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群雄進撃編
第210話 咸陽の戦い
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秦の首都・咸陽。
今この王宮で、美女たちと酒を飲む趙高に、急報が入った。
「きゅ、急報です!!」
「属国である『西涼軍』20,000が反旗を翻し、咸陽に向けて進撃中!」
「敵の総大将『馬超(ばちょう)』が、次々と陣を破り、間もなく咸陽に到達します!」
趙高は驚いて盃を落とす。
「馬鹿な!奴らは私が『隷属契約』を行っている為、我々秦には決して逆らえないはずだぞ!」
趙高の言葉に、誰も答えることができない。
「おのれ~北の蛮族共め!目にもの見せてやるわ!」
「キョウカイ将軍に、兵40,000を与える!」
「急いで西涼の反逆者共を、討伐するよう伝えよ!」
「ハハッ!」
趙高に使える文官は、すぐにキョウカイ将軍へ指示を伝えに行く。
(よし、これで少しは時間が稼げるはずだ!)
「オウセン将軍に、咸陽の窮地であるため、全軍にて咸陽守備に戻るよう伝えよ!」
「ハハッ!」
使者は急いで、オウセン将軍のもとへ向かった。
(これで我が咸陽の守備は万全だ!)
(蛮族共め!全て捕らえて、さらし首にしてくれるわ!)
趙高はそのまま、何事もなかったように酒を飲み始めた。
そして次の日の夜、その時は『突然』訪れた。
寝静まった宮中に、突然悲鳴と怒号が響き渡る。
「敵襲!敵襲だー!!」
「敵は既に、『城内』まで入り込んでおるぞ!!」
この言葉に、飛び起きる趙高。
「なんだと?蛮族共がここまで来たと申すのか!」
趙高の怒号に、近衛兵が慌てて答える。
「い、いえ、城壁の旗には『項』の字が翻っております!」
(項?まさか…!)
「敵が判明いたしました!『項羽』軍です!!」
趙高は、その名を聞いた瞬間、全身から血の気が引くのを感じた。
(項羽?あの項羽だと!『西楚ノ覇王』が咸陽に攻めて来ただと?!)
「その数、10名ほど!」
(兵数はたったの10名弱?!)
考えた趙高は、皆に号令する。
「私の近衛兵は集まれ!」
そう叫ぶと、付近にいた近衛兵300が、趙高のもとに集まってきた。
「我々は今から、皇帝『胡亥(こがい)』様のもとへ向かう!」
趙高は、近衛兵たちにそう叫び、皇帝が眠る寝室へと向かった。
寝室へと向かうと、皇帝はどうしてよいか分からずに、ベッドの上に座っていた。
「おお、趙高よ!よく来てくれた!」
近衛を連れた趙高が表れ、安心する皇帝。
「皇帝、もう大丈夫です!」
「どうやら賊共の数は10人程度」
「この城には10,000以上の兵がおりますので、なんの心配もいりません!」
「おお!そちの言葉は、いつも私の心を安心させてくれる!」
「どうかこのまま、朕を守ってくれ!」
「御意!」
(いくら項羽でも、10,000以上の兵を倒すなどできるはずがあるまい!)
(項羽め、この城の兵数を見誤ったな!)
趙高はそう思い込み、ここに来るはずはないであろう項羽軍に備えた。
今この王宮で、美女たちと酒を飲む趙高に、急報が入った。
「きゅ、急報です!!」
「属国である『西涼軍』20,000が反旗を翻し、咸陽に向けて進撃中!」
「敵の総大将『馬超(ばちょう)』が、次々と陣を破り、間もなく咸陽に到達します!」
趙高は驚いて盃を落とす。
「馬鹿な!奴らは私が『隷属契約』を行っている為、我々秦には決して逆らえないはずだぞ!」
趙高の言葉に、誰も答えることができない。
「おのれ~北の蛮族共め!目にもの見せてやるわ!」
「キョウカイ将軍に、兵40,000を与える!」
「急いで西涼の反逆者共を、討伐するよう伝えよ!」
「ハハッ!」
趙高に使える文官は、すぐにキョウカイ将軍へ指示を伝えに行く。
(よし、これで少しは時間が稼げるはずだ!)
「オウセン将軍に、咸陽の窮地であるため、全軍にて咸陽守備に戻るよう伝えよ!」
「ハハッ!」
使者は急いで、オウセン将軍のもとへ向かった。
(これで我が咸陽の守備は万全だ!)
(蛮族共め!全て捕らえて、さらし首にしてくれるわ!)
趙高はそのまま、何事もなかったように酒を飲み始めた。
そして次の日の夜、その時は『突然』訪れた。
寝静まった宮中に、突然悲鳴と怒号が響き渡る。
「敵襲!敵襲だー!!」
「敵は既に、『城内』まで入り込んでおるぞ!!」
この言葉に、飛び起きる趙高。
「なんだと?蛮族共がここまで来たと申すのか!」
趙高の怒号に、近衛兵が慌てて答える。
「い、いえ、城壁の旗には『項』の字が翻っております!」
(項?まさか…!)
「敵が判明いたしました!『項羽』軍です!!」
趙高は、その名を聞いた瞬間、全身から血の気が引くのを感じた。
(項羽?あの項羽だと!『西楚ノ覇王』が咸陽に攻めて来ただと?!)
「その数、10名ほど!」
(兵数はたったの10名弱?!)
考えた趙高は、皆に号令する。
「私の近衛兵は集まれ!」
そう叫ぶと、付近にいた近衛兵300が、趙高のもとに集まってきた。
「我々は今から、皇帝『胡亥(こがい)』様のもとへ向かう!」
趙高は、近衛兵たちにそう叫び、皇帝が眠る寝室へと向かった。
寝室へと向かうと、皇帝はどうしてよいか分からずに、ベッドの上に座っていた。
「おお、趙高よ!よく来てくれた!」
近衛を連れた趙高が表れ、安心する皇帝。
「皇帝、もう大丈夫です!」
「どうやら賊共の数は10人程度」
「この城には10,000以上の兵がおりますので、なんの心配もいりません!」
「おお!そちの言葉は、いつも私の心を安心させてくれる!」
「どうかこのまま、朕を守ってくれ!」
「御意!」
(いくら項羽でも、10,000以上の兵を倒すなどできるはずがあるまい!)
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趙高はそう思い込み、ここに来るはずはないであろう項羽軍に備えた。
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