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群雄進撃編
第269話 江戸城攻略戦6
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「俺の名前は『原田左之助(はらだ・さのすけ)』!新撰組十番隊を預かっている!」
「うむ!書生は新撰組五番隊組長であり、新撰組の頭脳・『武田観柳斎(たけだ・かんりゅうさい)』である」
「そもそも、書生が学んだ『甲州流軍学』とは…」
観柳斎は自分が学んだ兵法の説明を始めたところで、突然江戸城の本丸付近が爆発し、黒煙が立ち上った。
(何?砲撃?)
(違う!こっちは陽動で、本命は大村元帥たちがいるあっちか!)
「ムムム!書生が説明をしている時に、なんと無粋な!」
「誾千代!こっちは俺たちが引き継ぐから、お前は城の応援に向かってくれ!」
「判った!二人ともお願い!」
観柳斎が怒る中、左之助の言葉に了承し、再び飛び立つ誾千代。
義仲たちは追撃せずに、左之助たちと対峙する。
「ふん!あんなケガ人の小娘一人が援軍に向かったところで、我らの仲間に殺されに行くようなものだ!」
「けがをしているだと?!」
驚く左之助に、山吹は笑いながら答える。
「ほほほほ!そんなことも分からずに彼女を行かせたの?」
「あの娘は私が操る火牛の体当たりを受け、満身創痍の体で向かったのよ!」
「しかもあの中には、我が軍団の中でも悪名高い連中が突入していますからね、果たして無事でいられるかしら?」
「なんだと!」
山吹の言葉に舌打ちする左之助。
(しまった!呼延灼隊・清正隊が門外で戦っている今、城内を守備するのは500の藩士と、八番隊の組長『藤堂平助(とうどう・へいすけ)』率いる隊士20名のみ!)
(ならば急いで救援に向かわねばな…)
そんな左之助の心を見透かしたように、義仲は告げる。
「後のことなど心配するな!どうせお前たちは、ここで俺様と山吹に討たれるのだからな!」
「その通り!鬼のくせに亜人共の下で働くようなあなた達など、すぐに倒してあげますわ!」
二人の言葉に、左之助は鼻で笑って両肩で槍を担ぐ。
「ほ~う?このクソメガネはともかく、この左之助様を倒せるつもりでいるのか?」
「言っておくが、俺は相当強いぞ?」
左之助がそう二人に告げたとき、観柳斎が突然叫ぶ。
『甲州流・大爆発の計!』
言葉を唱えた次の瞬間、義仲たちの地面が光輝き、次々と爆発する。
「うぐっ!」
「きゃぁ!」
二人は吹き飛ばされながらも、宙返りして10m後方に着地した。
「うむ!あなた方が書生をキモいだの、クソメガネだのと罵っている間に、罠を仕掛けさせてもらった!」
扇子を義仲たちに指し、最高のどや顔で話す観柳斎。
「馬鹿かお前!それはお前の仲間が言った悪口ではないか!」
「誰が言ったかも覚えてないの?あなた相当覚えが悪いですわね!」
悪口を交えて反論をする二人に、観柳斎はまたも怒る。
「ムムム!またもや書生を罵るとは!もう許さん!」
『甲州流・火炎弾の計!』
観柳斎は次々とファイヤーボールを二人に向かって撃ちだした。
「くそ!あのメガネ、炎系の魔法を使ってきやがる!」
「山吹!お前と同じ属性なら、腕が立つお前が直接戦えば勝てる!」
「承知しました!」
山吹は炎を斬りながら、観柳斎に向かって突撃した。
「ムムム!書生をその薙刀で一刀両断にしようというのか!」
慌てて刀を抜こうとする観柳斎を、山吹の炎を纏った薙刀が襲い掛かる。
「もらった!!」
山吹がそう叫んだ時、観柳斎の刀が目にも止まらぬ速さで、持つ薙刀を真っ二つにする。
(えっ?どうして?)
山吹そう思ったのも束の間、観柳斎は刀を瞬時に持ち替え、刀の裏で山吹の後頭部を思いきり叩いた。
(ウッ!)
山吹はそう小さく呟いた後、その場に倒れてしまった。
「うむ!書生は新撰組五番隊組長であり、新撰組の頭脳・『武田観柳斎(たけだ・かんりゅうさい)』である」
「そもそも、書生が学んだ『甲州流軍学』とは…」
観柳斎は自分が学んだ兵法の説明を始めたところで、突然江戸城の本丸付近が爆発し、黒煙が立ち上った。
(何?砲撃?)
(違う!こっちは陽動で、本命は大村元帥たちがいるあっちか!)
「ムムム!書生が説明をしている時に、なんと無粋な!」
「誾千代!こっちは俺たちが引き継ぐから、お前は城の応援に向かってくれ!」
「判った!二人ともお願い!」
観柳斎が怒る中、左之助の言葉に了承し、再び飛び立つ誾千代。
義仲たちは追撃せずに、左之助たちと対峙する。
「ふん!あんなケガ人の小娘一人が援軍に向かったところで、我らの仲間に殺されに行くようなものだ!」
「けがをしているだと?!」
驚く左之助に、山吹は笑いながら答える。
「ほほほほ!そんなことも分からずに彼女を行かせたの?」
「あの娘は私が操る火牛の体当たりを受け、満身創痍の体で向かったのよ!」
「しかもあの中には、我が軍団の中でも悪名高い連中が突入していますからね、果たして無事でいられるかしら?」
「なんだと!」
山吹の言葉に舌打ちする左之助。
(しまった!呼延灼隊・清正隊が門外で戦っている今、城内を守備するのは500の藩士と、八番隊の組長『藤堂平助(とうどう・へいすけ)』率いる隊士20名のみ!)
(ならば急いで救援に向かわねばな…)
そんな左之助の心を見透かしたように、義仲は告げる。
「後のことなど心配するな!どうせお前たちは、ここで俺様と山吹に討たれるのだからな!」
「その通り!鬼のくせに亜人共の下で働くようなあなた達など、すぐに倒してあげますわ!」
二人の言葉に、左之助は鼻で笑って両肩で槍を担ぐ。
「ほ~う?このクソメガネはともかく、この左之助様を倒せるつもりでいるのか?」
「言っておくが、俺は相当強いぞ?」
左之助がそう二人に告げたとき、観柳斎が突然叫ぶ。
『甲州流・大爆発の計!』
言葉を唱えた次の瞬間、義仲たちの地面が光輝き、次々と爆発する。
「うぐっ!」
「きゃぁ!」
二人は吹き飛ばされながらも、宙返りして10m後方に着地した。
「うむ!あなた方が書生をキモいだの、クソメガネだのと罵っている間に、罠を仕掛けさせてもらった!」
扇子を義仲たちに指し、最高のどや顔で話す観柳斎。
「馬鹿かお前!それはお前の仲間が言った悪口ではないか!」
「誰が言ったかも覚えてないの?あなた相当覚えが悪いですわね!」
悪口を交えて反論をする二人に、観柳斎はまたも怒る。
「ムムム!またもや書生を罵るとは!もう許さん!」
『甲州流・火炎弾の計!』
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「くそ!あのメガネ、炎系の魔法を使ってきやがる!」
「山吹!お前と同じ属性なら、腕が立つお前が直接戦えば勝てる!」
「承知しました!」
山吹は炎を斬りながら、観柳斎に向かって突撃した。
「ムムム!書生をその薙刀で一刀両断にしようというのか!」
慌てて刀を抜こうとする観柳斎を、山吹の炎を纏った薙刀が襲い掛かる。
「もらった!!」
山吹がそう叫んだ時、観柳斎の刀が目にも止まらぬ速さで、持つ薙刀を真っ二つにする。
(えっ?どうして?)
山吹そう思ったのも束の間、観柳斎は刀を瞬時に持ち替え、刀の裏で山吹の後頭部を思いきり叩いた。
(ウッ!)
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