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群雄進撃編
第218話 それぞれの考え
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「将軍!本当にあれで宜しかったのですか?」
二条城の政務室で、徳川慶喜と島津久光は椅子に座り話していた。
「久光公、私はもう将軍ではないよ」
「いいえ!誰が何と言おうと、あなたは私の将軍です!」
(本当に私は将軍職をやりたくないのだがな…)
心の中で呟く慶喜。
「我が兄・島津斉彬侯も、引退して私に家督を譲っておきながら、兵権を手放そうとしない!」
「私は早く力をもって、将軍様の力になりたいというのに…」
興奮して話す久光に、辟易と返事する慶喜。
「久光公、そのようなものは要らない」
「私は本当に、戦争をやってほしくなかっただけだ」
「一体なぜ、勝てない戦争をやろうとするのか…たとえ降伏しても、生きてさえいれば未来があるだろうに…」
自分への重たいほどの久光公の思いに、慶喜はため息交じりに話す。
「久光公よ...私は静かに暮らしたいのだ」
「別にこの国を誰が治めようが、それで血が流れないのであれば、国民が死なずに生きてさえいれるのなら、それでいいのだ」
「誰が治めてもよいですと?」
久光は動揺する。
「ならば…あなたを信じて動いた、私はどうすれば宜しいのですか!」
「信長には『協力者が助けてくれる』と報告しておきましょう」
笑みを浮かべながら話す慶喜。
「協力者だと?!」
「ふざけるな!私はこの国を救うために、貴様が将軍になるよう協力したのだ!!」
「誰が侵略者の統治など認めるか!!」
これまで、慶喜を将軍としてこの国を治めてもらう為に、人一倍協力をしようと考えていた久光だったが、慶喜の本心は自分とは全く違う方向を向いていた。
「もういい!さらばだ慶喜様!」
久光は怒って二条城を後にする。
一人残った慶喜は呟く。
「はぁ…なぜ奴らは勝ち目のない戦いをしたがるのか」
「まあいいです…皆にはちゃんと伝えましたから…」
慶喜は席を立ち、旅支度をして二条城を後にした。
二条城の政務室で、徳川慶喜と島津久光は椅子に座り話していた。
「久光公、私はもう将軍ではないよ」
「いいえ!誰が何と言おうと、あなたは私の将軍です!」
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心の中で呟く慶喜。
「我が兄・島津斉彬侯も、引退して私に家督を譲っておきながら、兵権を手放そうとしない!」
「私は早く力をもって、将軍様の力になりたいというのに…」
興奮して話す久光に、辟易と返事する慶喜。
「久光公、そのようなものは要らない」
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「一体なぜ、勝てない戦争をやろうとするのか…たとえ降伏しても、生きてさえいれば未来があるだろうに…」
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「誰が治めてもよいですと?」
久光は動揺する。
「ならば…あなたを信じて動いた、私はどうすれば宜しいのですか!」
「信長には『協力者が助けてくれる』と報告しておきましょう」
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「協力者だと?!」
「ふざけるな!私はこの国を救うために、貴様が将軍になるよう協力したのだ!!」
「誰が侵略者の統治など認めるか!!」
これまで、慶喜を将軍としてこの国を治めてもらう為に、人一倍協力をしようと考えていた久光だったが、慶喜の本心は自分とは全く違う方向を向いていた。
「もういい!さらばだ慶喜様!」
久光は怒って二条城を後にする。
一人残った慶喜は呟く。
「はぁ…なぜ奴らは勝ち目のない戦いをしたがるのか」
「まあいいです…皆にはちゃんと伝えましたから…」
慶喜は席を立ち、旅支度をして二条城を後にした。
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