278 / 317
群雄進撃編
第277話 江戸城の中のアリス
しおりを挟む
「ねえキャロル先生、あの人たちは誰なの?」
「あ、あれはねアリス、わ、私やと、友達をい、いじめる悪い人たちだよ」
「まぁ!なんでそんなひどいことをするのかしら?」
「き、きっと…私たちがし、幸せになるのをね、妬んでいるのだよ」
「だ、だからね、アリス…み、みんなを守る為に、と、トランプの兵隊さんたちが、が、頑張ってくれているのだよ」
「そうなのね!でも、ハートのジャックさんがいないよ?」
「か、彼は女王様の大事なものをど、泥棒したから、と、トランプの兵隊さんをやめちゃったのだよ…」
「そうなのね…」
「さあアリス、こ、ここはいいから、皆をいじめている、も、もう一人の悪い人を懲らしめに行こう!」
「うん、わかった!」
「グリフォンさん、ここはお願いね!」
そう話した二人は、壁に掛けられた鏡の中へと入っていった。
一方、誾千代は痛みを堪え、大村元帥のもとへと急ぐ。
(思うように先へ進めない!)
通路の至る所が破壊されており、廊下を塞がれたところが何カ所もある為、抜け道を探しながら地下に進む誾千代。
複数回の爆発音により城が揺れる中、誾千代はやっとの思いで軍議室へ到着する。
「こ、これは…」
誾千代の目の前には、かつて軍議室と呼ばれた瓦礫の山が広がっていた。
その中で複数の『白い兵』たちと戦うだんだら模様の隊士たち。
「篠原殿!」
「おお、千代ちゃん!丁度良かところにきた!」
「少し前に、こいつらが突然現れて奇襲ば受けた!」
「こっちは良かけん、そっちで倒れとる大村さんたちば頼む!」
そう話しながら、次々と白い兵士を斬り倒す篠原。
目線の先には、うつぶせに倒れた大村元帥であろう猿の獣人と、女の子が一人、オークに両腕を掴まれて吊るされていた。
「吟子―!」
「千代ちゃん…にげて…」
状況を見てすぐさま判断した誾千代は吟子を捕らえた者に突撃するが、同じく現れた二人のオークに行く手を阻まれる。
「何じゃ~お前は!」
「うほっ!良い女!華雄(かゆう)将軍!こいつは俺たちが貰っていいですか?」
二人の獣人の言葉を聞き、面倒くさそうに振り返る華雄。
「なんじぁ?李傕(りかく)に郭汜(かくし)!俺はいまお楽しみ中なんじゃ!」
怒った華雄は、片手に持った吟子を誾千代に投げつける。
「きゃー!!」
「危ない!」
体で吟子を受け止めた誾千代だったが、その衝撃で腹部に激痛が走った。
(痛っ!)
硬直した誾千代を、華雄のこん棒が二人をもろとも吹き飛ばし、壁に激突した。
「キャッ!」
「ウッ!」
壁に衝突したことで、吟子は気を失い、誾千代は意識朦朧となる。
「よっしゃ~大当たり!」
華雄たちは笑みを浮かべながら、誾千代たちに近寄ってくる。
「うほっ!こりゃ二人とも俺の好みじゃね~か!」
「ぎゃはははは!こりゃぶっ壊れるまで楽しめそうだぜ!」
華雄の下種な笑いに、李傕と郭汜も一緒に笑いだす。
「…この…豚野郎が!」
朦朧とする意識の中で呟いた、誾千代の顎先をつまんだ華雄は、視線を自分の目に無理やり合わせる。
「おい…言葉遣いに気を付けろよ!」
「これから俺はお前のご主人様となり、いろいろと奉仕しなくてはいけない立場なのだからな!」
「李傕!郭汜!そっちの女はお前たちの好きにしろ!」
「よっしゃー!!」
華雄の言葉に歓喜する二人。
三人はその場で、誾千代たちの装備を剥ぎ取り始めた。
「あ、あれはねアリス、わ、私やと、友達をい、いじめる悪い人たちだよ」
「まぁ!なんでそんなひどいことをするのかしら?」
「き、きっと…私たちがし、幸せになるのをね、妬んでいるのだよ」
「だ、だからね、アリス…み、みんなを守る為に、と、トランプの兵隊さんたちが、が、頑張ってくれているのだよ」
「そうなのね!でも、ハートのジャックさんがいないよ?」
「か、彼は女王様の大事なものをど、泥棒したから、と、トランプの兵隊さんをやめちゃったのだよ…」
「そうなのね…」
「さあアリス、こ、ここはいいから、皆をいじめている、も、もう一人の悪い人を懲らしめに行こう!」
「うん、わかった!」
「グリフォンさん、ここはお願いね!」
そう話した二人は、壁に掛けられた鏡の中へと入っていった。
一方、誾千代は痛みを堪え、大村元帥のもとへと急ぐ。
(思うように先へ進めない!)
通路の至る所が破壊されており、廊下を塞がれたところが何カ所もある為、抜け道を探しながら地下に進む誾千代。
複数回の爆発音により城が揺れる中、誾千代はやっとの思いで軍議室へ到着する。
「こ、これは…」
誾千代の目の前には、かつて軍議室と呼ばれた瓦礫の山が広がっていた。
その中で複数の『白い兵』たちと戦うだんだら模様の隊士たち。
「篠原殿!」
「おお、千代ちゃん!丁度良かところにきた!」
「少し前に、こいつらが突然現れて奇襲ば受けた!」
「こっちは良かけん、そっちで倒れとる大村さんたちば頼む!」
そう話しながら、次々と白い兵士を斬り倒す篠原。
目線の先には、うつぶせに倒れた大村元帥であろう猿の獣人と、女の子が一人、オークに両腕を掴まれて吊るされていた。
「吟子―!」
「千代ちゃん…にげて…」
状況を見てすぐさま判断した誾千代は吟子を捕らえた者に突撃するが、同じく現れた二人のオークに行く手を阻まれる。
「何じゃ~お前は!」
「うほっ!良い女!華雄(かゆう)将軍!こいつは俺たちが貰っていいですか?」
二人の獣人の言葉を聞き、面倒くさそうに振り返る華雄。
「なんじぁ?李傕(りかく)に郭汜(かくし)!俺はいまお楽しみ中なんじゃ!」
怒った華雄は、片手に持った吟子を誾千代に投げつける。
「きゃー!!」
「危ない!」
体で吟子を受け止めた誾千代だったが、その衝撃で腹部に激痛が走った。
(痛っ!)
硬直した誾千代を、華雄のこん棒が二人をもろとも吹き飛ばし、壁に激突した。
「キャッ!」
「ウッ!」
壁に衝突したことで、吟子は気を失い、誾千代は意識朦朧となる。
「よっしゃ~大当たり!」
華雄たちは笑みを浮かべながら、誾千代たちに近寄ってくる。
「うほっ!こりゃ二人とも俺の好みじゃね~か!」
「ぎゃはははは!こりゃぶっ壊れるまで楽しめそうだぜ!」
華雄の下種な笑いに、李傕と郭汜も一緒に笑いだす。
「…この…豚野郎が!」
朦朧とする意識の中で呟いた、誾千代の顎先をつまんだ華雄は、視線を自分の目に無理やり合わせる。
「おい…言葉遣いに気を付けろよ!」
「これから俺はお前のご主人様となり、いろいろと奉仕しなくてはいけない立場なのだからな!」
「李傕!郭汜!そっちの女はお前たちの好きにしろ!」
「よっしゃー!!」
華雄の言葉に歓喜する二人。
三人はその場で、誾千代たちの装備を剥ぎ取り始めた。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
インフィニティ•ゼノ•リバース
タカユキ
ファンタジー
女神様に異世界転移された俺とクラスメイトは、魔王討伐の使命を背負った。
しかし、それを素直に応じるクラスメイト達ではなかった。
それぞれ独自に日常謳歌したりしていた。
最初は真面目に修行していたが、敵の恐ろしい能力を知り、魔王討伐は保留にした。
そして日常を楽しんでいたが…魔族に襲われ、日常に変化が起きた。
そしてある日、2つの自分だけのオリジナルスキルがある事を知る。
その一つは無限の力、もう一つが人形を作り、それを魔族に変える力だった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖獣達に愛された子
颯希
ファンタジー
ある日、漆黒の森の前に子供が捨てられた。
普通の森ならばその子供は死ぬがその森は普通ではなかった。その森は.....
捨て子の生き様を描いています!!
興味を持った人はぜひ読んで見て下さい!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる