251 / 317
群雄進撃編
第250話 江戸湾の戦い
しおりを挟む
関東方面に向かっていた宇喜多秀家率いる船団は、横浜港に攻撃を仕掛けた。
戦艦『大阪』『兵庫』『岡山』『和歌山』。
重巡洋艦6隻 軽巡洋艦6隻 駆逐艦10隻の大艦隊は、関東湾内を完全に封鎖した。
さらに、正体不明の大型艦が2隻。
対する亜人連合戦艦『富士山丸』『咸臨丸』薩摩より献上された『昇平丸』。
さらに重巡洋艦『観光丸』及び同型艦2隻 駆逐艦4隻で対抗するが、日ノ本の戦艦より射程が短く近寄ることができない。
「まったく…だから俺は常日頃から海軍を強化しておけって言ってたんだよ!」
勝海舟は自分の席を立ち、机に報告書類を叩きつけた。
新政府になり海軍が設立されたため、幕府の海軍奉行は解散し、責任者であった勝海舟は海軍卿(海軍大臣)として、横浜に赴任していた。
「やつらは常に戦を考え、最新の武器を使った戦法を考え取り入れている!」
「そんな奴らからすれば、300年も太平の世でのんびり生きてきた国など、普通は敵にもならん!」
「ましてや、装備自体が旧式じゃ、どう逆立ちしても勝てるわけがねぇじゃねえか!」
怒る勝を佐藤政養(さとう・まさやす)次官が宥める。
「海軍卿、そう仰らずとも、現在政府は海軍強化に全力を注いでおります」
「それにラビット国からも、強力な軍事提供がなされておりますので、思った以上に善戦できております」
次官の言葉に、勝は思いを述べる。
「ピット王…確かに彼はいい王様だ」
「おいらも含めてこの国の者たちはピット王に多大な恩もある」
「更に帝との結婚で国が併合されることにより、この国の未来も明るいだろう…」
「しかし…ここまでの流れがあまりにも出来過ぎてやしないかい?」
勝のふくんだ言葉に驚く次官。
「海軍卿!婚約の件は薩摩や長州がお願いして現実となった事ですし、さらにこのことを一番望んだのは帝でありますぞ!」
「どうかその様な考えは、お話にならないよう願います」
次官の反論に、勝は少し考えたそぶりを見せ、次官に話す。
「そうだな…大恩あるピット王にこのような考えは不敬だったな…」
「今言ったことは忘れてくれ」
「はい!」
佐藤次官は軽くお辞儀する。
その時、部屋をノックして入ってきた兵から緊急の報告が入った。
「緊急事態です!敵の船から多数の魔物と龍が飛び立ち、江戸に向けて進撃中!」
報告を受けた勝は席に座りなおす。
「佐藤君、横浜基地の今村空軍司令官に連絡」
「江戸に向かった敵魔物団を至急迎撃せよと!」
「はっ!」
佐藤次官は会釈し、そのまま兵と一緒に部屋を出る。
勝は椅子を回し、席の後ろにある窓から空を眺める。
(これからは戦い方が大きく変わっちまう…)
(ラビット国の力は、恐らくこの世界でも抜きんでている)
(万が一彼がいなくなった時、後を継いだものが野心を抱いた者だったら、世界はとんでもないことになるんじゃねえのか?)
(…いかん、いかん!今はこの戦争を終わらせることだ!)
勝はピット王が、この世界から途中で『退場』しないことを切に願った。
戦艦『大阪』『兵庫』『岡山』『和歌山』。
重巡洋艦6隻 軽巡洋艦6隻 駆逐艦10隻の大艦隊は、関東湾内を完全に封鎖した。
さらに、正体不明の大型艦が2隻。
対する亜人連合戦艦『富士山丸』『咸臨丸』薩摩より献上された『昇平丸』。
さらに重巡洋艦『観光丸』及び同型艦2隻 駆逐艦4隻で対抗するが、日ノ本の戦艦より射程が短く近寄ることができない。
「まったく…だから俺は常日頃から海軍を強化しておけって言ってたんだよ!」
勝海舟は自分の席を立ち、机に報告書類を叩きつけた。
新政府になり海軍が設立されたため、幕府の海軍奉行は解散し、責任者であった勝海舟は海軍卿(海軍大臣)として、横浜に赴任していた。
「やつらは常に戦を考え、最新の武器を使った戦法を考え取り入れている!」
「そんな奴らからすれば、300年も太平の世でのんびり生きてきた国など、普通は敵にもならん!」
「ましてや、装備自体が旧式じゃ、どう逆立ちしても勝てるわけがねぇじゃねえか!」
怒る勝を佐藤政養(さとう・まさやす)次官が宥める。
「海軍卿、そう仰らずとも、現在政府は海軍強化に全力を注いでおります」
「それにラビット国からも、強力な軍事提供がなされておりますので、思った以上に善戦できております」
次官の言葉に、勝は思いを述べる。
「ピット王…確かに彼はいい王様だ」
「おいらも含めてこの国の者たちはピット王に多大な恩もある」
「更に帝との結婚で国が併合されることにより、この国の未来も明るいだろう…」
「しかし…ここまでの流れがあまりにも出来過ぎてやしないかい?」
勝のふくんだ言葉に驚く次官。
「海軍卿!婚約の件は薩摩や長州がお願いして現実となった事ですし、さらにこのことを一番望んだのは帝でありますぞ!」
「どうかその様な考えは、お話にならないよう願います」
次官の反論に、勝は少し考えたそぶりを見せ、次官に話す。
「そうだな…大恩あるピット王にこのような考えは不敬だったな…」
「今言ったことは忘れてくれ」
「はい!」
佐藤次官は軽くお辞儀する。
その時、部屋をノックして入ってきた兵から緊急の報告が入った。
「緊急事態です!敵の船から多数の魔物と龍が飛び立ち、江戸に向けて進撃中!」
報告を受けた勝は席に座りなおす。
「佐藤君、横浜基地の今村空軍司令官に連絡」
「江戸に向かった敵魔物団を至急迎撃せよと!」
「はっ!」
佐藤次官は会釈し、そのまま兵と一緒に部屋を出る。
勝は椅子を回し、席の後ろにある窓から空を眺める。
(これからは戦い方が大きく変わっちまう…)
(ラビット国の力は、恐らくこの世界でも抜きんでている)
(万が一彼がいなくなった時、後を継いだものが野心を抱いた者だったら、世界はとんでもないことになるんじゃねえのか?)
(…いかん、いかん!今はこの戦争を終わらせることだ!)
勝はピット王が、この世界から途中で『退場』しないことを切に願った。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる