209 / 317
群雄進撃編
第207話 魔法と心理(4)
しおりを挟む
二人が去った後、静まり返る会議室。
「あれが…エジプトの王・ラムセス2世…」
「何か別次元の生き物でしたね…」
「それだけではない!あの王妃も、とんでもない魔力を秘めていたぞ?」
ざわつく会議室で、官兵衛が皆に話す。
「お分かりとは思うが、今のあの二人は『人間』ではない」
「恐らく『神に近い存在』であると、私は位置付けている」
「また、彼らは、この世界の紛争には興味がないようなので、このまま研究の成果を伝えたいと考えている」
ここで周瑜が質問する。
「ところで、彼らが言っていた『心理』とは何なのですか?」
この疑問に、アルベルトが答える。
「真理とは、死んだ魂が行き着く先の世界である」
「死んだ者の魂?」
「もしかして、この世界の事ですか?」
「半分、あたりですな」
アルベルトはそう答え、説明を続ける。
「生き物の魂は、常に『輪廻転生』しており、たとえこの世界で命が尽きても、すぐ別の世界で『新たな生命』として誕生するのです」
「そして、その『魂たち』が、次入れ物ができるまでの間、一時的に待機する場所が『真理の世界』なのです」
アルベルトの説明後、官兵衛が周瑜に質問する。
「周郎殿は、『ネクロマンサー』達が、何処から『魂』を呼び寄せてアンデットにしているか、考えたことはありますか?」
「それは…ないですね」
「そう、この世界では『そういうもの』と認識している為に、疑問として考えたりしなくなっているのです」
「そして、これもまた『真理の世界』に保管された魂を、魔法陣を使って、無理やりこの世界にもってきているのです」
「そんなことが…」
流石の周瑜も絶句した。
「安心してください、私も少し前までは、周郎殿と同じ考えだったのですから…」
「以上が、現在開示できる成果です」
アルベルトは、そのまま着席し、官兵衛が再び席を立つ。
「魔法の発案者である『ラムセス2世』の言葉を聞く限り、研究者たちの『魔法』に対する考え方は、間違ってはいなかったようです」
「今回はこれで解散と致します!」
こうして、この世界にない言葉で進んだ会議は、皆の多くの疑問を残したまま終了する。
「ボウイ殿、宜しいですかな?」
「おう!レオちゃんどうした?」
帰り足のボウイを、レオナルドはふいに呼び止める。
「お願いがあるのじゃが…」
レオナルドが全てを言う前に、ボウイは返事をする。
「分かっている」
「この事は、『ピット』と『ツキノ』には黙っておいてくれ!だろ?」
「!」
「この場に、二人を呼ばなかったのは正解だ」
「俺も、あいつ等にはこの話の『先』を、連想してもらいたくないからな…」
この言葉を聞いて、驚くレオナルド。
「俺は、前世で『軍人』だったから、まだいい」
ため息をつくボウイ。
「出来れば…この『真理』ってやつは、『一生知らない』方がいい」
「…そこまで理解していらっしゃるのであれば、私から何も申し上げる事はありませんのじゃ」
レオナルドの言葉に、ボウイは頷く。
「さて!次は『益州』か!」
「まったく、うちの丞相は、誰に対しても人使いが荒いな」
研究所を出ていくボウイに、レオナルドは深々と頭を下げた。
「あれが…エジプトの王・ラムセス2世…」
「何か別次元の生き物でしたね…」
「それだけではない!あの王妃も、とんでもない魔力を秘めていたぞ?」
ざわつく会議室で、官兵衛が皆に話す。
「お分かりとは思うが、今のあの二人は『人間』ではない」
「恐らく『神に近い存在』であると、私は位置付けている」
「また、彼らは、この世界の紛争には興味がないようなので、このまま研究の成果を伝えたいと考えている」
ここで周瑜が質問する。
「ところで、彼らが言っていた『心理』とは何なのですか?」
この疑問に、アルベルトが答える。
「真理とは、死んだ魂が行き着く先の世界である」
「死んだ者の魂?」
「もしかして、この世界の事ですか?」
「半分、あたりですな」
アルベルトはそう答え、説明を続ける。
「生き物の魂は、常に『輪廻転生』しており、たとえこの世界で命が尽きても、すぐ別の世界で『新たな生命』として誕生するのです」
「そして、その『魂たち』が、次入れ物ができるまでの間、一時的に待機する場所が『真理の世界』なのです」
アルベルトの説明後、官兵衛が周瑜に質問する。
「周郎殿は、『ネクロマンサー』達が、何処から『魂』を呼び寄せてアンデットにしているか、考えたことはありますか?」
「それは…ないですね」
「そう、この世界では『そういうもの』と認識している為に、疑問として考えたりしなくなっているのです」
「そして、これもまた『真理の世界』に保管された魂を、魔法陣を使って、無理やりこの世界にもってきているのです」
「そんなことが…」
流石の周瑜も絶句した。
「安心してください、私も少し前までは、周郎殿と同じ考えだったのですから…」
「以上が、現在開示できる成果です」
アルベルトは、そのまま着席し、官兵衛が再び席を立つ。
「魔法の発案者である『ラムセス2世』の言葉を聞く限り、研究者たちの『魔法』に対する考え方は、間違ってはいなかったようです」
「今回はこれで解散と致します!」
こうして、この世界にない言葉で進んだ会議は、皆の多くの疑問を残したまま終了する。
「ボウイ殿、宜しいですかな?」
「おう!レオちゃんどうした?」
帰り足のボウイを、レオナルドはふいに呼び止める。
「お願いがあるのじゃが…」
レオナルドが全てを言う前に、ボウイは返事をする。
「分かっている」
「この事は、『ピット』と『ツキノ』には黙っておいてくれ!だろ?」
「!」
「この場に、二人を呼ばなかったのは正解だ」
「俺も、あいつ等にはこの話の『先』を、連想してもらいたくないからな…」
この言葉を聞いて、驚くレオナルド。
「俺は、前世で『軍人』だったから、まだいい」
ため息をつくボウイ。
「出来れば…この『真理』ってやつは、『一生知らない』方がいい」
「…そこまで理解していらっしゃるのであれば、私から何も申し上げる事はありませんのじゃ」
レオナルドの言葉に、ボウイは頷く。
「さて!次は『益州』か!」
「まったく、うちの丞相は、誰に対しても人使いが荒いな」
研究所を出ていくボウイに、レオナルドは深々と頭を下げた。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖獣達に愛された子
颯希
ファンタジー
ある日、漆黒の森の前に子供が捨てられた。
普通の森ならばその子供は死ぬがその森は普通ではなかった。その森は.....
捨て子の生き様を描いています!!
興味を持った人はぜひ読んで見て下さい!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる