神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

文字の大きさ
上 下
270 / 317
群雄進撃編

第269話 江戸城攻略戦6

しおりを挟む
「俺の名前は『原田左之助(はらだ・さのすけ)』!新撰組十番隊を預かっている!」

「うむ!書生は新撰組五番隊組長であり、新撰組の頭脳・『武田観柳斎(たけだ・かんりゅうさい)』である」

「そもそも、書生が学んだ『甲州流軍学』とは…」

観柳斎は自分が学んだ兵法の説明を始めたところで、突然江戸城の本丸付近が爆発し、黒煙が立ち上った。

(何?砲撃?)

(違う!こっちは陽動で、本命は大村元帥たちがいるあっちか!)

「ムムム!書生が説明をしている時に、なんと無粋な!」

「誾千代!こっちは俺たちが引き継ぐから、お前は城の応援に向かってくれ!」

「判った!二人ともお願い!」

観柳斎が怒る中、左之助の言葉に了承し、再び飛び立つ誾千代。

義仲たちは追撃せずに、左之助たちと対峙する。

「ふん!あんなケガ人の小娘一人が援軍に向かったところで、我らの仲間に殺されに行くようなものだ!」

「けがをしているだと?!」

驚く左之助に、山吹は笑いながら答える。

「ほほほほ!そんなことも分からずに彼女を行かせたの?」

「あの娘は私が操る火牛の体当たりを受け、満身創痍の体で向かったのよ!」

「しかもあの中には、我が軍団の中でも悪名高い連中が突入していますからね、果たして無事でいられるかしら?」

「なんだと!」
山吹の言葉に舌打ちする左之助。

(しまった!呼延灼隊・清正隊が門外で戦っている今、城内を守備するのは500の藩士と、八番隊の組長『藤堂平助(とうどう・へいすけ)』率いる隊士20名のみ!)

(ならば急いで救援に向かわねばな…)

そんな左之助の心を見透かしたように、義仲は告げる。

「後のことなど心配するな!どうせお前たちは、ここで俺様と山吹に討たれるのだからな!」

「その通り!鬼のくせに亜人共の下で働くようなあなた達など、すぐに倒してあげますわ!」

二人の言葉に、左之助は鼻で笑って両肩で槍を担ぐ。

「ほ~う?このクソメガネはともかく、この左之助様を倒せるつもりでいるのか?」

「言っておくが、俺は相当強いぞ?」

左之助がそう二人に告げたとき、観柳斎が突然叫ぶ。

『甲州流・大爆発の計!』

言葉を唱えた次の瞬間、義仲たちの地面が光輝き、次々と爆発する。

「うぐっ!」

「きゃぁ!」

二人は吹き飛ばされながらも、宙返りして10m後方に着地した。

「うむ!あなた方が書生をキモいだの、クソメガネだのと罵っている間に、罠を仕掛けさせてもらった!」

扇子を義仲たちに指し、最高のどや顔で話す観柳斎。

「馬鹿かお前!それはお前の仲間が言った悪口ではないか!」

「誰が言ったかも覚えてないの?あなた相当覚えが悪いですわね!」

悪口を交えて反論をする二人に、観柳斎はまたも怒る。

「ムムム!またもや書生を罵るとは!もう許さん!」

『甲州流・火炎弾の計!』

観柳斎は次々とファイヤーボールを二人に向かって撃ちだした。

「くそ!あのメガネ、炎系の魔法を使ってきやがる!」

「山吹!お前と同じ属性なら、腕が立つお前が直接戦えば勝てる!」

「承知しました!」

山吹は炎を斬りながら、観柳斎に向かって突撃した。

「ムムム!書生をその薙刀で一刀両断にしようというのか!」

慌てて刀を抜こうとする観柳斎を、山吹の炎を纏った薙刀が襲い掛かる。

「もらった!!」

山吹がそう叫んだ時、観柳斎の刀が目にも止まらぬ速さで、持つ薙刀を真っ二つにする。

(えっ?どうして?)

山吹そう思ったのも束の間、観柳斎は刀を瞬時に持ち替え、刀の裏で山吹の後頭部を思いきり叩いた。

(ウッ!)

山吹はそう小さく呟いた後、その場に倒れてしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。

西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ? なぜです、お父様? 彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。 「じゃあ、家を出ていきます」

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

インフィニティ•ゼノ•リバース

タカユキ
ファンタジー
女神様に異世界転移された俺とクラスメイトは、魔王討伐の使命を背負った。 しかし、それを素直に応じるクラスメイト達ではなかった。 それぞれ独自に日常謳歌したりしていた。 最初は真面目に修行していたが、敵の恐ろしい能力を知り、魔王討伐は保留にした。 そして日常を楽しんでいたが…魔族に襲われ、日常に変化が起きた。 そしてある日、2つの自分だけのオリジナルスキルがある事を知る。 その一つは無限の力、もう一つが人形を作り、それを魔族に変える力だった。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

処理中です...