神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第271話 江戸城攻略8

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江戸城周辺で亜人連合と日ノ本が対峙しているとき、4㎞先の最前線では呼延灼・加藤清正たちが、妖怪兵団と激戦を繰り広げていた。

亜人連合の部隊は、自軍の障壁が破られると同時に塹壕から銃を構え、骸骨や鬼の突撃を銃撃、一定の距離まで近づかれると塹壕内をそのまま撤退し、敵が塹壕内に入ったところで地雷魔法を発動、塹壕もろとも敵を吹き飛ばした。

これにより妖怪兵団の前衛は浮足立ち、それを見計らった韓滔・彭玘率いる連環馬部隊が突撃を行い、敵前衛を粉砕する。

加藤清正の家臣たちはそのあとに続き、敵の隊長級である化け狐たちを討ち取り、指揮系統を潰して回った。

呼延灼と加藤清正は、前線に現れた武将たちを次々と撃退していく。

「ははは!六左衛門とやら、貴殿が私と一騎打ちするには、まだまだ力が足りぬようじゃな!」

「黙れ呼延灼!この六左衛門様が、貴様の奇怪な術を破ってくれるわ!」

呼延灼の能力は、武器同士が接触すると自重が重くなっていく為、六左衛門は迂闊に攻撃できずにいた。

「それそれ!さすがの剣豪・武蔵でも、儂に近づけねば意味がないのう!」

「おっと!ついでに相手しておる尼子軍団も、そろそろ『土の牢獄』から出てくるころかな?」

清正は土魔法で地面を尖らせて攻撃したり、壁を作って尼子家臣団の四方を囲ったりし、尼子軍団や武蔵は清正に近づく事すら出来ずにいた。

制空権は雑賀衆と本願寺僧兵が抑えているのだが、本願寺兵は指揮官を失い暴れる龍を、総出で捕らえて連れ帰り、残った雑賀衆は地上部隊の攻撃を行うために残るも、障壁が破られると同時に亜人連合の空軍が現れ、雑賀衆を追い回す。

「よし、味方は全て障壁内へ退却した!」

「我々も後退するぞ!」

呼延灼の号令で、清正が殿を務め、全軍障壁内へと後退し、空軍は帰って行った。

「くそったれ!呼延灼の術は、俺らにとって相性が悪るすぎる!」

怒った六左衛門は、地面を蹴り上げる。

「あの加藤清正って男の術も、我々多数を同時に相手にするのに適しておる」

「接近戦が出来ねば、拙者も役に立たぬからな」

山中鹿之介も、宮本武蔵と共に清正の対処法に手を焼いていた。

そんな中、本陣より早馬が行長の陣にやってくる。

「本陣に戻っておられます行長様より報告!」

「本日の攻撃はここまでとし、明日の攻撃に備えよとの事!」

小西行長の指示に従い、第一隊による初日の攻撃は終了した。

結果、夕暮れまでに守備側2,000の死傷者を出し、江戸城まで3㎞と迫られたが、敵の妖怪兵団はその7倍以上に当たる15,000の死傷者を出すこととなった。

「何とか今日は乗り切ったか…」

ひとり呟く呼延灼に、韓滔と彭玘が隊の報告に来る。

「呼延灼将軍、今日の度重なる突撃で、装甲騎兵の殆どが負傷しております」

「このままでは、兵は良くても肝心の馬が耐え切れませぬ」

韓滔・彭玘の報告を聞き、呼延灼はふと連環馬部隊に目をやると、装甲を外した馬たちが座り込み、倒れた状態で休んでいた。

(連環馬で、明日の戦闘は厳しいかもしれぬな…)

呼延灼の考えを見透かしたように、清正が話しかける。

「あれじゃあ、明日の戦いは休ませた方が良い」

「このまま戦っても、無駄死にさせるだけじゃ」

清正の言葉に、腕を組み思案する呼延灼。

(そうなれば、明日以降の戦い方を考えねばならぬな…)

「よし!一部の兵以外は城内へ…」

退却すると呼延灼が言いかけたとき、城内の異変に気付く。

「うん?城内から煙が上がっている?」

視線に先には、江戸城の城下町から無数の煙が上がっていた。

「しまった!賊が城内に入り込んでおるぞ!」

「全軍!急いで城内に戻り賊を討つのだ!」

休息から慌てて立ちあがる兵馬を置いて、呼延灼たちは一気に城門へと走った。

「うん?なんだあれは!」

呼延灼たちが城門に近づくと、既に門は開いており、複数の騎兵とその周りに多くの兵が倒れていた。
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