神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第253話 青の衝撃

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関と菅野の小隊が大暴れをしている中、源田の愛機『飛燕』は、間もなく江戸上空へと達する。

「こちら関小隊、敵龍部隊に対する攻撃終了、魔力切れのため横浜へと戻ります!」

「こちら菅野隊!関小隊と共闘し龍2頭を撃墜、魔力切れのため撤退する!」

「ご苦労!後は儂が何とかする!」

「「了!」」

通信から数分後、源田機と関・菅野隊は空にてすれ違う。

「参謀長、一人で大丈夫だろうか?」

関の心配を菅野は笑って答える。

「ああ、あの人なら大丈夫だ!空戦技術もさることながら、特殊能力が反則過ぎる!」

「確かにあの人の能力『青の衝撃』は、多数を相手に想定したような力だからな」

「確かにな!」

二人は新装備『無線機』越しに相槌を打つ。

「しかし、もう少し燃費を良くしないと大きな戦果は期待できないかな…」

「関、まぁそうボヤくなよ」

「敵さんにとったら、こんなとんでも兵器が出ただけで大問題なのだからな」

「まぁ、直(菅野)の言う通りではあるな」

二つの小隊はそのまま横浜へと帰還した。

下間頼照が撤退すると同時に、源田参謀は上空飛来する。

(むっ!龍共はすでに撤退した後であったか!)

到着した源田が搭乗する『飛燕』は、風魔法を応用した機体ではなく、雷魔法と水魔法を併用したエンジン式の機体である。

他の機体よりも航続距離も長く、時速580㎞の速度に・火力も紫電改ほどではないが高く、他の機体よりも高い運動性能を要するハイスペック型。

その能力がありつつも、ここまで一番遅い到着となったのは、少しでも魔力を温存させる為であった。

やや残念がった源田指揮官ではあるが、空一面を敵が覆った状況に高揚する。

「いいぞ!空は皆敵だらけではないか!」

源田は自身のスキル1『青の衝撃』を発動する。

『行け!英霊たちよ!』

スキル発動と同時に、5つの小さな『複葉機』が源田の機体より一斉に飛び立つ。

飛び出した機体は、火を噴きながら一斉に鴉たちを襲いだした。

「まずい!こいつら銃撃して来たぞ!」

雑賀衆は銃を構えるが、50㎝ほどの小さな複葉機が100㎞以上の速度で飛び回り、射線に捕らえる事が出来ずにいた。

「ぎゃー撃たれた!!」

「だめだ!速いうえに的が小さすぎる!」

混乱する雑賀衆と本願寺槍兵を、雑賀衆の軍団長『鈴木重秀(すずき・しげひで)』と下間頼廉は敏速に指示を出す。

「雑賀衆・本願寺槍兵は各小隊ごとに組んで、敵の攻撃を防げ!」

「僧兵は雑賀衆の盾になりつつ、雑賀衆は弾を撃ち敵を近づけさせるな!」

「雑賀衆の小隊長は敵の進むであろう位置に標準を合わせ、狙い撃て!」

二人の指示により、混乱した兵たちは一気に組織的な攻撃を始め、複葉機の攻撃は儘ならなくなる。

(ほう、見事にこの混乱を収束させたか!)

(敵の指揮官はなかなかに優秀なな奴だな!)

源田は感心しつつも、次の指示のため複葉機を自機のもとに戻す。

『兵器換装・黒の衝撃発動』

スキル2を発動と同時に、今度は5機の『ジャイロ』が飛び立つ。

「さて、ひとつ儂も暴れるとするか!」

源田参謀は呟き、下に見える敵集団へと向かって一気に急降下する。
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