神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第290話 ワイバーン襲来

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「ディック隊長、見つけましたよ!」

上空から索敵をしていた、ワイバーンの一匹が桓騎たちの戦闘を発見する。

「オーケーオーケー!こいつぁー絶好のチャンスで行けそうだな!」

ディックは、軽快なトークで仲間のワイバーン達に話し出す。

「みんな、聞いてるか!」

「今日はゲストに喜んでもらおうと、俺たちはパーティーの準備をしてやってきたわけだ!」

「しかし残念なことに、ターゲットの虎共はキング・ピットの仲間を追い回すのに夢中で、俺たちの事に気づいていない…」

「オ~、何てこったい!」

「俺たちは山脈を越えて、わざわざ逢いに来てやったっていうのによ!」

翼をすくめ、不満を漏らすワイバーン達。

「オーケーみんな!」

「そんな連れない奴らのケツに、キツイのを一発ぶちかましてやろうぜ!」

ディックは全員に号令する。

「さあ、ショータイムの始まりだ!」

「「「アイアイサー!!!」」」

ディックの言葉で、味方の士気は一気に上がった。

副隊長のグリフィーが攻撃開始のカウントダウンを始める。

「カウントダウン!3!2!1!」

「アターック!」

ディックの掛け声で、ワイバーン十体は一気に急降下を始めた。

上空を見あげた白起は、門が開いた江戸の城下町へと一気に走り出す。

「おい白起!何処に行くんだよ!」

焦って質問する桓騎に、白起は振り返り一言だけ告げる。

「死にたくなければ、私に付いてこい」

「何?!」

何故かを考えるよりも、白起に従った方が得策と瞬時に察知した桓騎は、部下たちに号令し白起の後を追う。

「プレゼントだ!受け取れ!」

ワイバーン達は、進む白起たちの鼻先に次々と爆弾を落とし始めた。

駆ける白起たちの騎馬前方で次々と起こる爆発。

その爆撃を避けるように、白起たちは右へ右へと進路を変える。

「おい白起!これはどう見ても誘導されているぞ!」

「…」

「おい!何とか言え!」

「…黙って付いてこい」

「チッ!」

白起の言葉に、不満ながらも付いていくしかない桓騎。

「グリフィー!奴らを各個撃破するぞ!」

「アイアイサ―!」

爆撃を終えたワイバーン達は二手に分かれ、前方の白起隊と後方の桓騎隊へ同時攻撃を始めた。

「くそが!くらえ!『氷刃嵐!』」

桓騎は駆けながら無数の氷の刃を飛ばすが、離散するワイバーンには当たらない。

そのうちの一頭が、桓騎隊の後方に張り付く。

「オーケーいい子だ!そのまま、そのまま…」

ワイバーンの一体が、桓騎隊の後方より炎のブレスを仕掛けようとした時、白起の前方より多数の石矢が飛んできた。

「おっと、伏兵か?」

追撃していたワイバーンは、ブレスをあきらめUターンし、弓の攻撃を振り切る。

「敵の魔法か?現れた兵を一気に潰すぞ!」

上空で待機していた副隊長のグリフィーは、二体を連れてゴーレム弓兵の掃討に掛かる。

突然、グリフフィーたちは全身に衝撃を受ける。

「アウチ!今度は何だ?」

グリフィーたちは周りを見渡すと、ゴーレム弓兵の更に外部に『投石機』を配置し、岩を次々と撃ち込んできた。

「フ××ク!!こいつら逃げるふりして、俺たちを投石機の射程に誘い込みやがった!!」

いくら固いウロコに守られたワイバーンでも、投石機による攻撃はダメージを受けてしまう。

「チッ!一旦上空へ離脱する!!」

グリフィーたちは攻撃を中断し、上空へ舞い上がる。

それと同時に白起たちは、一気に城門の方角へ駆けはじめる。

「グリフィー!投石機は俺がやるから、お前たちは白起を追撃しろ!」

ディックはそう言うと、ワイバーンの体が黄金に輝きだす。
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