神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第229話 南蛮軍襲来

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日ノ本大船団が土佐湾に現れて、1週間が経った。

現在、東北にある盛岡城は、各支城を制圧され敵の大軍が迫っていた。

「なんてごどだ…なして南蛮の奴らは、山越えでこの国さ攻めで来だのだ?」

「秋田藩ぁ早々さ降伏し、大勢の南蛮の奴らが駐留してららしいぞ!」

「3づあった支城もなもかも突破され、敵目前さ近づいでおる!」

「城主、わんども降伏いだしあんすか?」

「ふざげるな!わんどは新政府さ寝返って秋田の奴らど違う!」

「最後の一兵まで戦うのだ!」

主戦派と降伏派に分かれた会議室で、目を瞑り考える藩主『ナンブ』。

「皆のもの聞げ!」

「奴らは蛮族ぁ、『大半魔物』で、オークやゴブリン・トロール共、ミノタウロスの「大王」達率いでら!」

「さらに彼奴らは、怪しき乗り物『戦象』に乗り、立ぢはだがるものなもかも踏みづぶして前進する!」

「そして、その上さ乗ったゴブリンどもが、弓矢や投石・魔法などの攻撃仕掛げでくる!」

「一部の敵兵には弓や魔法利がね!」

「そった奴ら相手さ、この城の僅がな兵だげで勝でるわげがね!」

家老はそう言うと、藩主へと向き直る。

「殿!会津さ向がい、この危機知らへでけせ!」

「その間、わんどがこごで持ぢごだえで見せあんす!」

家老はそう話すと、藩主へ平伏する。

「馬鹿もの!」

家老の言葉にナンブは目を開け、家老を一喝する!

「家臣を見捨てて逃げ出す主がどこの世界にいる!」

ナンブは席を立ち、皆に号令する。

「こちらの兵全軍を、会津の援軍として向かわせよ!」

「お前たちは降伏し、領民の安全を第一に交渉を行え!」

「私は部屋にて蟄居し、今後の沙汰を待つ!」

「「「殿!!!」」」

家臣一同は一斉に叫ぶ。

「安心せよ…刑を言い渡されるまでは、決して腹を切ったりはせぬ!」

「だが、領民の命と引き換えであれば、儂は喜んで命を投げ出す覚悟じゃ!」

そう話し終え、南部は席を立つ。

「皆の者、今までよく儂に仕えてくれた」

「後のことは頼むぞ」

「「「殿!申し訳ございませぬ」」」

家臣の言葉を背に、南部は自室へと籠る。

翌日盛岡城は降伏し、藩主と家老の一族は人質として、モウカクのいる益州へと護送されていった。

そして今、この城の広間に3人の(大王)が集う。

最強の鎧・藤甲を身に纏った兵団の主『ゴツトツ』

猛獣軍を使う『ボクロク』

毒を自在に操る知恵士『ダシ』

「ふん!この国の奴らは、ろくに戦いもせず降伏するので、まったくもってつまらん!」

「ははは!仕方なかろうて!」

「これだけの軍勢を見たら、人間や亜人共では抵抗する気も失せようぞ!」

ゴツトツとボクロクは笑いながら酒をすする。

「よし!モウカクから頼まれていたのはここまでだが、もっともっと奥まで進撃し、我らの領土を拡げようぞ!」

酒を飲み干し息巻くゴツトツ。

「しかし、この森岡までが日ノ本共との約束だったのでは?」

心配するダシに、二人は笑って答える。

「な~に、実際支配してしまえば、奴らも何も言ってこんさ!」

「そうじゃ!」

「ふむ…一度支配してしまえば、後は何なりと理由を付けてしまえばよいか」

ダシも二人に同調する。

「しかし秦の奴ら、何故に日ノ本と一緒に戦う気になったのだ?」

この時はまだ、秦は楚と戦っていた。

「何か事前に取り決めでもやっていたのだろう?」

「悪魔の契約は絶対だからな」

ボクロクの質問にダシは答え、二人は納得する。

「よし!そうと決まれば軍の再編成をして、更に奥地へ進もうぞ!」

「「おう!!」」

こうして2日後、盛岡には少数の守備兵を残して、3人は更に進撃を開始した。
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