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群雄進撃編
第150話 優しくない世界
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ラボを出て、俺はツキノと一緒に歩く。
「あれ、ツキノ様、そちらの『エルフの姿をしたオーク顔』の方は誰っすか?」
「巴さん失礼ですよ!世の中にはいろいろな種族の方たちがいらっしゃるのです」
「でも…どっちなんだろうね?新しい種族?」
会っていきなりこのセリフの『美少女戦士団』。
巴たちが悪口で言っているのではなく、本気で悩んでいるのに、俺のライフは減らされていく。
「こちらはエルフに転生した『まさよし』君だよ。みんな仲良くね!」
ツキノが俺の正体を隠すために、神の部分は話さなかった。
「エルフ?エルフにもこんな顔の奴がいるのかよ!」
巴の容赦ないド直球発言に、俺のライフはゼロを突き抜けていった。
「ちょっと、巴さん何言っているの!少しは考えてから発言しなさい!」
「ほんと、スズメバチってどんな時でも好戦的だよな?」
「あーん?てめーら、やんのかよ!」
俺の顔が原因で、さっきまで仲良く歩いていた3人が、今まさに喧嘩を始めようとしている。
「あんたたちさー、いい加減にしないとまたやっちゃうよ?」
「「「すみませんでした!」」」
ツキノの一言で、一気に姿勢がよくなる3人。
「ではこれで」
3人はそそくさと去って行ってしまった。
「神様ごめんね、あいつら別に悪気があって言ったわけじゃないから…」
うん知ってる。でも、悪気がないから余計につらいんだよね。
それ以外の道行く人たちは、自分たちの知らない何処かの亜人種族だと思って、特に気にもしていなかった。
ラビット国の門のところで、一人のエルフが俺を待っていた。
「おージャス…まさよし君、無事依り代手に入れたんだね!」
「あ、ルリ…さん、お待たせしました」
地上では、神様が依り代でうろついているのがバレると、さすがによくないので、降りたときはそれぞれ偽名で呼び合うことにした。
「じゃあ神様、ルリエン様、私はここで」
そう言ってツキノとはここで別れた。
ここからエルフの国まで『鳥車』に3時間ほど乗って移動する。
ラビット国~エルフ国間は、すでに道が整備されており、鳥車で快適に移動できるようになった。
ルリエンさんは、向き合って座れる鳥車内で、なぜか俺の隣に座っている。
改めて見るけど、ルリエンさんはすごくかわいい。
前世?で言えば、F県の奇跡の人並みの顔立ちだ。
金髪で肩甲骨付近まで伸びた髪に、クリっとした青い目、すっとした鼻に笑うとえくぼが出る口。
身長はそんなに高くないけど、緑と白が合わさったワンピースがよく似合う女の子。
もしこの世界に来ていなかったら、俺みたいな男には一生縁の無いような女性だったろうな。
「ねぇ、久しぶりに『人の姿』に戻った気分はどう?」
ルリエンさんがニコニコして俺に話しかけてきた。
「うん、うれしいんだけど…外見でいろいろ言われてちょっとね…」
ルリエンさんは、しばらく俺が何を言っているのか分からなかったようだが、やがて笑いながら話しだした。
「あははは、この世界の人たちは『容姿も』重要視するからね!」
「大丈夫だよ、私はちゃんとジャスティス君のことわかっているからさ!」
なんだこれ、この人マジ天使じゃん!女神だけどw
「ほらほら、泣かない!」
「私の信者たちはそんなの気にしないから、安心していいよ!」
「ウウッ、ありがとうルリエンさん」
「そっか、人を見た目で判断しないなんて、ルリエンさんの信者は立派だな」
「よしよし、元気出して!」
こうして俺は、励ましと頭ナデナデされながら、アル・アノア女王の国に到着した。
村の中を颯爽と歩く二人。
「ね、何も言ってこないでしょ?」
満面の笑みで聞いてくるルリエンさん。
「うん、確かに『誰も』言ってこないね」
うん、確かに何も言ってこないけどさ…ただ、遠くからすごく見られているよ?
あっ、子供のエルフがこっちに来ようとしているのを、親エルフが必死で止めている。
おや、あちらの男エルフは矢をこっちに引いているように見えるのですが?
おやおや、あちらの男衆は剣を片手に、誰が俺を討伐するか話し合っているようですね(涙)
村に入って3分も経っていないけど…もう帰りたいです。
「チッ、あいつら…私に恥をかかせおって…」
いやいや、ルリエンさんの独り言が、俺にめっちゃ聞こえていますよ?
もう俺のことは気にしなくていいので、心を沈めてください!
こうして、俺の事で怒ってくれているルリエンさんを宥めながら、アル・アノア女王と謁見した。
「あれ、ツキノ様、そちらの『エルフの姿をしたオーク顔』の方は誰っすか?」
「巴さん失礼ですよ!世の中にはいろいろな種族の方たちがいらっしゃるのです」
「でも…どっちなんだろうね?新しい種族?」
会っていきなりこのセリフの『美少女戦士団』。
巴たちが悪口で言っているのではなく、本気で悩んでいるのに、俺のライフは減らされていく。
「こちらはエルフに転生した『まさよし』君だよ。みんな仲良くね!」
ツキノが俺の正体を隠すために、神の部分は話さなかった。
「エルフ?エルフにもこんな顔の奴がいるのかよ!」
巴の容赦ないド直球発言に、俺のライフはゼロを突き抜けていった。
「ちょっと、巴さん何言っているの!少しは考えてから発言しなさい!」
「ほんと、スズメバチってどんな時でも好戦的だよな?」
「あーん?てめーら、やんのかよ!」
俺の顔が原因で、さっきまで仲良く歩いていた3人が、今まさに喧嘩を始めようとしている。
「あんたたちさー、いい加減にしないとまたやっちゃうよ?」
「「「すみませんでした!」」」
ツキノの一言で、一気に姿勢がよくなる3人。
「ではこれで」
3人はそそくさと去って行ってしまった。
「神様ごめんね、あいつら別に悪気があって言ったわけじゃないから…」
うん知ってる。でも、悪気がないから余計につらいんだよね。
それ以外の道行く人たちは、自分たちの知らない何処かの亜人種族だと思って、特に気にもしていなかった。
ラビット国の門のところで、一人のエルフが俺を待っていた。
「おージャス…まさよし君、無事依り代手に入れたんだね!」
「あ、ルリ…さん、お待たせしました」
地上では、神様が依り代でうろついているのがバレると、さすがによくないので、降りたときはそれぞれ偽名で呼び合うことにした。
「じゃあ神様、ルリエン様、私はここで」
そう言ってツキノとはここで別れた。
ここからエルフの国まで『鳥車』に3時間ほど乗って移動する。
ラビット国~エルフ国間は、すでに道が整備されており、鳥車で快適に移動できるようになった。
ルリエンさんは、向き合って座れる鳥車内で、なぜか俺の隣に座っている。
改めて見るけど、ルリエンさんはすごくかわいい。
前世?で言えば、F県の奇跡の人並みの顔立ちだ。
金髪で肩甲骨付近まで伸びた髪に、クリっとした青い目、すっとした鼻に笑うとえくぼが出る口。
身長はそんなに高くないけど、緑と白が合わさったワンピースがよく似合う女の子。
もしこの世界に来ていなかったら、俺みたいな男には一生縁の無いような女性だったろうな。
「ねぇ、久しぶりに『人の姿』に戻った気分はどう?」
ルリエンさんがニコニコして俺に話しかけてきた。
「うん、うれしいんだけど…外見でいろいろ言われてちょっとね…」
ルリエンさんは、しばらく俺が何を言っているのか分からなかったようだが、やがて笑いながら話しだした。
「あははは、この世界の人たちは『容姿も』重要視するからね!」
「大丈夫だよ、私はちゃんとジャスティス君のことわかっているからさ!」
なんだこれ、この人マジ天使じゃん!女神だけどw
「ほらほら、泣かない!」
「私の信者たちはそんなの気にしないから、安心していいよ!」
「ウウッ、ありがとうルリエンさん」
「そっか、人を見た目で判断しないなんて、ルリエンさんの信者は立派だな」
「よしよし、元気出して!」
こうして俺は、励ましと頭ナデナデされながら、アル・アノア女王の国に到着した。
村の中を颯爽と歩く二人。
「ね、何も言ってこないでしょ?」
満面の笑みで聞いてくるルリエンさん。
「うん、確かに『誰も』言ってこないね」
うん、確かに何も言ってこないけどさ…ただ、遠くからすごく見られているよ?
あっ、子供のエルフがこっちに来ようとしているのを、親エルフが必死で止めている。
おや、あちらの男エルフは矢をこっちに引いているように見えるのですが?
おやおや、あちらの男衆は剣を片手に、誰が俺を討伐するか話し合っているようですね(涙)
村に入って3分も経っていないけど…もう帰りたいです。
「チッ、あいつら…私に恥をかかせおって…」
いやいや、ルリエンさんの独り言が、俺にめっちゃ聞こえていますよ?
もう俺のことは気にしなくていいので、心を沈めてください!
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