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群雄進撃編
第293話 レジェンド・オブ・シュガー
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「エ~ン!吟ちゃんが死んじゃった~(泣)」
心配して地上の様子を、『MAHOOショッピング』で買った(分割払い)100インチ大型テレビで鑑賞中、吟子ちゃんが非業の死を遂げてしまった。
ルリエンは泣きながら、こたつの上に置いた菓子箱の菓子を爆食いしている。
「あぁ、もう!皆泣きだしちゃったじゃない!」
「あんたさぁ、何か神様の不思議な力かなんかで、何とかしてあげなさいよ!」
このエルフの女神、無茶苦茶なこと言い始めたな。
まぁ、気持ちはわかるし、何とかしてあげたいんだけどね。
[いや、俺ポイントほとんど残ってないし…]
『あのぉ~?』
「はぁ?もう!あんたがこんな大きなテレビ買うから、ポイント不足になるのよ!」
[いやいや!俺は50インチくらいでいいんじゃね?って、ちゃんと言ったじゃん!]
「まーた人のせいにする!私はそんなこと言ってませーん!」
『あのぉ~ちょっといいですか?』
「あーもう、うるさいわねぇ!お茶ならその辺にあるコップで勝手に飲みなさいよ!」
『は、はい!』
[おう、イラついたルリエンさんに話しかけるとは、Youなかなか根性あるね!…うん?]
『あ、ありがとうございますぅ~』
声の主は嬉しそうに、ちゃぶ台の上にあるポットからお湯を注ぎ、ハーブティーをコップに入れてすすりだす。
『これ、とってもおいしいですぅ!』
「でっしょ~!あんた分かってるじゃない!」
この言葉に、テレビに夢中のルリエンさんが向き直り、声の主に話しかける。
「このハーブはエルフの森にある特別な地にしか生えてない…って、ドライアドのドラちゃんじゃないじゃない!」
「あんた誰?!」
[うーん、誰でしょうねぇ?…って、君はさっきまでテレビに映ってた、悲劇のヒロイン『荻野吟子』じゃないか!!]
「そうだ!たった今テレビ内で死んだ吟ちゃんじゃない!」
「あんた、何でここにいるの?」
『さ、さぁ、なんでって言われましても…』
ルリエンさんの言葉に、自分の頭をなでながら困る吟子。
「とりあえずさ、握手して!」
『はい?』
「いや、なんかさ…テレビに映っていた人が目の前にいると、何かあなたが芸能人に見えて…」
『はぁ、そうなんですか?』
へぇ、ルリエンて、意外とにわかファン的なところがあるんだな。
とりあえず、ルリエンは吟子と握手する。
「それで?なんで死んだのに天国じゃなくて、こっち(神の世界)に来てるの?」
『え?ここ神の世界なんですか?』
[うん?もしや吟ちゃんって、ここが何処か分からずに来てしまった感じ?]
『はい、意識が無くなって、気付いたらここに来てまして…』
[え?え?どういう事?]
混乱する三人に、突然どこからもなく声が聞こえてきた。
【パンパカパ~ン!おめでとうございまっすー!】
【このたび荻野吟子さんは、前世からの徳を積みに積んだ結果、見事に神様になる権利を手に入れはりましたー!!】
「「「なんだってー!!!」」」
天の声に、三人そろって驚愕する。
[え?て事は、吟ちゃん神になるの?]
『え?え?えー!!!』
おいおい、吟ちゃんテンパって頭がクラッシュしかけているぞ?
[てか、あんた誰?]
【うち?よう聞いてくれたわ!】
【うちは最近この世界を任された『管理者のランちゃん』やで~!】
[管理者?はて?なんか遠い昔にそんな言葉を、聞いたことがあるような、ないような…]
[…ごめん、やっぱりなかったわ!]
【そんな訳あるか―!】
【あんたを送り出したんは、うちらの組織やろがい!!】
[…ああ!思い出した!]
[この俺を何の説明もなく、この世界に送り込んだクソ組織ね!]
【こら待て!うちの会社を『クソ組織』言うたらアカンやろー!!】
俺のディスりトークにキレる、管理者のラン。
何だこいつ?前の…名前忘れたけどクソ担当と違って、めちゃ元気いいな!
[いいや、クソだね!]
[俺はな!お前のところの…なんか甘い名前みたいなやつに紙切れ三枚でここに送り込まれたんだぞ!]
【ん?甘い名前のやつって…もしかして『レジェンド・佐藤』のことなんかな?】
[あ!そいつだ!確かそんな名前だった!…いや、レジェンドって何?!]
俺の質問に、管理者のランは突然神妙な口調になる。
【あいつな~、パワハラ上司に目ぇ付けられて、いろいろストレス溜めてたみたいやねん】
あぁ、そう言えばあいつ、初めて会った時も要領悪くて上司に怒られていたな…
まぁ、俺への後の対応とか考えたら、あいつの超適当な性格が、パワハラ上司のターゲットスコープにジャストフィットしたんだろうな…。
【ほんでな、ある日、でっかいボンゴシ(ハンマー)持って『おらー!!リアル・レッキングクルー?じゃぁ!!』とか叫びながら、組織のパソコンとサーバーを片っ端からぶっ壊していったんや!】
[おおう!佐藤のやつ、メチャクチャ荒ぶっとるなぁ]
因みに俺がいるこの世界が、サーバーで運用されていることを、今初めて知った。
【ほんで結局、最近になってサーバーのデータが復旧するまで、どこの世界もアクセスできんようになってしもたんや…】
なるほど!だからこっちの世界がほったらかされていたわけか。
【結局な、佐藤君はそのまま『警察』に連れてかれて、今も拘置所におるねん】
…うん、それはもう仕方ないね。
しかし、これで俺もこの管理者のアドバイスを聞きながら、やっと『真の神への道』を進める事になるわけだな!
そして俺の『本当の神様生活』は、遂に幕を開けることになった。
心配して地上の様子を、『MAHOOショッピング』で買った(分割払い)100インチ大型テレビで鑑賞中、吟子ちゃんが非業の死を遂げてしまった。
ルリエンは泣きながら、こたつの上に置いた菓子箱の菓子を爆食いしている。
「あぁ、もう!皆泣きだしちゃったじゃない!」
「あんたさぁ、何か神様の不思議な力かなんかで、何とかしてあげなさいよ!」
このエルフの女神、無茶苦茶なこと言い始めたな。
まぁ、気持ちはわかるし、何とかしてあげたいんだけどね。
[いや、俺ポイントほとんど残ってないし…]
『あのぉ~?』
「はぁ?もう!あんたがこんな大きなテレビ買うから、ポイント不足になるのよ!」
[いやいや!俺は50インチくらいでいいんじゃね?って、ちゃんと言ったじゃん!]
「まーた人のせいにする!私はそんなこと言ってませーん!」
『あのぉ~ちょっといいですか?』
「あーもう、うるさいわねぇ!お茶ならその辺にあるコップで勝手に飲みなさいよ!」
『は、はい!』
[おう、イラついたルリエンさんに話しかけるとは、Youなかなか根性あるね!…うん?]
『あ、ありがとうございますぅ~』
声の主は嬉しそうに、ちゃぶ台の上にあるポットからお湯を注ぎ、ハーブティーをコップに入れてすすりだす。
『これ、とってもおいしいですぅ!』
「でっしょ~!あんた分かってるじゃない!」
この言葉に、テレビに夢中のルリエンさんが向き直り、声の主に話しかける。
「このハーブはエルフの森にある特別な地にしか生えてない…って、ドライアドのドラちゃんじゃないじゃない!」
「あんた誰?!」
[うーん、誰でしょうねぇ?…って、君はさっきまでテレビに映ってた、悲劇のヒロイン『荻野吟子』じゃないか!!]
「そうだ!たった今テレビ内で死んだ吟ちゃんじゃない!」
「あんた、何でここにいるの?」
『さ、さぁ、なんでって言われましても…』
ルリエンさんの言葉に、自分の頭をなでながら困る吟子。
「とりあえずさ、握手して!」
『はい?』
「いや、なんかさ…テレビに映っていた人が目の前にいると、何かあなたが芸能人に見えて…」
『はぁ、そうなんですか?』
へぇ、ルリエンて、意外とにわかファン的なところがあるんだな。
とりあえず、ルリエンは吟子と握手する。
「それで?なんで死んだのに天国じゃなくて、こっち(神の世界)に来てるの?」
『え?ここ神の世界なんですか?』
[うん?もしや吟ちゃんって、ここが何処か分からずに来てしまった感じ?]
『はい、意識が無くなって、気付いたらここに来てまして…』
[え?え?どういう事?]
混乱する三人に、突然どこからもなく声が聞こえてきた。
【パンパカパ~ン!おめでとうございまっすー!】
【このたび荻野吟子さんは、前世からの徳を積みに積んだ結果、見事に神様になる権利を手に入れはりましたー!!】
「「「なんだってー!!!」」」
天の声に、三人そろって驚愕する。
[え?て事は、吟ちゃん神になるの?]
『え?え?えー!!!』
おいおい、吟ちゃんテンパって頭がクラッシュしかけているぞ?
[てか、あんた誰?]
【うち?よう聞いてくれたわ!】
【うちは最近この世界を任された『管理者のランちゃん』やで~!】
[管理者?はて?なんか遠い昔にそんな言葉を、聞いたことがあるような、ないような…]
[…ごめん、やっぱりなかったわ!]
【そんな訳あるか―!】
【あんたを送り出したんは、うちらの組織やろがい!!】
[…ああ!思い出した!]
[この俺を何の説明もなく、この世界に送り込んだクソ組織ね!]
【こら待て!うちの会社を『クソ組織』言うたらアカンやろー!!】
俺のディスりトークにキレる、管理者のラン。
何だこいつ?前の…名前忘れたけどクソ担当と違って、めちゃ元気いいな!
[いいや、クソだね!]
[俺はな!お前のところの…なんか甘い名前みたいなやつに紙切れ三枚でここに送り込まれたんだぞ!]
【ん?甘い名前のやつって…もしかして『レジェンド・佐藤』のことなんかな?】
[あ!そいつだ!確かそんな名前だった!…いや、レジェンドって何?!]
俺の質問に、管理者のランは突然神妙な口調になる。
【あいつな~、パワハラ上司に目ぇ付けられて、いろいろストレス溜めてたみたいやねん】
あぁ、そう言えばあいつ、初めて会った時も要領悪くて上司に怒られていたな…
まぁ、俺への後の対応とか考えたら、あいつの超適当な性格が、パワハラ上司のターゲットスコープにジャストフィットしたんだろうな…。
【ほんでな、ある日、でっかいボンゴシ(ハンマー)持って『おらー!!リアル・レッキングクルー?じゃぁ!!』とか叫びながら、組織のパソコンとサーバーを片っ端からぶっ壊していったんや!】
[おおう!佐藤のやつ、メチャクチャ荒ぶっとるなぁ]
因みに俺がいるこの世界が、サーバーで運用されていることを、今初めて知った。
【ほんで結局、最近になってサーバーのデータが復旧するまで、どこの世界もアクセスできんようになってしもたんや…】
なるほど!だからこっちの世界がほったらかされていたわけか。
【結局な、佐藤君はそのまま『警察』に連れてかれて、今も拘置所におるねん】
…うん、それはもう仕方ないね。
しかし、これで俺もこの管理者のアドバイスを聞きながら、やっと『真の神への道』を進める事になるわけだな!
そして俺の『本当の神様生活』は、遂に幕を開けることになった。
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