神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第149話 神、降臨

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時は少し戻り、周瑜たちが2度目の『長沙城ホイホイ』を終わらせた頃。

ステータス確認

【氏名:よしだ・じゃすてぃす(まさゆき)】
【7/10 8:00:00】
【ランク:カルト集団の神】
【精神力:55555】
【精神力消費:「65,812k/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】
【精神力増加:「82,192k/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】
【領域:30㎞(本部・設樂焼)】
【領域:100.0㎞(韓信・鼠)×2】
【領域:100.0㎞(項羽・熊.鮭付)×2】
【領域:100.0㎞(ピット・龍)×2】
【領域:20.0㎞(輪廻転生・長沙城固定)】

領域の拡大が100㎞を超えた途端、10m/1000ポイントに支払いが増えた。
しかも、輪廻転生付の長沙城領域は、10m/30000と『超高額』な為、20㎞で放置。
現在、ケガか呪いでの48時間以内の死のみ、長沙城領域で『転生』が可能。
これを周瑜たちが悪用?して、次々と『アリの兵士』を創り出していた。
おかげで俺の精神力は悲惨である。

「ジャスティスちゃん居る~?」

ああ、ルリエンさん。
俺はこの領域から出られないので、いつもここに引き籠っていますよ?

「あはは、相変わらずの自虐ネタだね!」
「そんな事よりさ、デートしようよ!」

デートですと?俺この領域から出られないって10秒前くらいに説明したんだけど?

「ちがう、ちがう!」
「ジャスティス君さ、この前お告げで『依り代』造ってもらうよう、ツキノちゃんにお願いしていたじゃない?」

そういえば、ツキノにそんなこと頼んでいたな。
確か…

【1週間前】

「ねえ、ジャスティス君」
「君も地上で活動できるよう、レオナルドさんたちに『依り代』造ってもらいなよ?」

なんだってー!そんなことできるの?

「そりゃ悪魔だって出来るのだから、神様も『実体』さえあれば余裕でできるよ」

そう言えばルリエンさんも、ちょくちょく下界に降りてお供え物かっぱらってきていたな?
なるほど、そういう事だったのか!

「いや、あれ私へのお供え物だから盗んでいるんじゃないわよ!」
「そんな事より、早くツキノちゃんに告げなさいよ!」

いや、何か告白できずにもじもじしている俺に、背中押す女子友みたいな会話に聞こえるのだけど?

とりあえずお告げっと、うん?ツキノちゃんいま5人で女子会して、誰が好きかで盛り上がっていますね?
今話しかけたらタイミング悪くない?

「そんなこと考えていたら、いつまでたっても告げられないよ?」

いやいや、だから告白じゃないんだって!
もういいや、取り合えず聞いてみよう。

『もしもし、ツキノちゃん?神様だけど?』

「今忙しいからあとで!プツッ!」

あれ~?お告げって向こうから切ることも可能なの?
ってか、やっぱ空気読めない人みたいになったじゃないか!

「いや~さすがにドンマイだね」

いや、告白失敗して励まされている人じゃないんだから!ちょっと涙目になったけどさ。

あ、ツキノ女子会終わったぽい。

『ツキノちゃん、いま大丈夫?』

「おー神様、どうしたの?」

『いや、実は頼みがあってね…』

「へーえ、そうすれば神様も私たちに直接会えるんだ?」
「わかった、じゃあレオちゃんたちに聞いておくね」

『頼んだよ~』

まあ、そんなこんなで1週間たったけど、普通に考えて『依り代』とか簡単に出来るの?
そもそも『人造人間』て、悪魔や悪神の『粋を集めた』技術?なんでしょ?

「あ、神様?レオちゃんが『20号機』まで造っているって!」

へ?一週間で20体も造ったの?なんかおかしくない?

「ちがうよ?人造人間は前から研究していて、過程でその人数あるんだって!」

え、そうなの?すげーな、うちの科学者集団!
てか、俺の領域内にも関わらず、何故かラボだけは入ることは愚か、見る事すらできない。
悪魔・悪神対策の何かと思うけど、一体どういう技術水準になったらそんなこと出来るんだ?

「何かわたしと一緒にだったら、中に入れるみたいだよ?」

おーそれじゃぁツキノに憑いていくとしよう!

すげーこれが『ラボ』の中か!建物もめちゃデカくなっていたけど、機密関係は全て『地下』にあるのね。
一階が主に大型機器開発や魔石の研究、2階以降に技術開発室や職員の生活空間があり、地下1~2階が生物の研究および『人造人間』の作成を行っているようだ。

厳重に警備された部屋に入ると、カプセル内の培養液に入った生物たちや、冷凍室に入った生物、『サイボーグ』でも造っているのか、機械の人間もベッドの上に横たわっており、『ラボ』内部は、この世界と一線を引いていた。

「レオちゃん来たよ~!」
「よおツッキー、待っておったぞ!」

奥で白衣のエルフたちに説明をしていたレオナルドが、笑いながら歩いてくる。

「ねえねえ、どんな奴があるの?」

「いろいろあるぞ!人や亜人の遺伝子をベースに造った物や、完全な『機械』から作ったものなど様々じゃ」

「だって神様!いろいろ選べるみたいだよ?」

「神様?ツッキーと一緒に居るのか?」

「うん、今私の『背後』に憑いて来ているよ」

「そうか、そうか、では説明いたしましょう」

レオナルドはツキノの後ろにいる俺に説明を始めた。

「1号から7号までは、人間や亜人の遺伝子をベースに造っております」
「8号から16号までは、機械をベースにしておりますので『サイボーグ』になりますな」
「17号・18号は人間をベースに戦闘能力を大幅に強化し、エネルギーは無限、19・20号は一部人間の機能を残した『人造人間』となります」

ふーむなるほど、『依り代』としては強い方がいいし、17号とかかっこよくていいね!

「17号はダメです」

え?なんでダメなの?依り代としては、まだ使えない状態?

「いえ、能力的には問題ないのですが…」
「外見の問題上、16号~20号と8号は使えないのです…」

えーそれって映像的にだよね?これ小説だからなんかうまい事ごまかせない?

「小説?神様が何を言っているのかわかりませんが、やはり難しいですね」

ちなみにこの会話は

神→ツキノ→レオ→神→ツキノ→レオ

この順番で会話が成立しているので、神様の通訳係であるツキノが面倒くさくなってきたのか、だんだん不機嫌になってきた。

「神様、面倒くさくなったので10秒で決めて!」

えー、一応自分の依り代だし、じっくり決めたいんだけど?

「10!9!8!7!」

うわっ、ツキノがカウントダウンはじめた!じゃあエルフの体でお願いします!

【エルフの体を依り代にしますか?Y/N】

イエスイエス!

突然目の前が真っ白になり、眠りから目が覚めるような感覚を久しぶりに感じる。

目を開けると、ツキノとレオナルドが俺の顔を覗き込んでいる。

俺は上半身を起こし、周りを見渡すと、助手のエルフやドワーフたちも俺の方を見つめている。

「ねえ、もしかして神様?」

「ああ、そうだよ」

そう答えると、周りは歓喜に包まれ…なかった。

「あれがラビット王国の神様?」

「へえ、あれが…」

「なんか…ねぇ」

周りのドワーフやエルフの助手たちから、ひそひそ話が聞こえる。

「あれ?ワシ『エルフ』と間違えて『オーク』の体を用意しちゃった?」
「いや、オークの『体』はここにあるから『エルフの体』なのは間違いないよな?」
「あれ~?」

レオナルドはひどく混乱している。

呆然とするツキノに、俺は鏡を貸してと、手鏡を借りる。

うん、間違いない、これは『生前?の自分の顔』だ。

つまり、この世界での俺の顔は、オークの顔と同レベルで認識されているという事か…。

「…まあ、ね、どんな顔でも『神様は神様』だし、私は『味』があって好きだよ?」

破天荒なツキノを、ここまで気を使わせている自分の顔。

「オー…神様、私はあなたを崇拝しておりますぞ!」

レオナルドさん、あんた今オークって言っちゃおうとしたでしょ(涙)

「みんなありがとう、こんな姿で申し訳ないけど…みんなの為に頑張るから」

「「「神様!!」」」

今部屋にいるみんなが同情して?むせび泣き始めた。

そうだな、世界を救うために頑張らないとな。
確かに俺はこの世界で『ブサイク枠』だけど…さっさと信仰集めて元の世界に帰ろう。
この時俺は心に誓った。
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