神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第136話 日ノ本の蹴鞠名人

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時は少し遡り、宋国の首都『東京府』。

童貫より書簡を受け取った蔡京は、読み終えた後執務席に座る。

「やはり今回も『新たな神』と『神の代理人』が現れおったか…」

蔡京は中庭に出て、自身が飼っている鷹に書簡を括りつけて飛ばす。

「少々準備不足にはなるが、早めに計画を実施するとしよう」

舞い上がった鷹を見送ると同時に、蹴鞠をして遊んでいた高俅と、もう一人の男がやってくる」

「いやはや、高俅様の蹴鞠の技術は、宋国一の素晴らしいですな!」

ほめちぎるこの男に、高俅は上機嫌で返事をする。

「いやいや、『うじざね』殿の足使いもなかなかのものであったぞ?」

笑いあう二人に、蔡京が『うじざね』に話しかける。

「これは、これは『うじざね』殿、『ノブナガ』公はお元気かな?」

「これは蔡京様、我が殿への心遣い感謝いたします」
「上様は今、『日ノ本』の大部分を制圧し、実質上『天下人』となっております」
「今わが国では、上様の夢である『世界の天下人』の準備に取り掛かっておる最中でございます」

『うじざね』は、軽快な口調で日ノ本の内情を話す。

「しかし、まだ完全には『日ノ本統一』出来ていないのであろう?まずは足元をしっかり固めてからの世界進出を考えた方がよいのではありませぬか?」

蔡京の助言も、『うじざね』の耳には届かない。

「大丈夫です、奴ら『国衆』は纏まりもありませんし、我らに滅ぼされるのは時間の問題です」

「そうか、それは余計なことを言ってしまったな」

蔡京の気使いに、感謝する『うじざね』。

蔡京はそのまま執務室へと戻った。

「国内を統一する前に、亜人連合国へ仕掛けるだと?」

「『うじざね』の言葉が本当であれば、『オダノブナガ』は何かに焦っておるのか?」

「いや、ノブナガの配下?公家共の仕業か?」

「あの国の奴らは、一体何を考えておる?」

蔡京は答えが出せぬまま、執務席に座り日々の仕事をこなし始めた。
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