神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第288話 丘の上を目指せ!

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韓滔・彭玘が桓騎に対峙する中、呼延灼・清正は無限とも思える敵兵との戦いを繰り広げていた。

戦闘が始まって10分、既に八百体以上破壊している二人。

しかし、ゴーレム兵は休む間もなく、次々と二人に襲い掛かってくる。

「おい清正!こいつらどれほど残っておるか、上空から確認してくれ!」

「あい、分かった!」

清正は飛び上がり、あたりを見渡す。

「これは…」

状況を見た清正は絶句する。

「どうした清正!早く言え!」

闘いながら催促する呼延灼に、清正は説明する。

「…ありのままを話すぞ」

「このゴーレム兵共、破壊されると同時に、後方で新しく再生しておる!」

「なんだと!」

前線で二人に破壊されたゴーレムたちは、後方で次々と再生し、再び二人に襲い掛かってくる。

(このままでは朝から闘い続きの我々の方が、先に体力が尽きてしまうぞ!)

意を決した呼延灼は、上空の清正に叫ぶ。

「清正!ここは一気に突っ切るぞ!」

「応!」

二人は呼吸を合わせ、敵陣に一気に斬り込んでいく。

呼延灼の乗る馬『踢雪烏騅』は、状況を瞬時に判断しゴーレム兵の隙間を抜け、飛び越える。

踢雪烏騅を狙ってくる槍兵の矛先を、呼延灼の鞭と低空で飛ぶ清正の槍が、次々と弾き破壊する。

やがてゴーレム兵の壁を突破し、正面に丘の登り口が見えてくる。

それと同時に弓兵が、一斉に土の矢を無数に撃ち込み始めた。

しかし、それでも二人は止まらない。

次々と降り注ぐ石の矢を叩き落とし、弓兵のゴーレムを一気に粉砕する。

「よし!白起は目前だ!」

弓兵を倒した二人は、一気に丘を駆けあがり、遂に白起と対峙する。

白起を守る近衛兵らしき5名が、二人へ一気に襲い掛かる。

「「やはり、こいつらか!!」」

白起を守る兵は、桓騎・呼延灼・清正・韓滔・彭玘のゴーレムたち。

呼延灼と清正、そして踢雪烏騅は申し合わせしたかのように、一斉に三方向へ散る。

ゴーレム兵たちは、あらかじめ二手に分かれると踏んでいたのか、呼延灼と清正への対処へと回り、踢雪烏騅は白起に向かって、ここまで温存していたありったけの魔力で『旋風』を撃ち込んだ。

踢雪烏騅の風魔法は、虚を突かれた白起を次々と斬り裂いていく。

遂に白起は、その場に粉々になって崩れ落ちた。

「土塊だと?こいつもゴーレムだったのか!」

「ならば本体はどこだ?!」

ゴーレムの桓騎たちを倒した二人はあたりを見渡す。

「いた!あそこだ!」

呼延灼が指す鞭の先には、騎馬に乗った白起と思われる武将が、騎兵隊を連れて韓滔と彭玘たちが戦う戦場へ向かっていた。

「「しまった!!白起の策に嵌められた!!」」

二人は丘を駆け下り、韓滔たちの救援へと向かう。
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