神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第180話 第六天魔王・信長

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ここは日ノ本、織田信長の居城である安土城。



島津義弘は本丸にある広間にて、足を組み、ひじ掛けに乗せた手に顎を置き、椅子に座る信長へ『亜人連合の将軍暗殺』の報告を行っていた。



「以上を持ちまして、亜人連合国将軍・とくもち公暗殺の報告を終わらせて頂きます」



「で、あるか」



義弘の報告に、信長は姿勢を崩さず短く答える。



「島津殿、此度は船内にいた『将軍とくもち』を無事亡き者にし、亜人連合国を大いに混乱させたこと、殿も大喜びである!」

「これにより、お前たちが我々の天下統一に最後まで抵抗した罪を許し、所領である「薩摩・大隅」の統治を認める!」



「ははっ、有難き幸せ!」



信長の下に座る、参謀の『石田三成』の言葉にひれ伏す義弘。



信長の冷たい視線は、並んで座る三成の上座に座る男に向けられる。



「で、軍師『竹中半兵衛』よ、これからどう考えておるのだ?」



半兵衛は信長に一礼し、自身の考えを話し始めた。



「此度の将軍暗殺により、亜人連合国は混乱の極みになると思われました」



「しかし、亜人連合国の帝『明帝』と『動乱の森』を治めた獣人、『ラビット・ピット王』の婚姻により、この国が一気に纏まろうとしております」



「ここは亜人連合が一つになる前に、我が国の武力で一気に侵攻するのが宜しいと思われます」



冷静に話す半兵衛に、信長は笑みを浮かべる。



「で、あるか」

「ならば半兵衛、お前の推す者を大将とし、急ぎ兵団を纏めて進攻の準備を行え!」



「ははっ!」



半兵衛は、左右に並ぶ重臣たちに向き直り号令する。



「羽柴備前中納言秀家!(宇喜多秀家)」



「ハッ!」



「其方に『亜人連合討伐』総大将の任と、兵20万を授ける」

「この兵と『亜人連合国の協力者』と力を合わせ、速やかにかの地の首都『古都』を占領せよ!」



「承知いたしました!」



「小西行長!」



「ハッ!」



「其方を『亜人連合討伐』副将の任を与える」

「総大将と協力し、亜人連合国の制圧を行え!」



「ハハッ!」



「亜人連合国に攻め入る将兵の割り当ては、二人に一任する」

「ただし、出兵するのは外様大名(元敵だった大名)を中心に編成せよ!」



「ハハッ、畏まりました!」



話し終えた半兵衛は、島津義弘に向き直る。



「と言う事です、島津殿」

「あなた方からも兵を出していただきますので、準備をお願いします」



「はっ!」



義弘は短く返事をする。



「上様、これで宜しいでしょうか?」



半兵衛は信長へ向き直り、信長へ確認する。



「お前に全てを任せておる、お前に意のある奴らは、儂に意があると言っておるも同じ事」

「皆の者、この件に関しては半兵衛の指示に従い動け!」



「「「承知いたしました!」」」



信長の一言で、この場の話は終了した。



「三成!」



信長は三成を呼び止める。



「この件はお前の直の上司でもある『関白殿』にも話しておけ!」



「畏まりました!」



三成は一礼し、そのまま『豊臣秀吉』のもとへと向かった。



(ふん、ハゲネズミめ!お前の子飼い共がこの遠征で失敗せぬよう願っておくのだな)



信長は煙管を吸いながら、薄ら笑いを浮かべた。



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