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群雄進撃編
第186話 越前の俊才たち
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藩邸の大広間に入ると、『まつしゅん』公とテンとクマネズミの獣人が、裃を着て座っている。
「ピット王、お待ちしておりました!」
「ささ、こちらへ」
テンの獣人が二人を対面に座らせて、自身とクマネズミの獣人はその左隣に並んで座る。
また、ピットの右隣から、龍馬、中岡が並び、入り口でルクシルと陸奥が警護を行う。
「『松平春嶽(まつだいら・しゅんがく)』公、本日はお招きいただきまして、ありがとうございます」
「こちらこそ、お忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます」
とくのぶ将軍と四公改め『三候』は、ミントへの忠義もあって進化し、それぞれ『徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ)』・『伊達宗城(だて・むねなり)』・『松平春嶽(まつだいら・しゅんがく)』『島津斉彬(しまず・なりあきら)』となっていた。
「それで、各藩の改革はうまく行ってますでしょうか?」
ミント含め、多忙を極める朝廷にはなかなか聞けず、ピットは春嶽公に聞いてみた。
「はい、越前藩の改革は順調に進んでいます」
春嶽候は、隣に座る二人を紹介する。
「現在のこの越前藩には、今隣におられます賓客の『ショウナン』先生と、我が藩の重臣で、ショウナン先生の弟子である『ハチロウ』に、藩の財政管理と殖産貿易を任せております」
頭を下げる二人を見て、ピットは春嶽候に質問する。
「では春嶽候、私はショウナン先生と、ハチロウ殿を『進化』させれば宜しいのですね?」
ピットが越前藩邸に来た理由の一つが、二人の進化を行う為であった。
「はい、お話ししていた通り、私には彼らの前世の記憶を戻すことが出来ませんので、ピット王にお願いしたく、二人をこちらに呼び寄せておきました」
「わかりました」
「では、二人とも宜しいですか?」
ピットの言葉に頭を下げた二人は光出す。
「おお、これは確かに私の記憶だ!」
「春嶽侯、久しいですのう!」
「龍馬も元気であったか!」
クマネズミの獣人は小柄な男に変身し、皆を懐かしそうな目で見る。
「春嶽侯、お久しゅうございます」
「龍馬も久ぶりです!」
「小楠先生!三岡!すべて思い出したがか!」
テンの獣人の言葉に、思わず叫ぶ龍馬。
「ピット王、貴方のお陰で前世を思い出すことができ、心から礼を言わせて頂きます」
「私の名前は『横井小楠(よこい・しょうなん)』、熊本藩を追い出され、今は春嶽侯に居候として匿ってもらっておる身です」
ピットに挨拶する小楠に、春嶽侯が説明する。
「いえ、私は小楠先生の頭脳を理解できず、武士の資格さえはく奪し、謹慎させていた熊本藩から、先生の力が発揮できる我が藩へお越し頂いたのです」
「そして今、我が藩でも聡明な家臣『三岡八郎(みおか・はちろう)』と共に、藩の財政を飛躍的に向上させ、更に龍馬と中岡殿も加わって、その資金を使い藩の軍備向上を進めているのです」
「はい、お二人は明治に入っても有名な方なので、存じ上げています」
ピットの言葉に嬉しそうに驚く二人。
「何と、ピット王も転生者だったのですか!」
「どうりで私たちの世界にも詳しい訳ですね」
こうして、暫くはピットが「明治以降」の話をして、その場にいる人たちを楽しませた。
「ピット王、お待ちしておりました!」
「ささ、こちらへ」
テンの獣人が二人を対面に座らせて、自身とクマネズミの獣人はその左隣に並んで座る。
また、ピットの右隣から、龍馬、中岡が並び、入り口でルクシルと陸奥が警護を行う。
「『松平春嶽(まつだいら・しゅんがく)』公、本日はお招きいただきまして、ありがとうございます」
「こちらこそ、お忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます」
とくのぶ将軍と四公改め『三候』は、ミントへの忠義もあって進化し、それぞれ『徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ)』・『伊達宗城(だて・むねなり)』・『松平春嶽(まつだいら・しゅんがく)』『島津斉彬(しまず・なりあきら)』となっていた。
「それで、各藩の改革はうまく行ってますでしょうか?」
ミント含め、多忙を極める朝廷にはなかなか聞けず、ピットは春嶽公に聞いてみた。
「はい、越前藩の改革は順調に進んでいます」
春嶽候は、隣に座る二人を紹介する。
「現在のこの越前藩には、今隣におられます賓客の『ショウナン』先生と、我が藩の重臣で、ショウナン先生の弟子である『ハチロウ』に、藩の財政管理と殖産貿易を任せております」
頭を下げる二人を見て、ピットは春嶽候に質問する。
「では春嶽候、私はショウナン先生と、ハチロウ殿を『進化』させれば宜しいのですね?」
ピットが越前藩邸に来た理由の一つが、二人の進化を行う為であった。
「はい、お話ししていた通り、私には彼らの前世の記憶を戻すことが出来ませんので、ピット王にお願いしたく、二人をこちらに呼び寄せておきました」
「わかりました」
「では、二人とも宜しいですか?」
ピットの言葉に頭を下げた二人は光出す。
「おお、これは確かに私の記憶だ!」
「春嶽侯、久しいですのう!」
「龍馬も元気であったか!」
クマネズミの獣人は小柄な男に変身し、皆を懐かしそうな目で見る。
「春嶽侯、お久しゅうございます」
「龍馬も久ぶりです!」
「小楠先生!三岡!すべて思い出したがか!」
テンの獣人の言葉に、思わず叫ぶ龍馬。
「ピット王、貴方のお陰で前世を思い出すことができ、心から礼を言わせて頂きます」
「私の名前は『横井小楠(よこい・しょうなん)』、熊本藩を追い出され、今は春嶽侯に居候として匿ってもらっておる身です」
ピットに挨拶する小楠に、春嶽侯が説明する。
「いえ、私は小楠先生の頭脳を理解できず、武士の資格さえはく奪し、謹慎させていた熊本藩から、先生の力が発揮できる我が藩へお越し頂いたのです」
「そして今、我が藩でも聡明な家臣『三岡八郎(みおか・はちろう)』と共に、藩の財政を飛躍的に向上させ、更に龍馬と中岡殿も加わって、その資金を使い藩の軍備向上を進めているのです」
「はい、お二人は明治に入っても有名な方なので、存じ上げています」
ピットの言葉に嬉しそうに驚く二人。
「何と、ピット王も転生者だったのですか!」
「どうりで私たちの世界にも詳しい訳ですね」
こうして、暫くはピットが「明治以降」の話をして、その場にいる人たちを楽しませた。
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