神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第199話 新撰組の邂逅

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秀頼たちが去り、ピットは陸奥と共に、疲れ果てたルクシルを姫宮御殿にて休ませる。

残された『イゾウ』を内蔵太が束縛し、外へ出たところで、新撰組の近藤たちと、西郷・桂率いる薩長軍が、御所の騒ぎを鎮圧し駆けつけてくれた。

「ピット様!ご無事でしたか!」

「近藤さん、助けに来てくれてありがとうございます」

ピットの言葉に、近藤は笑って答える。

「我らが主君の危機に、駆け付けぬ家臣はおりませんぞ!」

「近藤さん、決断してくれたのですね!」

嬉しそうに答えるピットに、近藤も喜びをこらえて挨拶する。

「我ら新撰組、今よりピット様の家臣として加えさせていただきます!」

近藤の言葉に、皆が片膝を付き敬意をとる。

「ありがとう皆、来てくれて本当にうれしい!」
「これから大変だけど、どうかみんなの力を私に貸してほしい!!」

「「「ははっ!!」」」

挨拶する新撰組に、ミントも声を掛ける。

「ほう、『新撰組』はピット王の配下になったのじゃな?」

「あなた様は、明帝!」

近藤をはじめ、皆一斉に平伏した。

「よいよい、ピット王の『直参』になったのであろう?」

「であれば、婚姻を結んだわらわの直参と変わらぬこと」

ミントはそのまま新撰組に指示を出す。

「新撰組局長・近藤勇に、禁裏御守衛総督(きんりごしゅえいそうとく)を命ずる!」
「今後新撰組にて、御所内の警備を行うように」

「!!」

近藤たちは驚きのあまり声を失くす。

「普通は大名がやる職務じゃが、そなたたちであれば任せて大丈夫であろう」

「屯所は確か…宣秋門のところに、今はだれも住んで居らん公家衆の空き家があったはずじゃて、そこを好きに使うとよい!」

「は、ははっ!!」

近藤は驚いた声で返事をした。

「我々が帝の直参警護に…こんな日が来るなんて…」

平伏する近藤は涙をこぼし、感無量に浸っていた。

「おい、近藤さん、こんなところで泣くなよ!」

そう言う副長の土方も、目に涙を溜めていた。

「よし、これでわらわもやっと枕を高くして眠れるのう」

新撰組がミントに挨拶を終わったところで、西郷と桂が、捕らえた者たちの報告を行う。

「こん度の騒動を起こした者たちの大半を、捕らえましたでごわす」

「彼らはあろうことか、御所に火を放ち、帝の御身を連れ去ろうと致しもした」

西郷は、御所襲撃者たちに対して相当憤慨していた。

「明帝、どんな理由で攻めてきたか、当人たちに聞いてみましょう」

西郷が処分を求めるよりも先に、ピットが面会を要求した。

「そうじゃな、土佐藩が日ノ本と一緒になって、何故わらわを攫いに来たのか、直接聞いてみるか」

「…わかりもした、首謀者共を連れてきます」

ミントの言葉に、西郷たちは何も言わなかった。

そうやって連れてこられた『ヨシトラ』『ナスシン』『カスケ』そして『イゾウ』。

彼等は一体どのようなことを話すのであろうか?
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