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群雄進撃編
第178話 魏と秦の共闘
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ここは魏の首都『許昌(きょしょう)』。
元の首都は『洛陽(らくよう)』であったのだが、人間と亜人の統治時に秦軍の侵攻にあい、許昌に遷都した際にピレネッタ公の支配下となり現在に至る。
現在魏の領地は、元の領地9州とピレネッタ公が制圧した元袁紹の領地6州の合計15州で構成され、領地が隣接した海・黄河近辺の水産業や貿易の影響もあり、経済状況も良好である。
そしていま、魔族の支配から離れた領地『楚』を狙って、この大国が動き出す。
「ソウソウ、君の判断で趙高の奴と同盟を結んだのだが、本当に良かったのかね?」
「はい、趙高たちも『魔族間不可侵条約』が決まっているとはいえ、我々の事が気になって全力で攻撃できなくなっていたようですので、『共闘同盟』を持ち掛けてきたようです」
「しかし共闘同盟と言う事は、奴らが攻め込まれたら援軍を送らねばならぬだろう?」
ピレネッタ公の疑問に、丞相のソウソウが説明する。
「今回我々が約束したのは『共同して楚を攻める』だけですので、秦が楚に攻められても援軍を送る必要はありません」
「さらに、我々は楚の領地を攻め獲るだけですので、『魔族間不可侵条約』にも抵触しません」
「またプライドの高い趙高であれば、多少の劣勢で決してこちらに頭を下げるようなこともしませんし、唯一この事を見抜いて反対していた丞相の『李斯』も殺しており、今後計略を見抜けるほどの知者は、いまの秦に残っておりません」
「我々はただ『秦』から『楚』になった領地を『魏』の領地に変えるだけです」
ソウソウの説明に、ピレネッタ公は感嘆する。
「ふむ、やはりこの国のことを君に任せたのは正解だったな」
「いえ、公が我ら臣下を信じて動いてくださるからにてございます」
そう言ってソウソウは拱手をする。
「ふっ、私は他の魔族共と違い、弱者どもを虐げるだけの統治はやらないからな」
「私は使えるものは大事に使う、例え敵であろうが魔族でなかろうが、だ」
拱手したまま黙って聞くソウソウ。
「わかったソウソウ、今後もお前の思った通りに進めるがよい」
「ご信任頂き、誠に感謝いたします」
「それでは吉報を届けられますよう、準備をして参ります」
そう挨拶し、ソウソウはピレネッタの部屋を退出した。
一人になったピレネッタは呟く。
「ふふ、これで秦の領地を平らげ、次にソウソウを利用していると勘違いした宋国を『モンゴル』と挟撃すれば、この大陸の半分を手中に出来る」
「これで『魔王』への道も開けてきたな…」
ピレネッタは一人ほくそ笑む。
元の首都は『洛陽(らくよう)』であったのだが、人間と亜人の統治時に秦軍の侵攻にあい、許昌に遷都した際にピレネッタ公の支配下となり現在に至る。
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そしていま、魔族の支配から離れた領地『楚』を狙って、この大国が動き出す。
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「はい、趙高たちも『魔族間不可侵条約』が決まっているとはいえ、我々の事が気になって全力で攻撃できなくなっていたようですので、『共闘同盟』を持ち掛けてきたようです」
「しかし共闘同盟と言う事は、奴らが攻め込まれたら援軍を送らねばならぬだろう?」
ピレネッタ公の疑問に、丞相のソウソウが説明する。
「今回我々が約束したのは『共同して楚を攻める』だけですので、秦が楚に攻められても援軍を送る必要はありません」
「さらに、我々は楚の領地を攻め獲るだけですので、『魔族間不可侵条約』にも抵触しません」
「またプライドの高い趙高であれば、多少の劣勢で決してこちらに頭を下げるようなこともしませんし、唯一この事を見抜いて反対していた丞相の『李斯』も殺しており、今後計略を見抜けるほどの知者は、いまの秦に残っておりません」
「我々はただ『秦』から『楚』になった領地を『魏』の領地に変えるだけです」
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「ふむ、やはりこの国のことを君に任せたのは正解だったな」
「いえ、公が我ら臣下を信じて動いてくださるからにてございます」
そう言ってソウソウは拱手をする。
「ふっ、私は他の魔族共と違い、弱者どもを虐げるだけの統治はやらないからな」
「私は使えるものは大事に使う、例え敵であろうが魔族でなかろうが、だ」
拱手したまま黙って聞くソウソウ。
「わかったソウソウ、今後もお前の思った通りに進めるがよい」
「ご信任頂き、誠に感謝いたします」
「それでは吉報を届けられますよう、準備をして参ります」
そう挨拶し、ソウソウはピレネッタの部屋を退出した。
一人になったピレネッタは呟く。
「ふふ、これで秦の領地を平らげ、次にソウソウを利用していると勘違いした宋国を『モンゴル』と挟撃すれば、この大陸の半分を手中に出来る」
「これで『魔王』への道も開けてきたな…」
ピレネッタは一人ほくそ笑む。
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