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群雄進撃編
第287話 コンビプレー
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桓騎と20名の騎兵は、韓滔・彭玘の率いる装甲騎兵との戦いに入っていた。
「くそ~!こいつらの鎧が固くて剣が通らねえ!」
ジュラルミンでできた装甲騎兵が装備する軽量の鎧は、剣や弓の攻撃をなかなか受け付けない。
更に、装甲騎兵は二人一組となり、二頭の間から光のロープ放ち、桓騎の騎兵へ飛ばし動きを止める。
「うわっ!敵が飛ばした『光のロープ』が、体に巻きついて動けん!」
「ええい!さっさと引きちぎれ!」
拘束自体は大したことなくすぐ解けるのであるが、光のロープを次々と撃ち込んで来る為に、武器に巻きついたり桓騎兵同士が絡まったりと、かなりの嫌がらせとなっていた。
もっとも、装甲騎兵たちの疲弊が激しいため、戦うよりも少しの魔力を使い足止めに徹しているのであるが…。
(チッ、こいつら!しけた技を上手く使って、子分たちを上手く足止めしやがる!!)
桓騎は韓滔・彭玘を同時に相手しながら、敵の戦い方に苛立ちを募らせる。
地上に降り立った三人は既に獣人化しており、韓滔と彭玘はスキルを使わずに、連係プレーを駆使して桓騎へ攻撃を仕掛け続ける。
「桓騎よ!貴様の残虐さは虎の姿そのままだが、強さはヤマネコ程度のようだな!」
「へっ!呼延灼のおまけ共が何を言ってやがる!」
彭玘の挑発に怒った桓騎は、槍撃を彭玘へ集中させる。
それと同時に完全に豹となった韓滔が、一瞬で桓騎の背中に近づき鎧ごと爪を立てて掻き切る。
「うぐっ!雑魚が!」
鎧と毛皮で傷は大したことはないが、その分桓騎の頭には血が上る。
後ろに向かって斧槍を横振りするも、韓滔は既に後ろへと飛び退き、獣人から瞬時に豹へと変身した彭玘が、飛びつき桓騎の後頭部を横殴りにする。
「痛てっ!この野郎!」
桓騎が後ろに目をやると同時に、今度は獣人へと戻った韓滔が剣を抜き、桓騎の腹を横払いで斬り抜く。
間一髪で躱した桓騎を、再度豹の姿の彭玘が右腕に噛みつく。
「くそゴミ共が!もう許さん!」
『氷刃嵐(ひょうじんらん)!』
桓騎はスキル発動と同時に斧槍を振り回し、槍先から現れた無数の氷の刃が、嵐のように韓滔と彭玘を襲う。
二人は一気に後方へ距離を取り、飛んでくる氷刃を紙一重で躱し続ける。
やがて氷刃は収まり、桓騎が叫ぶ。
「どうした猫共!さっきのように襲ってきたらどうだ!」
桓騎の挑発を聞き、獣人の姿に戻り、15メートルほど離れて構える韓滔と彭玘。
深手は追っていないが、体のあちこちに傷を負っていた。
(…まったく、能力を使わずに戦うのが、これほど骨が折れる事とは…)
(…このままこいつをスキル無しで倒すのは、今のままでは大変だな…)
((さて、どうやってこいつを倒すかな?))
対極に離れる二人だが、何故か考える事は同じだった。
一方、桓騎の方も今後の対応を考える。
(いくら奴らの攻撃が軽いとはいえ、これ以上受け続けるとどうなるか分からん!)
(白起の奴め、さっさと援軍をよこしやがれ!)
そんな桓騎の願いが届いたのか、白起の陣から土煙を上げて騎兵団が向かってくる。
((最悪だ!白起からの援軍だ!!))
(よし!これでこいつらを血祭りにあげられる!)
白起からの騎兵の援軍に、焦る韓滔と彭玘に対し、勝利を確信する桓騎。
((呼延灼将軍、どうやらこちらはここまでのようです…))
韓滔と彭玘は覚悟を決める。
「くそ~!こいつらの鎧が固くて剣が通らねえ!」
ジュラルミンでできた装甲騎兵が装備する軽量の鎧は、剣や弓の攻撃をなかなか受け付けない。
更に、装甲騎兵は二人一組となり、二頭の間から光のロープ放ち、桓騎の騎兵へ飛ばし動きを止める。
「うわっ!敵が飛ばした『光のロープ』が、体に巻きついて動けん!」
「ええい!さっさと引きちぎれ!」
拘束自体は大したことなくすぐ解けるのであるが、光のロープを次々と撃ち込んで来る為に、武器に巻きついたり桓騎兵同士が絡まったりと、かなりの嫌がらせとなっていた。
もっとも、装甲騎兵たちの疲弊が激しいため、戦うよりも少しの魔力を使い足止めに徹しているのであるが…。
(チッ、こいつら!しけた技を上手く使って、子分たちを上手く足止めしやがる!!)
桓騎は韓滔・彭玘を同時に相手しながら、敵の戦い方に苛立ちを募らせる。
地上に降り立った三人は既に獣人化しており、韓滔と彭玘はスキルを使わずに、連係プレーを駆使して桓騎へ攻撃を仕掛け続ける。
「桓騎よ!貴様の残虐さは虎の姿そのままだが、強さはヤマネコ程度のようだな!」
「へっ!呼延灼のおまけ共が何を言ってやがる!」
彭玘の挑発に怒った桓騎は、槍撃を彭玘へ集中させる。
それと同時に完全に豹となった韓滔が、一瞬で桓騎の背中に近づき鎧ごと爪を立てて掻き切る。
「うぐっ!雑魚が!」
鎧と毛皮で傷は大したことはないが、その分桓騎の頭には血が上る。
後ろに向かって斧槍を横振りするも、韓滔は既に後ろへと飛び退き、獣人から瞬時に豹へと変身した彭玘が、飛びつき桓騎の後頭部を横殴りにする。
「痛てっ!この野郎!」
桓騎が後ろに目をやると同時に、今度は獣人へと戻った韓滔が剣を抜き、桓騎の腹を横払いで斬り抜く。
間一髪で躱した桓騎を、再度豹の姿の彭玘が右腕に噛みつく。
「くそゴミ共が!もう許さん!」
『氷刃嵐(ひょうじんらん)!』
桓騎はスキル発動と同時に斧槍を振り回し、槍先から現れた無数の氷の刃が、嵐のように韓滔と彭玘を襲う。
二人は一気に後方へ距離を取り、飛んでくる氷刃を紙一重で躱し続ける。
やがて氷刃は収まり、桓騎が叫ぶ。
「どうした猫共!さっきのように襲ってきたらどうだ!」
桓騎の挑発を聞き、獣人の姿に戻り、15メートルほど離れて構える韓滔と彭玘。
深手は追っていないが、体のあちこちに傷を負っていた。
(…まったく、能力を使わずに戦うのが、これほど骨が折れる事とは…)
(…このままこいつをスキル無しで倒すのは、今のままでは大変だな…)
((さて、どうやってこいつを倒すかな?))
対極に離れる二人だが、何故か考える事は同じだった。
一方、桓騎の方も今後の対応を考える。
(いくら奴らの攻撃が軽いとはいえ、これ以上受け続けるとどうなるか分からん!)
(白起の奴め、さっさと援軍をよこしやがれ!)
そんな桓騎の願いが届いたのか、白起の陣から土煙を上げて騎兵団が向かってくる。
((最悪だ!白起からの援軍だ!!))
(よし!これでこいつらを血祭りにあげられる!)
白起からの騎兵の援軍に、焦る韓滔と彭玘に対し、勝利を確信する桓騎。
((呼延灼将軍、どうやらこちらはここまでのようです…))
韓滔と彭玘は覚悟を決める。
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