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群雄進撃編
第140話 林冲、別れた妻と再会を果たすのこと
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走る林冲たちを横目に、土煙や炎、稲光がさく裂する『東昌府』。
林冲たちが正面の門に着く頃、「美少女戦団」が空から場外に降りてきた。
「おーい!林ちゃーん!無事『お披露目ステージ』終わったよー!」
「早く林ちゃんの奥さん迎えにいこー!」
飛んでくるツキノ達の後を、無数の魔族兵が追いかけてきた。
「いかん、みんな逃げるぞ!」
4人は豹の姿になり、急いで元来た道を戻り始めた。
「あぁ、やっぱりこうなったか…」
「俺も前世で、大概頭おかしいと言われていたけどよ、上には上がいるって今日理解したわ」
林冲と秦明の言葉に、皆が頷く。
「で、城内の様子はどうでしたか?」
「誰か強い好漢は、来ていましたか?」
黄信の質問に、少し考える4人。
3人がハッと思い出し、副官たちと対峙した時の感想を話す。
「そういや、獣人共は、まあまあ強かったぜ!」
「あの獣人は魔族どもとは違い、なかなか楽しめましたわ」
「狙撃もいい腕をしていたよ、あの獣人達」
どうやら獣人達の副官は、優秀だったということが分かった。
「んー私はわかんなかったな」
「「「あんたは上から魔法撃ち込んでいただけだろ!」」」
ツキノの言葉に、心の中で突っ込む三人。
「とりあえず報告は後で!」
「いまは『二竜山』へ向かいましょう」
8人は一気に『二竜山』を目指した。
ここは、二竜山の塞内部。
「お頭!下から変な奴らが上がってきますぜ!」
手下の言葉に席を立つ1人の獣人。
見張り台から下を除くと、豹に乗った娘たち4組が上ってくる。
「おい、あれは豹子頭じゃねーか!」
虎の獣人『花和尚』は、慌てて門を開け、皆を迎え入れる
「豹子頭、無事だったのか!」
「ああ、あの後何とか逃げ延びて、ここにいるツキノ様達に助けてもらったのさ」
「そうだったのか、元気そうで何よりだ!」
「『花和尚』、今まで面倒をかけてすまなかった」
礼を言う林冲に、いいって事よ、と照れながら話す『花和尚』。
「それで、妻は無事なのか?」
林冲の言葉に、実はと、すまなさそうに答える『花和尚』。
「お前が連れていかれた後、高俅の甥っ子が、すぐにお前の奥さんを襲いに来てな」
「その時は運よく俺が居合わせて、事なきを得たのだが、このままではいつか奴らの手に落ちると思い、お前の奥さんと一緒に、この『二竜山』に逃げ込んだのだ」
「しかし、慣れない生活からか病に罹ってしまい、今部屋の中で休んでいる」
『花和尚』の報告に肩を落とす林冲。
「そんな…ここまで来てそんな事になっていたとは…」
「『花和尚』、今すぐ会わせてくれ!」
わかったと『花和尚』が案内し、林冲、ツキノ、八重が後をついていく。
部屋に入ると、ベッドに入って窓の外を見ていた女性が、こちらを振り返る。
「あなた…なの?」
「今帰った、待たせてすまなかったな」
「あなた!」
妻はベッドから上半身を起こし、林冲と抱擁する。
「あなた、申し訳ありません。お待ちしていたのですが、このような体になってしまって」
「俺の方こそ、突然いなくなってしまい、心配をかけてしまった」
「また一緒に暮らそうな!」
そのあと、ツキノ達に彼女の病状を見てもらう。
「うーん、たぶん精神不安から来ているみたいだけど、一度『華佗(かだ)』先生に診てもらった方がいいね」
そう言うとツキノは、林冲の妻をおんぶして外に出る。
「ちょっと華佗先生のところまで行ってくるね!」
「え、いまから?」
驚く林冲の妻を背中に乗せて、ツキノは風魔法を使い、一気にラビット国へ旅立った。
「ツキノ様、お願いします」
林冲は拱手をして、無事を祈った。
「あれ、そう言えばツキノ様って『花和尚』たちを進化させるために来たんじゃなかったっけ?」
「あっそうだった…」
秦明の言葉に、すっかり失念していた3人。
「じゃあ、私たちも行きますね」
巴たちも奥さんの私物をもって、ラビット国に旅立った。
「なあ豹子頭、進化ってなんだ?」
『花和尚』の質問に、ああ、ここから説明かと、ため息をつく林冲であった。
林冲たちが正面の門に着く頃、「美少女戦団」が空から場外に降りてきた。
「おーい!林ちゃーん!無事『お披露目ステージ』終わったよー!」
「早く林ちゃんの奥さん迎えにいこー!」
飛んでくるツキノ達の後を、無数の魔族兵が追いかけてきた。
「いかん、みんな逃げるぞ!」
4人は豹の姿になり、急いで元来た道を戻り始めた。
「あぁ、やっぱりこうなったか…」
「俺も前世で、大概頭おかしいと言われていたけどよ、上には上がいるって今日理解したわ」
林冲と秦明の言葉に、皆が頷く。
「で、城内の様子はどうでしたか?」
「誰か強い好漢は、来ていましたか?」
黄信の質問に、少し考える4人。
3人がハッと思い出し、副官たちと対峙した時の感想を話す。
「そういや、獣人共は、まあまあ強かったぜ!」
「あの獣人は魔族どもとは違い、なかなか楽しめましたわ」
「狙撃もいい腕をしていたよ、あの獣人達」
どうやら獣人達の副官は、優秀だったということが分かった。
「んー私はわかんなかったな」
「「「あんたは上から魔法撃ち込んでいただけだろ!」」」
ツキノの言葉に、心の中で突っ込む三人。
「とりあえず報告は後で!」
「いまは『二竜山』へ向かいましょう」
8人は一気に『二竜山』を目指した。
ここは、二竜山の塞内部。
「お頭!下から変な奴らが上がってきますぜ!」
手下の言葉に席を立つ1人の獣人。
見張り台から下を除くと、豹に乗った娘たち4組が上ってくる。
「おい、あれは豹子頭じゃねーか!」
虎の獣人『花和尚』は、慌てて門を開け、皆を迎え入れる
「豹子頭、無事だったのか!」
「ああ、あの後何とか逃げ延びて、ここにいるツキノ様達に助けてもらったのさ」
「そうだったのか、元気そうで何よりだ!」
「『花和尚』、今まで面倒をかけてすまなかった」
礼を言う林冲に、いいって事よ、と照れながら話す『花和尚』。
「それで、妻は無事なのか?」
林冲の言葉に、実はと、すまなさそうに答える『花和尚』。
「お前が連れていかれた後、高俅の甥っ子が、すぐにお前の奥さんを襲いに来てな」
「その時は運よく俺が居合わせて、事なきを得たのだが、このままではいつか奴らの手に落ちると思い、お前の奥さんと一緒に、この『二竜山』に逃げ込んだのだ」
「しかし、慣れない生活からか病に罹ってしまい、今部屋の中で休んでいる」
『花和尚』の報告に肩を落とす林冲。
「そんな…ここまで来てそんな事になっていたとは…」
「『花和尚』、今すぐ会わせてくれ!」
わかったと『花和尚』が案内し、林冲、ツキノ、八重が後をついていく。
部屋に入ると、ベッドに入って窓の外を見ていた女性が、こちらを振り返る。
「あなた…なの?」
「今帰った、待たせてすまなかったな」
「あなた!」
妻はベッドから上半身を起こし、林冲と抱擁する。
「あなた、申し訳ありません。お待ちしていたのですが、このような体になってしまって」
「俺の方こそ、突然いなくなってしまい、心配をかけてしまった」
「また一緒に暮らそうな!」
そのあと、ツキノ達に彼女の病状を見てもらう。
「うーん、たぶん精神不安から来ているみたいだけど、一度『華佗(かだ)』先生に診てもらった方がいいね」
そう言うとツキノは、林冲の妻をおんぶして外に出る。
「ちょっと華佗先生のところまで行ってくるね!」
「え、いまから?」
驚く林冲の妻を背中に乗せて、ツキノは風魔法を使い、一気にラビット国へ旅立った。
「ツキノ様、お願いします」
林冲は拱手をして、無事を祈った。
「あれ、そう言えばツキノ様って『花和尚』たちを進化させるために来たんじゃなかったっけ?」
「あっそうだった…」
秦明の言葉に、すっかり失念していた3人。
「じゃあ、私たちも行きますね」
巴たちも奥さんの私物をもって、ラビット国に旅立った。
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