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群雄進撃編
第263話 江戸城攻略戦2
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亜人連合と日ノ本の開幕は、日ノ本の固定砲台からの砲撃で始まった。
「砲撃を一カ所に集中させて、一気に障壁を突き破れ!」
初戦で野砲を全て失くした日ノ本であったが、各戦艦から副砲10門を取り外し、障壁を破る陣地砲として配備した。
やがて障壁の魔力が底を尽き破られると、妖怪兵団たちが一斉に押し寄せてきた。
障壁内を守る藩兵たちは塹壕内から銃撃を行うが、状況が不利と見るや、すぐさま後ろにある新たな障壁内へと退却する。
それを見た日ノ本軍は一斉に前進するが、その先々で突然地面がさく裂する。
「おうわー!!」
「足が!足が―!!」
前衛部隊は次々と爆発にまき込まれ大被害を受けた。
「地上を進むな!奴らが掘った道を通るのじゃ!」
「砲撃の後は地面の爆発物がないぞ!そこを通れ!」
小早川隆景は攻略法を見抜くと、鴉たちを使い各指揮官に伝達、その後の被害を大幅に軽減していった。
江戸の地は元々湿地を埋め立てて造られた土地である。
このため、今までのように地下に道を網羅する作戦は、地盤が弱いこの地ではできていない。
その為、敵が容易に進行できないように塹壕と地雷を多数配置しており、江戸城と城下町の外側を10mの壁で囲み、城壁上の要所に砲を設置していた。
日ノ本が上陸した地点から、江戸城と町を囲う壁までは直線距離で20㎞ほどある。
日ノ本本隊は1万以上の死傷者を出しつつも、総攻撃前の地点で残り10㎞まで進撃しており、500m毎にある障壁を全て突破すれば江戸城の城壁へ辿り着ける位置まで迫った。
砲撃により次の障壁を破壊した日ノ本は、上空に待機する雑賀衆の新しい軍団長・『鈴木重朝(すずき・しげとも)』より指示がでる。
「第一陣!敵の掘った道の中で動く亜人共を狙え!」
「撃てー!」
数百の銃声と共に、塹壕内の盾兵が、盾を上に構えて仲間たちが狙撃されることを防ぐ。
「続いて第二陣!狙え!」
「撃てー!」
同じく数百の銃声と共に、塹壕内で盾兵が盾を上に構え再度防ぐ。
それと同時に、盾に何か石みたいなものが降ってくる。
「まずい!花火玉だ!」
兵がそう叫んだのも束の間、塹壕内では大爆発があちこちで発生した。
体が吹き飛ぶもの、炎を身に纏い狭い塹壕内を走り回る者、前線の塹壕内は地獄絵図と化した。
塹壕内で耐え切れなくなり這い出たもの達は、地上から攻め入った日ノ本兵に次々と討ち取られていく。
「このままじゃ上から狙い撃ちだ!」
「上だ!上に向かって撃てー!」
下から攻撃するも、上空の雑賀衆までは届かず、弾は次々と落ちていった。
「だめだ!届かない!」
「撤退!後ろの障壁まで撤退だ!」
混乱しながら後退する藩兵たちだったが、上空から高音が鳴り響くと一斉に歓喜が上がる。
「空軍だ!味方の空軍が来たぞ!」
上空を見上げると、6つの影が雑賀衆に次々と襲い掛かる。
『菅野隊見参!死にたい奴からかかってこい!』
高速で迫る、紫電改の刃のように研ぎ澄まされた翼に、すれ違いざま斬り倒される雑賀衆の兵。
菅野隊はそのまま、敵地上の砲撃部隊に向けて掃射をかける。
しかし、10門ある砲台の周りでは、妖狐・化け狸・ムジナたちが、懸命に障壁を張っている為弾が通らない。
「くそ!障壁が固すぎて砲台が落とせねぇ!」
それでも菅野隊は一つの砲門を集中的に狙い、砲門の破壊に成功する。
「菅野隊、魔力切れのため帰還する!」
下で歓喜する藩兵たちに敬礼して、菅野隊は撤退していった。
「砲撃を一カ所に集中させて、一気に障壁を突き破れ!」
初戦で野砲を全て失くした日ノ本であったが、各戦艦から副砲10門を取り外し、障壁を破る陣地砲として配備した。
やがて障壁の魔力が底を尽き破られると、妖怪兵団たちが一斉に押し寄せてきた。
障壁内を守る藩兵たちは塹壕内から銃撃を行うが、状況が不利と見るや、すぐさま後ろにある新たな障壁内へと退却する。
それを見た日ノ本軍は一斉に前進するが、その先々で突然地面がさく裂する。
「おうわー!!」
「足が!足が―!!」
前衛部隊は次々と爆発にまき込まれ大被害を受けた。
「地上を進むな!奴らが掘った道を通るのじゃ!」
「砲撃の後は地面の爆発物がないぞ!そこを通れ!」
小早川隆景は攻略法を見抜くと、鴉たちを使い各指揮官に伝達、その後の被害を大幅に軽減していった。
江戸の地は元々湿地を埋め立てて造られた土地である。
このため、今までのように地下に道を網羅する作戦は、地盤が弱いこの地ではできていない。
その為、敵が容易に進行できないように塹壕と地雷を多数配置しており、江戸城と城下町の外側を10mの壁で囲み、城壁上の要所に砲を設置していた。
日ノ本が上陸した地点から、江戸城と町を囲う壁までは直線距離で20㎞ほどある。
日ノ本本隊は1万以上の死傷者を出しつつも、総攻撃前の地点で残り10㎞まで進撃しており、500m毎にある障壁を全て突破すれば江戸城の城壁へ辿り着ける位置まで迫った。
砲撃により次の障壁を破壊した日ノ本は、上空に待機する雑賀衆の新しい軍団長・『鈴木重朝(すずき・しげとも)』より指示がでる。
「第一陣!敵の掘った道の中で動く亜人共を狙え!」
「撃てー!」
数百の銃声と共に、塹壕内の盾兵が、盾を上に構えて仲間たちが狙撃されることを防ぐ。
「続いて第二陣!狙え!」
「撃てー!」
同じく数百の銃声と共に、塹壕内で盾兵が盾を上に構え再度防ぐ。
それと同時に、盾に何か石みたいなものが降ってくる。
「まずい!花火玉だ!」
兵がそう叫んだのも束の間、塹壕内では大爆発があちこちで発生した。
体が吹き飛ぶもの、炎を身に纏い狭い塹壕内を走り回る者、前線の塹壕内は地獄絵図と化した。
塹壕内で耐え切れなくなり這い出たもの達は、地上から攻め入った日ノ本兵に次々と討ち取られていく。
「このままじゃ上から狙い撃ちだ!」
「上だ!上に向かって撃てー!」
下から攻撃するも、上空の雑賀衆までは届かず、弾は次々と落ちていった。
「だめだ!届かない!」
「撤退!後ろの障壁まで撤退だ!」
混乱しながら後退する藩兵たちだったが、上空から高音が鳴り響くと一斉に歓喜が上がる。
「空軍だ!味方の空軍が来たぞ!」
上空を見上げると、6つの影が雑賀衆に次々と襲い掛かる。
『菅野隊見参!死にたい奴からかかってこい!』
高速で迫る、紫電改の刃のように研ぎ澄まされた翼に、すれ違いざま斬り倒される雑賀衆の兵。
菅野隊はそのまま、敵地上の砲撃部隊に向けて掃射をかける。
しかし、10門ある砲台の周りでは、妖狐・化け狸・ムジナたちが、懸命に障壁を張っている為弾が通らない。
「くそ!障壁が固すぎて砲台が落とせねぇ!」
それでも菅野隊は一つの砲門を集中的に狙い、砲門の破壊に成功する。
「菅野隊、魔力切れのため帰還する!」
下で歓喜する藩兵たちに敬礼して、菅野隊は撤退していった。
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