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群雄進撃編
第281話 郭汜の相手はヤバい奴
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郭汜は斧槍を突き、斬り払い必死に小松を攻撃するが、彼女は華麗に躱し続ける。
「どうした、どうした!逃げてばかりでは、俺を倒せんぞ!」
「それとも何か?俺と戦うのが怖くて逃げまわっているのか?」
「まあ、なんて頭の悪い挑発でしょう!まるで巴さんと話しているようですわ!」
「当てたければ、どーぞご勝手に!」
笑いながらも、体をくるくると回しながら躱す小松。
「てめぇ、この!」
怒った郭汜の指4本を、瞬く間に斬り落とす小松。
「あら、のろのろと動いて…再生できるからと言って、わざと斬られて下さったのです?」
「くそ!黙れ!」
郭汜は後ろに飛び退き、片手で斧槍を持ち防御の構えを取る。
(なんだ?まったく太刀筋が見えなかった!)
ジッとしている郭汜の指が徐々に再生するのを見て、小松が悲鳴を上げる。
「ヒッ!その再生の姿、やっぱり気持ち悪いですわ!」
小松は薙刀を背負い、背中に収納していた羽を出す。
「なんだ?綺麗なお嬢さんかと思ったら、正体はハエだったのか!」
もちろん、郭汜はただの挑発で言ったつもりだったのだが、この言葉は小松の逆鱗に触れまくった。
「はぁ?あなた、私を怒らせましたわね!」
「いいでしょう…その挑発、乗って差し上げあげますわ!」
小松は鬼の形相へと変わる。
「おう!掛かってこいや!」
郭汜がそう言い終えると同時に、一瞬で目の前に小松が現れた。
防ぐ間もなく、郭汜の体のあちこちから激痛が走る。
「うぎゃー!!」
苦し紛れに郭汜は斧槍を振り払うも、既に小松は5mほど後退し、横髪を指に巻き遊んでいた。
「き、貴様!一体何をした!」
血相を変えて聞く郭汜に、小松は笑みを浮かべて答える。
「別に…あなたが隙だらけでしたので、全身に毒針を刺してあげました」
「はぁ?!」
訳が分からず返事する郭汜の体の至る所から、煙と腐った匂いが立ち込め始める。
「うぎゃ―!熱い!熱い!」
「うぎゃうぎゃとうるさい方です事!もう少し静かに悲鳴を上げていただけません?」
「貴様―!一体何を、何を注入したー!!」
郭汜の必死の言葉に、小松は胸にしまっておいた扇子を拡げ、口元に当てて説明する。
「ホホホ!私が撃って差し上げたのは、腐食性の毒ですよ?」
「なん…だと?」
郭汜の体のあちこちに打ちこまれた腐食が、徐々に広がり始め煙の量が増える。
「あらあら、どうやらあなたの再生力より、私が打った腐食毒の進行速度のほうが早いようですわね?」
郭汜の腐食は一気に進み、手足がちぎれて床に転がった。
「あわわわわ、た、頼む!助けてくれー!」
「…いやですわ!あなた臭いですし、助ける義理もございませんので!」
懇願する郭汜に、冷たく答える小松。
やがて腐食は、郭汜の脳と心臓へ達する。
「あわわわ!いやだ!死にたくない!死にたくない!」
「あーあ…」
郭汜の体は完全に溶けてしまい、床にシミだけが残った。
「あら、消えてなくなてしまいましたの?」
そのシミの匂いにつられて、数匹のハエが寄って来る。
「まぁ!あなたが待ち望んだハエたちが、早速貴方のところに群がってきましたわよ?」
高笑いをする小松の声が、郭汜との戦いの勝利宣言となった。
「どうした、どうした!逃げてばかりでは、俺を倒せんぞ!」
「それとも何か?俺と戦うのが怖くて逃げまわっているのか?」
「まあ、なんて頭の悪い挑発でしょう!まるで巴さんと話しているようですわ!」
「当てたければ、どーぞご勝手に!」
笑いながらも、体をくるくると回しながら躱す小松。
「てめぇ、この!」
怒った郭汜の指4本を、瞬く間に斬り落とす小松。
「あら、のろのろと動いて…再生できるからと言って、わざと斬られて下さったのです?」
「くそ!黙れ!」
郭汜は後ろに飛び退き、片手で斧槍を持ち防御の構えを取る。
(なんだ?まったく太刀筋が見えなかった!)
ジッとしている郭汜の指が徐々に再生するのを見て、小松が悲鳴を上げる。
「ヒッ!その再生の姿、やっぱり気持ち悪いですわ!」
小松は薙刀を背負い、背中に収納していた羽を出す。
「なんだ?綺麗なお嬢さんかと思ったら、正体はハエだったのか!」
もちろん、郭汜はただの挑発で言ったつもりだったのだが、この言葉は小松の逆鱗に触れまくった。
「はぁ?あなた、私を怒らせましたわね!」
「いいでしょう…その挑発、乗って差し上げあげますわ!」
小松は鬼の形相へと変わる。
「おう!掛かってこいや!」
郭汜がそう言い終えると同時に、一瞬で目の前に小松が現れた。
防ぐ間もなく、郭汜の体のあちこちから激痛が走る。
「うぎゃー!!」
苦し紛れに郭汜は斧槍を振り払うも、既に小松は5mほど後退し、横髪を指に巻き遊んでいた。
「き、貴様!一体何をした!」
血相を変えて聞く郭汜に、小松は笑みを浮かべて答える。
「別に…あなたが隙だらけでしたので、全身に毒針を刺してあげました」
「はぁ?!」
訳が分からず返事する郭汜の体の至る所から、煙と腐った匂いが立ち込め始める。
「うぎゃ―!熱い!熱い!」
「うぎゃうぎゃとうるさい方です事!もう少し静かに悲鳴を上げていただけません?」
「貴様―!一体何を、何を注入したー!!」
郭汜の必死の言葉に、小松は胸にしまっておいた扇子を拡げ、口元に当てて説明する。
「ホホホ!私が撃って差し上げたのは、腐食性の毒ですよ?」
「なん…だと?」
郭汜の体のあちこちに打ちこまれた腐食が、徐々に広がり始め煙の量が増える。
「あらあら、どうやらあなたの再生力より、私が打った腐食毒の進行速度のほうが早いようですわね?」
郭汜の腐食は一気に進み、手足がちぎれて床に転がった。
「あわわわわ、た、頼む!助けてくれー!」
「…いやですわ!あなた臭いですし、助ける義理もございませんので!」
懇願する郭汜に、冷たく答える小松。
やがて腐食は、郭汜の脳と心臓へ達する。
「あわわわ!いやだ!死にたくない!死にたくない!」
「あーあ…」
郭汜の体は完全に溶けてしまい、床にシミだけが残った。
「あら、消えてなくなてしまいましたの?」
そのシミの匂いにつられて、数匹のハエが寄って来る。
「まぁ!あなたが待ち望んだハエたちが、早速貴方のところに群がってきましたわよ?」
高笑いをする小松の声が、郭汜との戦いの勝利宣言となった。
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