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群雄進撃編
第201話 イゾウの気持ち
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「…ある方より命を受け、薩長と幕府が画策した『帝と、王を騙るピットなる俗物の婚姻』から、帝を救い連れ出し、土佐にてお守りする所存でした」
「なるほど、それで、ある方とは『よっとる公』でよいのか?」
ミントの質問に、少し間を置きつつも「そうです」と、平伏したままヨシトラたちは認める。
「それで、わらわを救い出した後はどうするつもりだったのじゃ?」
このミントの質問に、ヨシトラは平伏して話を続ける。
「日ノ本が協力し、土佐にて『正統な亜人連合国』を公言し、本土に蔓延る奸賊共や、帝を力づくで我が物にしようとするピット王の国を、日ノ本の兵団と共に討伐後、帝を中心にこの国を本当に思う有志達で治めていくのです」
「ふむ、なるほどな」
ミントはここまでのを聞き、ヨシトラに質問した。
「では質問じゃが、なぜ国を思う奴らが、このような内乱まがいの事を行った?」
「!?」
「そちらのせいで、わらわの大事な家臣・公家衆が大勢死傷しておるぞ?」
「ですので我々は…」
ヨシトラの言葉を遮り、再度ミントは質問を続ける。
「つまりじゃ、土佐や日ノ本は、手に入れたいものはたとえ相手を傷つけても奪ってよい!との考えでよいのじゃな?」
「その様な輩共のところに、わらわが行ったところで誰も付いてこぬと、それくらいの事も分からぬのか?」
「…」
ミントの言葉に返す言葉もないヨシトラたち3人。
ここで龍馬が、黙って話を聞いているイゾウに質問する。
「なぁイゾウさん、ここまで黙って聞いておったが、イゾウさんの心の中ではどう思った?」
「こ、心の中?」
「そう、頭じゃなく心じゃ!」
「ここまで皆が派手にやっておきながら、帝はすぐに処罰せず、皆の話を聞いたうえでやったことの間違いを指摘してくれちゅう」
「なぁ、イゾウさんが正しいと思うのはどっちじゃと思う?」
龍馬の言葉を考え、イゾウは自分なりの答えを出す。
「わ、わしはあ、頭が悪いので、難しいことはわ、分らんが、お、俺たちがま、間違ったことをしておるっちゅうことはわかる…」
「そ、それに帝は、は、ハンペンたちと違い、ちゃんとお、俺たちの話をき、聞いてくれた」
「お、俺は帝やり、リョウマを信じる!」
うなだれながら答えるイゾウに、ヨシトラたちも反論しない。
「ヨシトラさん、ナスシン、カスケ、」
「もうわかったじゃろ?誰が嘘をついて皆をここに送り込んだのか!」
「頼むから目を覚ましてくれ!」
龍馬の言葉にしばしの沈黙が流れ、意を決したヨシトラが重い口を開く。
「…わかったリョウマ、皆の言う通り、御所への襲撃は俺たちの間違いじゃった」
「ただ、俺たちはやったことの責任は取らねばならぬ」
「俺たちは腹を切るから、それで許してくれ」
そう話し、4人はミントに対し平伏した。
「おんしら…」
4人を哀しい顔で見つめていた龍馬だが、意を決し、ミントたちに願い出る。
「明帝様!彼らが許されないことをしたのは承知致しております!」
「それでも…私は…前世で助けられなかった仲間を助けたいのです!」
「何卒…何卒…寛大なご処置を!」
龍馬も平伏し、内蔵太と、西郷・桂と一緒に来た中岡も願い出る。
その姿を見て困るミントと西郷を見て、ピットが提案する。
「なるほど、それで、ある方とは『よっとる公』でよいのか?」
ミントの質問に、少し間を置きつつも「そうです」と、平伏したままヨシトラたちは認める。
「それで、わらわを救い出した後はどうするつもりだったのじゃ?」
このミントの質問に、ヨシトラは平伏して話を続ける。
「日ノ本が協力し、土佐にて『正統な亜人連合国』を公言し、本土に蔓延る奸賊共や、帝を力づくで我が物にしようとするピット王の国を、日ノ本の兵団と共に討伐後、帝を中心にこの国を本当に思う有志達で治めていくのです」
「ふむ、なるほどな」
ミントはここまでのを聞き、ヨシトラに質問した。
「では質問じゃが、なぜ国を思う奴らが、このような内乱まがいの事を行った?」
「!?」
「そちらのせいで、わらわの大事な家臣・公家衆が大勢死傷しておるぞ?」
「ですので我々は…」
ヨシトラの言葉を遮り、再度ミントは質問を続ける。
「つまりじゃ、土佐や日ノ本は、手に入れたいものはたとえ相手を傷つけても奪ってよい!との考えでよいのじゃな?」
「その様な輩共のところに、わらわが行ったところで誰も付いてこぬと、それくらいの事も分からぬのか?」
「…」
ミントの言葉に返す言葉もないヨシトラたち3人。
ここで龍馬が、黙って話を聞いているイゾウに質問する。
「なぁイゾウさん、ここまで黙って聞いておったが、イゾウさんの心の中ではどう思った?」
「こ、心の中?」
「そう、頭じゃなく心じゃ!」
「ここまで皆が派手にやっておきながら、帝はすぐに処罰せず、皆の話を聞いたうえでやったことの間違いを指摘してくれちゅう」
「なぁ、イゾウさんが正しいと思うのはどっちじゃと思う?」
龍馬の言葉を考え、イゾウは自分なりの答えを出す。
「わ、わしはあ、頭が悪いので、難しいことはわ、分らんが、お、俺たちがま、間違ったことをしておるっちゅうことはわかる…」
「そ、それに帝は、は、ハンペンたちと違い、ちゃんとお、俺たちの話をき、聞いてくれた」
「お、俺は帝やり、リョウマを信じる!」
うなだれながら答えるイゾウに、ヨシトラたちも反論しない。
「ヨシトラさん、ナスシン、カスケ、」
「もうわかったじゃろ?誰が嘘をついて皆をここに送り込んだのか!」
「頼むから目を覚ましてくれ!」
龍馬の言葉にしばしの沈黙が流れ、意を決したヨシトラが重い口を開く。
「…わかったリョウマ、皆の言う通り、御所への襲撃は俺たちの間違いじゃった」
「ただ、俺たちはやったことの責任は取らねばならぬ」
「俺たちは腹を切るから、それで許してくれ」
そう話し、4人はミントに対し平伏した。
「おんしら…」
4人を哀しい顔で見つめていた龍馬だが、意を決し、ミントたちに願い出る。
「明帝様!彼らが許されないことをしたのは承知致しております!」
「それでも…私は…前世で助けられなかった仲間を助けたいのです!」
「何卒…何卒…寛大なご処置を!」
龍馬も平伏し、内蔵太と、西郷・桂と一緒に来た中岡も願い出る。
その姿を見て困るミントと西郷を見て、ピットが提案する。
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