でも、あーでもやっぱりイヤ。あーでも、縁さんに危ない目にあってほしくないし~」
また始まった。
うぜぇ。
「だから聞こえてるって!」
「だから知ってるっつってんでしょ!」
日増しにアルの言葉遣いが悪くなっていく気がする神であった。
「だいたいあの馬鹿王子はなんですか!あの馬鹿のせいであの獣人とも会うことになったんです。貴方が作った馬鹿のせいでこうなったんですから全て貴方のせいでしょう!」
「それは…そうだけど。でも、でもでも別に僕があいつを馬鹿に作ったわけじゃないもん!あいつが自分で勝手に馬鹿に育っただけで、別に僕が馬鹿になるようにあいつを作ったわけじゃないもん!」
確かにあの世界を作るにあたり、必要な人間などは作るには作ったが、そこから先は作られた人間の人生であり、自分で自分のことを決定していくのだ。
時々、神の神託として言葉を授けることもあるがそれ自体は些細なものだ。
人間たちが間違った解釈をしても何も言えず、間違ってるよと正すこともできない。
実際、獣人のことに関しても面白そうという思いだけで作ったが、人間たちによってあんなに冷遇されるとは思っていなかったのである。
人間より遥かに優れているにも関わらず自分たちより下と見なし、自分たちが神かのように振る舞う人間たちには呆れたものだった。
獣人たちが日々怯え慎ましく生きる中、己の私利私欲のために人を騙し、奪い、殺す醜い人間の姿には辟易していた。
だからと言ってはなんだが、縁の優しさに触れ、側にいると癒される。
「そうですね。私も言い過ぎました。が、結果的に愚かな人間を作りだしたのは貴方にはかわりないので、やはり貴方のせいです」
「だから僕じゃなくてあいつら馬鹿の責任でしょ!ったく、あいつらのせいで縁さんにまで嫌われたらどうしてくれるんだよ、あいつらーー!」
自業自得だろうが。
再び蹲るバカは放っておくと、アルはどこからともなくカメラを取り出す。
パシャパシャと音をさせながら3人仲良く花冠を被った姿を撮る、撮る、撮りまくる。
主に縁を中心に。
時々アズとジークに微笑む3人を。
迷うことなくシャッターを切る姿はどこぞのカメラマンのようであった。
「……僕も写真ほしい」
「ならちゃんと仕事して下さいね」
「はい」
仕事をちゃんとするのであれば恵んでやらんでもないというアルに頷くしかない神であった。
「可愛いすぎるんですけどーー!」
「もう、もう!あの人はなんなんですか!」
床をゴロゴロと転がりヤバイヤバイと叫ぶ少年。
もうもう!と床を叩くのは銀髪のアルであった。
「花冠って!縁さんが一番似合ってるから!」
「舞い散る花にあの笑顔。ぜひとも写真に納めたかった」
いつものように仲良く縁の様子を覗いて(もはや隠さない)いた2人は花畑にダイブする辺りから可愛い縁の姿に悶えて仕方なかった。
はたから見れば芋虫のようだ。
「あぁやばい背中痛い」
「私は手が痛いです」
あの姿にしたのは自分たちとはいえ、あまりの縁の可愛いさに2人共人格崩壊寸前である。
「……しかし、あの人のおかげで少しは危機感を持ってくれればいいんですが」
放っておけば何をするか分からない縁は、嬉々として見慣れぬキノコやら何やらにすぐ手を出してしまう。
一緒にいるはずの番たちは注意するにはするのだが、いかんせん弱い(意志が)。
それに比べ、年齢的にも森で育った知識の多さでもジークは番2人には優っており、危ないことははっきり危ないと叱ってやれるのだ。
頼もしい存在にこれで少しは落ち着いてほしいと思うアルであった。
「それは僕も思うけど、でも、あーでもやっぱりイヤ。あーでも、縁さんに危ない目にあってほしくないし~」
また始まった。
うぜぇ。
「だから聞こえてるって!」
「だから知ってるっつってんでしょ!」
日増しにアルの言葉遣いが悪くなっていく気がする神であった。
「だいたいあの馬鹿王子はなんですか!あの馬鹿のせいであの獣人とも会うことになったんです。貴方が作った馬鹿のせいでこうなったんですから全て貴方のせいでしょう!」
「それは…そうだけど。でも、でもでも別に僕があいつを馬鹿に作ったわけじゃないもん!あいつが自分で勝手に馬鹿に育っただけで、別に僕が馬鹿になるようにあいつを作ったわけじゃないもん!」
確かにあの世界を作るにあたり、必要な人間などは作るには作ったが、そこから先は作られた人間の人生であり、自分で自分のことを決定していくのだ。
時々、神の神託として言葉を授けることもあるがそれ自体は些細なものだ。
人間たちが間違った解釈をしても何も言えず、間違ってるよと正すこともできない。
実際、獣人のことに関しても面白そうという思いだけで作ったが、人間たちによってあんなに冷遇されるとは思っていなかったのである。
人間より遥かに優れているにも関わらず自分たちより下と見なし、自分たちが神かのように振る舞う人間たちには呆れたものだった。
獣人たちが日々怯え慎ましく生きる中、己の私利私欲のために人を騙し、奪い、殺す醜い人間の姿には辟易していた。
だからと言ってはなんだが、縁の優しさに触れ、側にいると癒される。
「そうですね。私も言い過ぎました。が、結果的に愚かな人間を作りだしたのは貴方にはかわりないので、やはり貴方のせいです」
「だから僕じゃなくてあいつら馬鹿の責任でしょ!ったく、あいつらのせいで縁さんにまで嫌われたらどうしてくれるんだよ、あいつらーー!」
自業自得だろうが。
再び蹲るバカは放っておくと、アルはどこからともなくカメラを取り出す。
パシャパシャと音をさせながら3人仲良く花冠を被った姿を撮る、撮る、撮りまくる。
主に縁を中心に。
時々アズとジークに微笑む3人を。
迷うことなくシャッターを切る姿はどこぞのカメラマンのようであった。
「……僕も写真ほしい」
「ならちゃんと仕事して下さいね」
「はい」
仕事をちゃんとするのであれば恵んでやらんでもないというアルに頷くしかない神であった。
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