神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

文字の大きさ
上 下
290 / 317
群雄進撃編

第289話 傭兵団「ストレンジャーズ」

しおりを挟む
「ひゃはははは!貴様ら詰んだな!」

白起の援軍到来に勝利を確信した、桓騎の下種びた笑い声が周囲に響く。

桓騎の左右で構える韓滔と彭玘に向かって、桓騎は斧槍を大地に立て話しだす。

「しかーし!貴様らをここで殺すには非常~に惜しい!」

そう言うと、桓騎は斧槍を体にもたれさせ、腕を組み、目を瞑る。

「そこで、お前たちに提案だ!」

「提案だと?」

眉を顰める二人に、桓騎は片眼を開けてにやりと笑う。

「お前ら!ストレンジャーズの傭兵になれ!」

「「何だと?!」」

驚く韓滔と彭玘に、桓騎は続ける。

「俺たちストレンジャーズは、常に強い奴・能力を持った奴を探している!」

「そして俺らは、過去や前世の行いは一切問わない!」

「何を隠そう、俺も元は宋国の盗賊だったのだからな!」

「お前らもその実力があれば、すぐにでも傭兵団の軍団長になれるだろう!」

自信満々に答える桓騎の言葉に、二人は納得する。

「盗賊…なるほどな」

「つまり貴様らの組織は、無法者の獣の集まりと言う事だな!」

二人の言葉に、桓騎は鼻で笑う。

「ふん!獣ねぇ…言うじゃね~か!」

桓騎は立てた斧槍を両手に持ち直す。

「交渉決裂って事だな?」

「丁度白起の野郎も来たことだし、せいぜいその獣に蹂躙される『この世界』を、地獄で眺めているのだな!」

桓騎は斧槍を頭上で回転させ、不敵な笑みを浮かべる。

「白起!俺様はこいつらを血祭りにあげるから、こいつらの手下を殺ってくれ!」

気が付けば、白起の兵団は到着し、三人の下で足を止めていた。

満面の笑みを浮かべ指示する桓騎に、白起は予想外の答えを返す。

「桓騎、さっさと撤退するぞ」

「はぁー??」

白起の言葉に、拍子抜けの返事をする桓騎。

「おい!何で敵の部隊が壊滅寸前なのに、俺たちが逃げなきゃいけねぇんだよ!!」

怒る桓騎に、白起は無表情で答える。

「敵の援軍が来たからだ」

白起の一言に、更に問い詰める桓騎。

「敵の援軍?そんな奴ら一体どこにいるんだよ!!」

「清正の奴らは、お前の策に引っかかって、慌てて丘を降りて来ている途中じゃねーか!!」

呼延灼と清正は、白起の姿を確認して戻り始めたばかりであり、白起の連れた兵団があれば十分に各個撃破できる時間があった。

「奴らではない」

「…ふん!貴様がモタモタしておるから、敵の援軍が来てしまった」

そう言って、白起は上空を見あげる。

桓騎もつられて上空を見る。

「な、何だあれは?」

「龍?…龍の集団が上空に群がっている?!」

桓騎がそう呟いた瞬間、上空にいた龍たちが一斉に急降下を始めた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。

西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ? なぜです、お父様? 彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。 「じゃあ、家を出ていきます」

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

聖獣達に愛された子

颯希
ファンタジー
ある日、漆黒の森の前に子供が捨てられた。 普通の森ならばその子供は死ぬがその森は普通ではなかった。その森は..... 捨て子の生き様を描いています!! 興味を持った人はぜひ読んで見て下さい!!

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

処理中です...