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群雄進撃編
第206話 魔法と心理(3)
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「この度は土魔法を使って『二重魔法陣』を使用しましたが、実はこの魔法は『他の属性』すべてで使用可能です!」
「更に、三重にも四重にも重ね、それらを掛け合わせる事も出来ます!」
「要は『別次元同士』にあるすべての属性を、一カ所に集める事も『理論上』可能と言う事なのです!」
ここまで話し、自身の研究成果の余韻に浸るアルベルト。
しかし、彼の望む喝采どころか、驚きの声一つ上がらず、会議室は静まり返っている。
「あの…アルベルト殿」
「あなたが素晴らしい発見をされたことは判るのですが、我々の理解が追い付いておりません」
張良が申し訳なさそうに話す。
その言葉に、愕然とするアルベルト。
「そんな…これ以上解りやすく説明することは、私には不可能だ…」
そう言って、膝から崩れ落ちたアルベルト。
そんな中、白服を着た男女が笑い始める。
「ククククク…まさか余が編み出した『魔法陣』を、ここまで『魔改造』するもの達が現れようとはのう、『クレオパトラ』よ!」
「ええ…驚きましたわ、我がファラオ『ラムセス2世』様!」
「ラムセス2世殿とクレオパトラ殿だと?!」
「現・エジプト国の王と王妃が何故ここに?」
初めて見た二人に、一同は驚きを隠せない。
「クククク、そう驚くではない!」
「それに、先に接触してきたのは、ラビット国の丞相『孔明』だぞ?」
その言葉に、周りは再度驚く。
「本当ですか?!」
「官兵衛殿は知っていたのですか?」
その言葉に、官兵衛は頷く。
「いかにも!」
「この魔法陣の古代文字が「古代エジプト文字」に近いと報告を受け、丞相(孔明)が、研究成果をラムセス2世殿へ報告する見返りとして、この文字の『解読書』を借り受けたのだ!」
「そして今、その解読書を基に、アルベルトが成果を出したので、報告の為同盟国に集まって頂いている!」
官兵衛は話し終えると、ラムセス2世が再び話し出す。
「しかし面白い!」
「1万年以上生きてきた中でも、今日が一番面白かったといっても過言ではない!」
「しかも、100年も生きていない『人間』が、答えを導き出したのだから、尚更よ!」
「ははっ!!」
アルベルトは、理解者の出現に嬉しそうだ。
「しかし…ならばここまで判ったのであれば、当然あの『真理』にも行き着いたのであろう?」
ラムセス2世の言葉に、アルベルトの笑みは消え真顔になる。
「真理とは、『魂』の事ですかな?」
アルベルトの言葉に、ラムセス2世は再び笑い出す。
「ハハハハハ!そうか!行き着いてしまったか『人間』よ!」
「やはり今日は最高の日になった!」
「あとは…その心理を、お前たちはどう『使う』かだな!」
ここまで話し、ラムセス2世は立ちあがる。
「今日はとても楽しませてもらった!」
「礼に、私の渡した『解読書』は、お前たちにくれてやろう!」
「また、研究成果が出る日を、楽しみにしておるぞ!」
そう言い終えると、二人はそのまま会議室を後にした。
「更に、三重にも四重にも重ね、それらを掛け合わせる事も出来ます!」
「要は『別次元同士』にあるすべての属性を、一カ所に集める事も『理論上』可能と言う事なのです!」
ここまで話し、自身の研究成果の余韻に浸るアルベルト。
しかし、彼の望む喝采どころか、驚きの声一つ上がらず、会議室は静まり返っている。
「あの…アルベルト殿」
「あなたが素晴らしい発見をされたことは判るのですが、我々の理解が追い付いておりません」
張良が申し訳なさそうに話す。
その言葉に、愕然とするアルベルト。
「そんな…これ以上解りやすく説明することは、私には不可能だ…」
そう言って、膝から崩れ落ちたアルベルト。
そんな中、白服を着た男女が笑い始める。
「ククククク…まさか余が編み出した『魔法陣』を、ここまで『魔改造』するもの達が現れようとはのう、『クレオパトラ』よ!」
「ええ…驚きましたわ、我がファラオ『ラムセス2世』様!」
「ラムセス2世殿とクレオパトラ殿だと?!」
「現・エジプト国の王と王妃が何故ここに?」
初めて見た二人に、一同は驚きを隠せない。
「クククク、そう驚くではない!」
「それに、先に接触してきたのは、ラビット国の丞相『孔明』だぞ?」
その言葉に、周りは再度驚く。
「本当ですか?!」
「官兵衛殿は知っていたのですか?」
その言葉に、官兵衛は頷く。
「いかにも!」
「この魔法陣の古代文字が「古代エジプト文字」に近いと報告を受け、丞相(孔明)が、研究成果をラムセス2世殿へ報告する見返りとして、この文字の『解読書』を借り受けたのだ!」
「そして今、その解読書を基に、アルベルトが成果を出したので、報告の為同盟国に集まって頂いている!」
官兵衛は話し終えると、ラムセス2世が再び話し出す。
「しかし面白い!」
「1万年以上生きてきた中でも、今日が一番面白かったといっても過言ではない!」
「しかも、100年も生きていない『人間』が、答えを導き出したのだから、尚更よ!」
「ははっ!!」
アルベルトは、理解者の出現に嬉しそうだ。
「しかし…ならばここまで判ったのであれば、当然あの『真理』にも行き着いたのであろう?」
ラムセス2世の言葉に、アルベルトの笑みは消え真顔になる。
「真理とは、『魂』の事ですかな?」
アルベルトの言葉に、ラムセス2世は再び笑い出す。
「ハハハハハ!そうか!行き着いてしまったか『人間』よ!」
「やはり今日は最高の日になった!」
「あとは…その心理を、お前たちはどう『使う』かだな!」
ここまで話し、ラムセス2世は立ちあがる。
「今日はとても楽しませてもらった!」
「礼に、私の渡した『解読書』は、お前たちにくれてやろう!」
「また、研究成果が出る日を、楽しみにしておるぞ!」
そう言い終えると、二人はそのまま会議室を後にした。
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