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群雄進撃編
第246話 伊予の戦い 1
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丑の刻となり寝静まり返る伊予の町に、敵襲のサイレンが鳴り響く。
「敵襲!敵襲!」
「各地区、急いで障壁を張れ!」
「大変です!障壁用の魔法石が複数破壊されております!」
「何じゃと!」
混乱する伊予の湾内付近には、陶晴賢率いる艦隊が射程距離に迫っていた。
「防御癖を張れない地区の住民を急いで非難させろ!」
伊予藩士たちの、必死の避難誘導が行われる中、敵の砲撃が始まる。
「全艦一斉砲撃開始!!」
駆逐艦5隻から放たれた砲弾は、障壁がない地区へ雨あられのように降り注がれた。
町のあちこちで爆発音が上がり、それと同時に炎が吹き上がる。
「何だこの玉は?!爆発と同時に燃え上がっておるぞ!!」
火が付いた住宅街は一斉に燃え上がり、そのまま障壁で守られた町へと延焼していく。
「奴ら、住民もろとも町を火の海にするつもりだ!」
「だめだ!消火活動は間に合わん!急いで住民を避難させろ!」
消化をあきらめた町の防衛司令官は、藩士たちへ住民避難を最優先するよう指示を出した。
炎に包まれた伊予の町を、晴賢は沖に待機する『安芸』の甲板で、笑みを浮かべてじっと見つめる。
(フフフ…我らが開発した焙烙砲弾(焼夷弾)の威力は素晴らしいかな!)
そうこうするうちに、町を攻撃する駆逐艦付近で水柱が複数上がりだす。
「よし!巡洋艦は敵が砲撃した位置を割り出し、砲撃を行え!」
晴賢の指示を聞き、光った位置から敵の砲撃場所を見つけ、息をひそめていた巡洋艦隊が地上の砲台を攻撃し始めた。
巡洋艦の砲撃により、砲台は次々と爆発・炎上し、遂には完全に沈黙する。
「馬鹿どもめ!我らは暗闇で動けるが、貴様らは固定砲台だから一度位置が割れたら、そこにめがけて撃ち込むだけで良いわ!」
晴賢は自身の策にはまっていく敵の姿を見て、笑いが止まらなかった。
攻撃を開始して2時間強、晴賢は夜襲の成功を確信すると、全艦隊に撤退の指示を出す。
毛利水軍は、燃えさかる伊予の町を背に大島付近へと撤退した。
「敵襲!敵襲!」
「各地区、急いで障壁を張れ!」
「大変です!障壁用の魔法石が複数破壊されております!」
「何じゃと!」
混乱する伊予の湾内付近には、陶晴賢率いる艦隊が射程距離に迫っていた。
「防御癖を張れない地区の住民を急いで非難させろ!」
伊予藩士たちの、必死の避難誘導が行われる中、敵の砲撃が始まる。
「全艦一斉砲撃開始!!」
駆逐艦5隻から放たれた砲弾は、障壁がない地区へ雨あられのように降り注がれた。
町のあちこちで爆発音が上がり、それと同時に炎が吹き上がる。
「何だこの玉は?!爆発と同時に燃え上がっておるぞ!!」
火が付いた住宅街は一斉に燃え上がり、そのまま障壁で守られた町へと延焼していく。
「奴ら、住民もろとも町を火の海にするつもりだ!」
「だめだ!消火活動は間に合わん!急いで住民を避難させろ!」
消化をあきらめた町の防衛司令官は、藩士たちへ住民避難を最優先するよう指示を出した。
炎に包まれた伊予の町を、晴賢は沖に待機する『安芸』の甲板で、笑みを浮かべてじっと見つめる。
(フフフ…我らが開発した焙烙砲弾(焼夷弾)の威力は素晴らしいかな!)
そうこうするうちに、町を攻撃する駆逐艦付近で水柱が複数上がりだす。
「よし!巡洋艦は敵が砲撃した位置を割り出し、砲撃を行え!」
晴賢の指示を聞き、光った位置から敵の砲撃場所を見つけ、息をひそめていた巡洋艦隊が地上の砲台を攻撃し始めた。
巡洋艦の砲撃により、砲台は次々と爆発・炎上し、遂には完全に沈黙する。
「馬鹿どもめ!我らは暗闇で動けるが、貴様らは固定砲台だから一度位置が割れたら、そこにめがけて撃ち込むだけで良いわ!」
晴賢は自身の策にはまっていく敵の姿を見て、笑いが止まらなかった。
攻撃を開始して2時間強、晴賢は夜襲の成功を確信すると、全艦隊に撤退の指示を出す。
毛利水軍は、燃えさかる伊予の町を背に大島付近へと撤退した。
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